計算のしかた(支出面/分配面)を選び、各費目の金額を入力してください。空欄は0として計算します。単位は自由ですが、日本のGDPなら「兆円」で揃えるのがおすすめです。
このページでできること
- 個人消費・民間投資・政府支出・輸出・輸入の5つを入れるだけで、GDP(国内総生産)を支出面の式 \(\mathrm{GDP} = C + I + G + (X - M)\) で計算できます(中学公民〜高校「政治・経済」で習う定番の式です)
- 「分配(所得)面から」モードに切り替えると、雇用者報酬・営業余剰・混合所得・固定資本減耗・税と補助金という、日本の国民経済計算(SNA・内閣府)の費目からもGDPを計算できます
- 純輸出(輸出 − 輸入)も同時に計算し、どの費目がGDPをつくっているかがひと目でわかる横棒グラフを表示します(純輸出がマイナスの場合は左向きの棒になります)
- 空欄の費目は0として計算するので、わかっている費目だけの合計もすぐに出せます
- 式のやさしい解説・三面等価の原則・名目と実質の違い・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
「GDP = 消費 + 投資 + 政府支出 + (輸出 − 輸入)」は、中学公民から高校「政治・経済」、大学入学共通テストまで繰り返し登場する定番の式です。「表の数値からGDPを計算しなさい」「純輸出がマイナスのときGDPはどうなるか」といった問題は、この式に当てはめるだけで解けます。
三面等価の原則(生産・分配・支出のどの面から測っても同じ値になる)とセットで覚えると、分配面の費目(雇用者報酬・営業余剰など)を問う問題にも対応できます。
内閣府が四半期ごとに公表するGDP速報は、「個人消費が前期比マイナス」「設備投資がプラスに転じた」のように、まさにこの式の費目ごとに報じられます。式を知っていると、「今回の成長は消費がけん引したのか、輸出がけん引したのか」まで読み取れるようになります。
「実質GDP成長率2%」の規模感も計算できます。日本のGDPを約635兆円とすると、2%は \(635 \times 0.02 = 12.7\)(兆円)——1年でおよそ13兆円分の生産が増えるという意味です。
防衛費・教育への支出・政府の債務残高などの政策の規模は、「GDP比◯%」という形で語られるのが国際的な慣例です。GDPが分母だと知っていれば、例えば「GDP比2%」は日本(約635兆円とした場合)でおよそ12.7兆円、と自分で換算できます。
金額そのままではピンとこない巨大な数字を、国の経済規模と比べて実感するための土台になる式です。
国同士の豊かさを比べるレポートでは、GDPそのものではなく、GDPを人口で割った「一人当たりGDP」がよく使われます。経済の規模(GDP)が大きくても、人口が多ければ1人あたりの豊かさは別の話になるからです。
また、為替レートの影響を受ける名目値の比較には、購買力平価(PPP)で調整した一人当たりGDPが使われることが多い、という注意点も知っておくと、データの読み違いを防げます。
「日本の個人消費は約335兆円」「民間投資(設備・住宅・在庫の合計)は約145兆円」のような費目の規模感は、市場規模を見積もったり、企画書で業界の位置づけを説明したりするときの出発点になります。
例えば「30兆円の市場」と聞いたら、個人消費約335兆円の1割弱にあたる巨大市場だ、と式の費目と比べて実感できます。
式とグラフ
用語・記号の解説
記号
| \(\mathrm{GDP}\) | ジーディーピー | 国内総生産(Gross Domestic Product)。一定期間(四半期・1年)に国内で生産されたモノ・サービスの付加価値の合計です。 |
| \(C\) | シー | 個人消費(Consumption)。家計がモノ・サービスの購入に使った支出の合計です(国民経済計算では「民間最終消費支出」)。 |
| \(I\) | アイ | 民間投資(Investment)。企業の設備投資と、住宅投資(家計の持ち家取得を含む)、在庫投資の合計です。在庫が減った年は在庫投資がマイナスになります。 |
| \(G\) | ジー | 政府支出(Government spending)。政府の消費(行政サービスなど)と公共投資の合計です。年金などの給付金そのものは「生産への支出」ではないため含みません。 |
| \(X\) | エックス | 輸出(eXport)。海外に売ったモノ・サービスの合計です。 |
| \(M\) | エム | 輸入(iMport)。海外から買ったモノ・サービスの合計です。国内の生産ではないので、式の最後でまとめて引きます。 |
| \(\mathit{NX}\) | エヌエックス | 純輸出(Net eXports)。輸出から輸入を引いた値(\(X - M\))で、マイナスになることもあります。 |
| \(W\) | ダブリュー | 雇用者報酬。働く人が受け取る給与・賞与や、社会保険料の雇い主負担分などの合計です。 |
| \(\mathit{OS}\) | オーエス | 営業余剰・混合所得(Operating Surplus)。企業のもうけ(営業余剰)と個人事業主の所得(混合所得)の合計です。 |
| \(D\) | ディー | 固定資本減耗(Depreciation)。建物・機械などの生産設備が古くなって目減りした分です。 |
| \(T\) | ティー | 生産・輸入品に課される税(Tax)。消費税・酒税・関税などの合計です。 |
| \(S\) | エス | 補助金(Subsidy)。政府が企業などに出す補助金で、分配面の計算では税から引きます。 |
用語
| GDP (国内総生産) |
ジーディーピー(こくないそうせいさん) | 一定期間(四半期・1年)に「国内で」生産されたモノ・サービスの付加価値の合計。国の経済の規模を測る一番代表的なものさしで、日本では内閣府が国民経済計算として公表しています。 |
| 付加価値 | ふかかち | 生産によって新しく生み出された価値のこと。売上から原材料費などを引いた「上乗せ分」で、GDPはこの付加価値を国全体で合計したものです。パン屋の売上をそのまま足すと小麦の値段を二重に数えてしまうため、上乗せ分だけを数えます。 |
| 三面等価の原則 | さんめんとうかのげんそく | GDPを「生産」「分配(所得)」「支出」のどの面から測っても、理論上同じ値になるという原則。誰かが生産したものは誰かの所得になり、誰かの支出で買われる、という関係から成り立ちます(実際の統計では推計方法の違いによる小さなずれ=統計上の不突合があります)。 |
| GNI (国民総所得) |
ジーエヌアイ(こくみんそうしょとく) | 「国内で」ではなく「その国の国民(居住者)が」稼いだ所得の合計。GDPに海外からの純所得(海外投資の利子・配当など)を足したもので、かつてはGNP(国民総生産)と呼ばれていました。海外で稼ぐ企業が多い日本では、GNIはGDPより大きくなります。 |
| 名目GDP | めいもくジーディーピー | その年の価格のまま合計したGDP。物価が上がると、生産量が同じでも名目GDPは増えてしまいます。 |
| 実質GDP | じっしつジーディーピー | 名目GDPから物価の変動分を取り除いたGDP。「経済が本当に成長したか」を見るニュースの成長率は実質GDPで語られるのが基本です。 |
| 経済成長率 | けいざいせいちょうりつ | GDPが前の期間からどれだけ増えたかの割合。「実質GDP成長率2%」なら、物価の影響を除いた生産の規模が2%増えたという意味です。日本では四半期ごとに内閣府がGDP速報を公表し、ニュースで大きく報じられます。 |
| 雇用者報酬 | こようしゃほうしゅう | 働く人(雇われている人)が受け取る給与・賞与に、社会保険料の雇い主負担分などを加えた合計。日本の分配面ではGDPの半分程度を占める、一番大きな費目です。 |
| 営業余剰 | えいぎょうよじょう | 企業の生産活動のもうけ。分配面のGDPでは、雇用者報酬・混合所得などと並ぶ項目です。 |
| 混合所得 | こんごうしょとく | 個人事業主(自営業)の所得。「自分への給与」と「事業のもうけ」が混ざっているため、混合所得と呼ばれます。 |
| 固定資本減耗 | こていしほんげんもう | 建物・機械・道路などの生産設備が、使われたり古くなったりして目減りした分。企業会計でいう減価償却に近い概念で、「総生産」のGDPにはこの分が含まれています。 |
| 生産・輸入品に課される税 | せいさん・ゆにゅうひんにかされるぜい | 消費税・酒税・たばこ税・関税など、モノやサービスの生産・販売・輸入にかかる税の合計。市場で売買される価格にはこの税が乗っているため、分配面の計算に登場します(所得税や法人税はここには含みません)。 |
| 純輸出 | じゅんゆしゅつ | 輸出から輸入を引いた値。海外とのやり取りでどれだけ稼いだかを表し、輸入の方が多い年はマイナスになります。 |
| 国民経済計算 (SNA) |
こくみんけいざいけいさん(エスエヌエー) | GDPなどの経済統計を国際的に共通のルールで作るための体系(System of National Accounts)。日本では内閣府が担当し、このページの分配面の費目もこの体系の分類に合わせています。 |
| 一人当たりGDP | ひとりあたりジーディーピー | GDPを人口で割った値。経済の「規模」ではなく、国民1人あたりの豊かさ・生産性の目安として、国同士の比較によく使われます。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 正負の数の足し算・引き算(中学1年) |
|
| 大きな数の単位(小学4年) |
|
| 割合・百分率(小学5年) |
|
| GDPと三面等価(中学3年 公民〜高校 政治・経済) |
|
Excelで計算する方法
| 個人消費 C | 335 |
| 民間投資 I | 145 |
| 政府支出 G | 160 |
| 輸出 X | 140 |
| 輸入 M | 145 |
| 純輸出(X − M) | =B4-B5 |
| GDP(国内総生産) | =B1+B2+B3+B6 |
| 雇用者報酬 W | 310 |
| 営業余剰・混合所得 OS | 100 |
| 固定資本減耗 D | 175 |
| 生産・輸入品に課される税 T | 57 |
| 補助金 S | 7 |
| 税 − 補助金(T − S) | =B4-B5 |
| GDP(国内総生産) | =B1+B2+B3+B6 |
| 輸出 X | 140 |
| 輸入 M | 145 |
| 純輸出 NX | =B1-B2 |
1つ目の表なら、B6(純輸出)に-5、B7(GDP)に635と表示されます。2つ目の表はB6に50、B7に635、3つ目の表はB3に-5になります。
B列の数値を自分の数値(単位を揃えた金額)に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 個人消費 C | 335 |
| 民間投資 I | 145 |
| 政府支出 G | 160 |
| 輸出 X | 140 |
| 輸入 M | 145 |
| 純輸出(X − M) | =B4-B5 |
| GDP(国内総生産) | =B1+B2+B3+B6 |
| 雇用者報酬 W | 310 |
| 営業余剰・混合所得 OS | 100 |
| 固定資本減耗 D | 175 |
| 生産・輸入品に課される税 T | 57 |
| 補助金 S | 7 |
| 税 − 補助金(T − S) | =B4-B5 |
| GDP(国内総生産) | =B1+B2+B3+B6 |
| 輸出 X | 140 |
| 輸入 M | 145 |
| 純輸出 NX | =B1-B2 |
Pythonで計算する方法
# 支出面:GDP = C + I + G + (X - M) (例の単位:兆円)
personal_consumption = 335 # 個人消費 C
private_investment = 145 # 民間投資 I
government_spending = 160 # 政府支出 G(政府の消費+公共投資)
exports = 140 # 輸出 X
imports_value = 145 # 輸入 M(importはPythonの予約語なので変数名を変えている)
net_exports = exports - imports_value
gdp_expenditure = personal_consumption + private_investment + government_spending + net_exports
# 分配(所得)面:GDP = W + OS + D + (T - S)
employee_compensation = 310 # 雇用者報酬 W
operating_surplus = 100 # 営業余剰・混合所得 OS
fixed_capital_consumption = 175 # 固定資本減耗 D
taxes_on_products = 57 # 生産・輸入品に課される税 T
subsidies = 7 # 補助金 S
gdp_income = employee_compensation + operating_surplus + fixed_capital_consumption + (taxes_on_products - subsidies)
print(f"純輸出: {net_exports}")
print(f"支出面のGDP: {gdp_expenditure}")
print(f"分配面のGDP: {gdp_income}")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
GDP = C + I + G + (X − M)
\mathrm{GDP} = C + I + G + (X - M)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>GDP</mi>
<mo>=</mo>
<mi>C</mi>
<mo>+</mo>
<mi>I</mi>
<mo>+</mo>
<mi>G</mi>
<mo>+</mo>
<mrow><mo>(</mo><mi>X</mi><mo>−</mo><mi>M</mi><mo>)</mo></mrow>
</mrow>
</math>
"GDP" = C + I + G + (X - M)
gdp = c + i + g + (x - m) (* C(積分定数)・I(虚数単位)・D(微分)などはMathematicaの予約語のため、変数はすべて小文字にしている *)
gdp := c + i + g + (x - m); # I(虚数単位)・D(微分演算子)はMapleの予約語のため、変数はすべて小文字にしている
GDP = C + I + G + (X - M);
GDP = C + I + G + (X − M)
GDP = W + OS + D + (T − S)
\mathrm{GDP} = W + \mathit{OS} + D + (T - S)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>GDP</mi>
<mo>=</mo>
<mi>W</mi>
<mo>+</mo>
<mi>OS</mi>
<mo>+</mo>
<mi>D</mi>
<mo>+</mo>
<mrow><mo>(</mo><mi>T</mi><mo>−</mo><mi>S</mi><mo>)</mo></mrow>
</mrow>
</math>
"GDP" = W + "OS" + D + (T - S)
gdp = w + os + d + (t - s) (* D(微分)・C・I等はMathematicaの予約語のため、変数はすべて小文字にしている *)
gdp := w + os + d + (t - s); # D(微分演算子)はMapleの予約語のため、変数はすべて小文字にしている
GDP = W + OS + D + (T - S);
GDP = W + OS + D + (T − S)
NX = X − M
\mathit{NX} = X - M
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>NX</mi>
<mo>=</mo>
<mi>X</mi>
<mo>−</mo>
<mi>M</mi>
</mrow>
</math>
"NX" = X - M
nx = x - m (* 他の式と合わせて変数は小文字にしている(N・C・D・I等はMathematicaの予約語) *)
nx := x - m; # 他の式と合わせて変数は小文字にしている(D・I等はMapleの予約語)
NX = X - M;
NX = X − M
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは経済統計の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 ある国の支出面の費目が、個人消費335・民間投資145・政府支出160・輸出140・輸入145(いずれも兆円)です。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 純輸出(輸出 − 輸入) 2. GDP(= 個人消費 + 民間投資 + 政府支出 + 純輸出) 3. このGDPが翌年に2%成長した場合の増加額 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。(金額の単位はすべて兆円とします)
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
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商用利用許諾の連絡も不要です
