分子(上)と分母(下)それぞれの「√が付かない数」「√の前の数」「√の中の数」を入力してください。使わない欄は空欄のままでかまいません。下の数式は入力欄と連動していて、数式の数字の部分を直接書き換えても計算できます。
このページでできること
- \(\dfrac{1}{\sqrt{3}}\) や \(\dfrac{2}{3-\sqrt{5}}\) のような「分母に根号(√)がある分数」を、分母に根号がない形(\(\dfrac{\sqrt{3}}{3}\)、\(\dfrac{3+\sqrt{5}}{2}\))に直せます(分母の有理化)
- 分母が1項(\(2\sqrt{3}\) など)なら \(\sqrt{3}\) を、2項(\(3-\sqrt{5}\) など)なら共役な式 \(3+\sqrt{5}\) を分母・分子に掛ける、高校1年で習う手順どおりの途中式が見られます
- 途中で \(\sqrt{48} = 4\sqrt{3}\) のような根号の簡約が必要なときは、その途中式も表示します
- 答えは約分まで済ませた厳密な形(分母は正の整数)と、小数の近似値の両方で表示します
- 計算機には手書きと同じ形の分数の式が表示され、数字の部分を直接書き換えて計算することもできます
この計算は何の役に立つ?
\(\dfrac{1}{\sqrt{3}}\) をそのまま小数にするには「\(1 \div 1.732\dots\)」という割る数が無理数の割り算が必要で、筆算ではほぼ手に負えません。有理化して \(\dfrac{\sqrt{3}}{3}\) にすれば「\(1.732 \div 3\)」となり、筆算でも暗算でも計算できます。
電卓が無かった時代、技術者や測量士は平方根の数表とこの変形を組み合わせて実務の計算をこなしていました。今でも、テストの検算や概算で「√を含む式のおよその値」を出すときに役立つ変形です。
コンピュータの小数計算では、ほぼ等しい2つの数の引き算で有効数字が大きく失われる「桁落ち」という現象が起きます。例えば \(x\) が大きいとき \(\sqrt{x+1}-\sqrt{x}\) をそのまま計算すると精度が落ちますが、分子を有理化して \(\dfrac{1}{\sqrt{x+1}+\sqrt{x}}\) に直すと引き算が消えて精度が保てます。
二次方程式の解を求めるプログラムなど、科学技術計算のソフトウェアではこの「有理化による式の書き換え」が実際に使われています。
家庭用コンセントの交流100Vは「実効値」で、電圧の最大値はその \(\sqrt{2}\) 倍(約141V)です。逆に実効値は最大値の \(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\) 倍で、有理化すると \(\dfrac{\sqrt{2}}{2} = 0.707\dots\) 倍。電気や音響の現場で使われる「0.707倍」という数字は、この有理化した形から来ています。
音響機器の周波数特性で使われる「−3dB(電圧が \(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\) 倍になる点)」も同じ数です。
同じ値でも \(\dfrac{1}{\sqrt{2}}\) と \(\dfrac{\sqrt{2}}{2}\) のように書き方が何通りもあると、答え合わせや人どうしの共有がしにくくなります。そこで数学では、分母を有理化した形を答えの標準形とする慣習があり、教科書・問題集・試験の模範解答はこの形にそろえられています。
形をそろえる習慣は、公式集や数表など「大勢で同じ数値を参照する場面」で間違いを減らす役割を果たしてきました。
式
用語・記号の解説
記号
| \(\sqrt{\phantom{a}}\) | ルート こんごう(根号) | 平方根を表す記号。\(\sqrt{a}\) は「2乗すると \(a\) になる正の数」を表します。ラテン語で「根」を意味する radix の頭文字 r を変形した記号に由来するといわれます。 |
| \(a,\ b,\ c\) | エー・ビー・シー | 決まった数を表すときに使う文字。「決まった数」にはアルファベットの最初の方の文字 \(a,\ b,\ c\) を使う慣例があります。このページの式では、\(a\) と \(c\) が√の付かない数、\(b\) が√の中の数です。 |
| \(x,\ y\) | エックス・ワイ | 和と差の積の公式 \((x+y)(x-y) = x^{2}-y^{2}\) で使う文字。有理化では \(y\) の場所に \(\sqrt{b}\) を当てはめて使います。 |
| \(x^{2}\) | エックスの2じょう | \(x\) を2回掛け合わせたもの(2乗・平方)。右上の小さい数(指数)が掛ける回数を表します。\((\sqrt{b})^{2} = b\) となるのが、根号が消える理由です。 |
| \(\fallingdotseq\) | ニアリーイコール | およそ等しいことを表す記号。\(\sqrt{3}\) のような無理数は小数で書き切れないので、小数で表すときはこの記号を使います。 |
用語
| 有理化 | ゆうりか | 分母(または分子)から根号を消して、有理数にする式変形のこと。分母と分子に同じ数を掛ける(=1 を掛ける)だけなので、分数の値は変わりません。 |
| 有理数 | ゆうりすう | \(\dfrac{2}{3}\) や \(-5\)、\(0.75\) のように、整数の分数で表せる数。「比(ratio)で表せる数」という意味です。 |
| 無理数 | むりすう | \(\sqrt{2}\) や円周率 \(\pi\) のように、整数の分数では表せない数。小数で書くと、循環しない小数が無限に続きます。 |
| 平方根 | へいほうこん | 2乗すると \(a\) になる数を「\(a\) の平方根」といいます。正の数 \(a\) の平方根は \(\sqrt{a}\) と \(-\sqrt{a}\) の2つです。中学3年で学びます。 |
| 根号 | こんごう | 平方根を表す記号 \(\sqrt{\phantom{a}}\) のこと。「ルート」とも読みます。 |
| 共役な式 | きょうやくなしき | \(a+\sqrt{b}\) に対する \(a-\sqrt{b}\) のように、√ の項の符号だけを変えた式。掛けると和と差の積になって根号が消えるので、2項の分母の有理化で使います。「共役」は「対になって働く」という意味で、高校2年の数学IIで学ぶ「共役な複素数」も同じ言葉を使う仲間です。 |
| 和と差の積 | わとさのせき | 乗法公式 \((x+y)(x-y) = x^{2}-y^{2}\) のこと。展開すると真ん中の項が打ち消し合い、2乗の差だけが残ります。中学3年で学びます。 |
| 乗法公式 | じょうほうこうしき | 式の展開でよく出る形をまとめた公式。和と差の積のほか、\((x+y)^{2} = x^{2}+2xy+y^{2}\) などがあります。 |
| 平方因子 | へいほういんし | \(48 = 4^{2} \times 3\) の \(4^{2}\) のように、数の中に含まれる「2乗のかたまり」。根号の中の平方因子は \(\sqrt{48} = 4\sqrt{3}\) のように根号の外に出せます。 |
| 約分 | やくぶん | 分母と分子を同じ数で割って、分数を簡単にすること。有理化した後は、分母・分子の最大公約数で約分して答えを整えます。 |
| 分母 | ぶんぼ | 分数の下の数。分母と分子に同じ数(0以外)を掛けても、分数の値は変わりません(分数の性質)。 |
| 分子 | ぶんし | 分数の上の数。分母と分子に同じ数(0以外)を掛けても、分数の値は変わりません(分数の性質)。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。
| 平方根と根号(中学3年) |
|
| 根号の簡約(中学3年〜高校 数学I) |
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| 式の展開と乗法公式(中学3年) |
|
| 分数の性質と約分(小学5年〜中学1年) |
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| 有理数と無理数(中学3年) |
|
Excelで計算する方法
| 分子の数 a | 1 |
| 分母の√の中の数 b | 3 |
| 元の式 a÷√b | =B1/SQRT(B2) |
| 有理化した形 a×√b÷b | =B1*SQRT(B2)/B2 |
| √が付かない数 a | 2 |
| √の中の数 b | 3 |
| (a+√b)×(a−√b) | =(B1+SQRT(B2))*(B1-SQRT(B2)) |
| a²−b | =B1^2-B2 |
| 分子の数 c | 1 |
| 分母の√が付かない数 a | 2 |
| 分母の√の中の数 b | 3 |
| 元の式 c÷(a+√b) | =B1/(B2+SQRT(B3)) |
| 有理化した形 c×(a−√b)÷(a²−b) | =B1*(B2-SQRT(B3))/(B2^2-B3) |
1つ目の表は 1/√3 の例で、「元の式」と「有理化した形」がどちらも 0.57735… と同じ値になり、有理化しても分数の値が変わらないことを確かめられます。
2つ目の表は (2+√3)(2−√3) の例で、展開した値と a²−b がどちらも 1 になります。
3つ目の表は 1/(2+√3) の例で、「元の式」と「有理化した形」がどちらも 0.26794… と同じ値になります。
Excelは√を小数(近似値)で計算するため、答えは小数で表示されます。√3 のような厳密な形のまま整理したいときは、このページの計算機を使ってください。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 分子の数 a | 1 |
| 分母の√の中の数 b | 3 |
| 元の式 a÷√b | =B1/SQRT(B2) |
| 有理化した形 a×√b÷b | =B1*SQRT(B2)/B2 |
| √が付かない数 a | 2 |
| √の中の数 b | 3 |
| (a+√b)×(a−√b) | =(B1+SQRT(B2))*(B1-SQRT(B2)) |
| a²−b | =B1^2-B2 |
| 分子の数 c | 1 |
| 分母の√が付かない数 a | 2 |
| 分母の√の中の数 b | 3 |
| 元の式 c÷(a+√b) | =B1/(B2+SQRT(B3)) |
| 有理化した形 c×(a−√b)÷(a²−b) | =B1*(B2-SQRT(B3))/(B2^2-B3) |
Pythonで計算する方法
from sympy import sqrt, radsimp
# 有理化したい分数(例:(1 + √2) / (3 + √2))
expr = (1 + sqrt(2)) / (3 + sqrt(2))
# radsimp が分母の有理化を行う(約分まで済んだ1つの分数の形で返る)
rationalized = radsimp(expr)
print(f"有理化した形: {rationalized}")
print(f"小数で表すと: {float(expr)}")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
a/√b = a√b/b
\dfrac{a}{\sqrt{b}} = \dfrac{a\sqrt{b}}{b}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mfrac><mi>a</mi><msqrt><mi>b</mi></msqrt></mfrac>
<mo>=</mo>
<mfrac><mrow><mi>a</mi><msqrt><mi>b</mi></msqrt></mrow><mi>b</mi></mfrac>
</mrow>
</math>
a/sqrt(b) = (a sqrt(b))/b
Simplify[a/Sqrt[b]]
rationalize(a/sqrt(b));
simplify(a/sqrt(b))
a/√b = (a√b)/b
(x + y)(x − y) = x² − y²
(x+y)(x-y) = x^{2} - y^{2}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mo>(</mo><mi>x</mi><mo>+</mo><mi>y</mi><mo>)</mo>
<mo>(</mo><mi>x</mi><mo>−</mo><mi>y</mi><mo>)</mo>
<mo>=</mo>
<msup><mi>x</mi><mn>2</mn></msup>
<mo>−</mo>
<msup><mi>y</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</math>
(x+y)(x-y) = x^2 - y^2
Expand[(x + y) (x - y)]
expand((x+y)*(x-y));
expand((x+y)*(x-y))
(x+y)(x-y) = x^2 - y^2
c/(a + √b) = c(a − √b)/(a² − b)
\dfrac{c}{a+\sqrt{b}} = \dfrac{c\left(a-\sqrt{b}\right)}{a^{2}-b}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mfrac><mi>c</mi><mrow><mi>a</mi><mo>+</mo><msqrt><mi>b</mi></msqrt></mrow></mfrac>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow><mi>c</mi><mo>(</mo><mi>a</mi><mo>−</mo><msqrt><mi>b</mi></msqrt><mo>)</mo></mrow>
<mrow><msup><mi>a</mi><mn>2</mn></msup><mo>−</mo><mi>b</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
c/(a+sqrt(b)) = (c(a-sqrt(b)))/(a^2-b)
Simplify[c/(a + Sqrt[b])]
rationalize(c/(a+sqrt(b)));
simplify(c/(a+sqrt(b)))
c/(a+√b) = c(a-√b)/(a^2-b)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは数学(数と式)の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 分数 (1 + √2) / (3 + √2) の分母を有理化してください。 次の内容をそれぞれ示してください。 1. 分母・分子に掛ける式(共役な式) 2. 分母の計算(和と差の積でどう根号が消えるか) 3. 分子の展開の途中式 4. 有理化した答え(約分済みの厳密な形)と小数の近似値 Pythonでは sympy の sqrt・radsimp を使って厳密に計算し、計算に使った式と実行結果を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
