原価・売価・掛率(%)・値入率(%)・マークアップ率(%)の5つのうち、わかっている2つを入力し、残りは空欄のままにして「計算する」を押してください。空欄にした項目と値入額(粗利)を計算し、売価の帯を原価と値入に分けた図で掛率の位置を表示します。
目次
このページでできること
- 原価・売価・掛率(%)・値入率(%)・マークアップ率(%)の5つのうち、わかっている2つを入れるだけで、残りと値入額(粗利)をまとめて計算します
- 「7掛けで仕入れた商品の値入率は何%?」「原価700円で値入率30%にしたい売価は?」「原価に25%乗せたら値入率は何%?」——小売・卸の値付けの疑問がこれ1つで解決します
- 掛率⇄値入率(値入率 = 100 − 掛率)、値入率⇄マークアップ率(分母が売価か原価か)の換算式と早見表があるので、取引先や資料で使われている%が「どの基準の%か」を読み替えられます
- 売価の帯を原価と値入に分けた図で、掛率の位置(原価が売価の何割か)が一目でわかります
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
問屋やメーカーから「この商品は定価の7掛けで卸します」と言われたとき、定価1000円の商品の仕入値は \(1000 \times 0.7 = 700\) 円、定価で売れれば値入額は300円、値入率は \(100 - 70 = 30\)%とすぐに読み替えられます。
「6.5掛けなら値入率35%、6掛けなら40%」のように、掛率の数字がそのまま儲けの割合に直結するので、仕入れ交渉の場でこの換算ができると、条件の良し悪しをその場で判断できます。
仕入値700円の商品に「値入率30%は確保したい」という方針で値付けするなら、売価は \(700 \div (1 - 0.3) = 1000\) 円です。
「原価に30%足して910円」にしてしまうと、値入率は \(210 \div 910 \times 100 \fallingdotseq 23.08\)%にしかなりません。売価基準の値入率と原価基準のマークアップ率の取り違えは実務で起こりやすく、商品数が多いほど利益への影響が積み上がります。
値入率30%で値付けした売り場でも、セールの値引きや売れ残りの廃棄があると、月末に集計した粗利率は25%のように値入率を下回ります。この差(この例では5ポイント)が値引きとロスの分です。
値入率は「値付け時の予定」、粗利率は「売れた後の実績」——同じ式でも意味が違うことを知っていると、「値入率は十分なのに利益が出ない」原因を値引き・廃棄の管理に絞って探せます。
海外の卸サイトや英語の資料では、原価基準の「マークアップ率(markup)」で利幅を示すことがよくあります。「マークアップ50%」は原価の1.5倍で売るという意味なので、売価基準の値入率に直すと \(50 \div (100 + 50) \times 100 \fallingdotseq 33.33\)%です。
同じ「50%」でも基準が違えば利幅は大きく違うので、社内の値入率の基準と比べる前に、この換算式で同じ基準にそろえる必要があります。
材料費と送料で原価800円かかる作品を、値入率40%になるように売るなら売価は \(800 \div 0.6 \fallingdotseq 1333\) 円です。ただしフリマアプリの販売手数料(例えば売価の10%)は売れてから引かれるので、実際の粗利率は値入率より手数料の分だけ下がります。
「値入率40%で値付けしたのに、手数料を引いたら手元にあまり残らない」を避けるには、手数料を差し引いた後の粗利率で確かめるのが安全です。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(C\) | シー | 原価(Cost の頭文字)。商品を仕入れた金額(仕入値・仕入原価)です。(例:1個700円で仕入れたら \(C = 700\)) |
| \(P\) | ピー | 売価(Price の頭文字)。商品に付けた売る値段(定価・販売価格)です。 |
| \(r\) | アール | 掛率(%)。売価に対する原価の割合です。「率」を表す英語 rate の頭文字から、このページでは \(r\) と書きます(決まった1文字の記号はありません)。\(r = C \div P \times 100\) で求めます。 |
| \(M\) | エム | 値入率(%)。売価に対する値入額(売価 − 原価)の割合です。英語では売価基準の利幅を Margin(マージン)と呼ぶことから、その頭文字 \(M\) を使います。\(M = (P - C) \div P \times 100\) で求めます。 |
| \(K\) | ケー | マークアップ率(%)。原価に対する値入額の割合です。決まった1文字の記号がないため、このページでは \(K\) と書きます(利益率計算機のページと同じ記号です)。\(K = (P - C) \div C \times 100\) で求めます。 |
| \(P - C\) | ピー マイナス シー | 値入額(売価 − 原価)。売価に含まれる儲けの予定額で、実際に売れれば粗利になります。 |
用語
| 掛率 | かけりつ | 売価(定価)に対する原価(仕入値)の割合(%)。卸売・小売の取引条件でよく使われ、掛率70%を「7掛け」、65%を「6.5掛け」と呼びます。「定価の7掛けで卸す」は「定価 × 0.7 で仕入れられる」という意味です。値入率と足すと100%になります。 |
| 値入 (値入れ) |
ねいれ | 小売業で、仕入れた商品に売価を付けるときに原価に上乗せする儲けの予定額(値入額 = 売価 − 原価)のこと。「値を入れる」=値段を付ける、という意味の言葉です。 |
| 値入率 | ねいれりつ | 売価に対する値入額の割合(%)。「売価のうち何%が儲けの予定か」を表し、売価が基準(分母)です。小売の教科書では原価基準と区別して「売価値入率」とも呼びます。原価が基準の割合は「マークアップ率(原価値入率)」と区別します。 |
| 粗利率 (売上総利益率) |
あらりりつ(うりあげそうりえきりつ) | 実際の売上高に対する粗利(売上高 − 売上原価)の割合(%)。式の形は値入率と同じですが、値入率が「値付け時の予定」なのに対し、粗利率は「売れた後の実績」です。値引きや廃棄ロスがあると、粗利率は値入率より低くなります。 |
| マークアップ率 (原価値入率) |
マークアップりつ(げんかねいれりつ) | 原価に対する値入額の割合(%)。「原価に何%上乗せしたか」を表し、原価が基準(分母)です。同じ値入額でも、売価基準の値入率より必ず大きな数値になります。 |
| 原価 (仕入原価) |
げんか(しいれげんか) | 商品を仕入れるのにかかった金額。小売店なら仕入値、メーカーなら材料費や製造にかかった費用です。掛率の計算では「売価の何%を仕入れに払ったか」の分子になります。 |
| 売価 (定価) |
ばいか(ていか) | 商品に付けた売る値段。掛率・値入率の計算では、この売価を100%として割合を考えます。メーカーが決めた「定価(希望小売価格)」を基準に「定価の何掛け」と言うことが多いです。 |
| 原価割れ | げんかわれ | 売価が原価より安い状態。掛率が100%を超え、値入率・マークアップ率はマイナスになります。在庫処分の見切り販売などで起こります。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 割合・百分率(小学5年) |
|
| 割合の3用法(小学5年) |
|
| 小数の掛け算・割り算(小学5年) |
|
| 文字式・等式の変形(中学1〜2年) |
|
Excelで計算する方法
| 原価 C | 700 |
| 売価 P | 1000 |
| 掛率 r(%) | =B1/B2*100 |
| 原価 C | 700 |
| 売価 P | 1000 |
| 値入率 M(%) | =(B2-B1)/B2*100 |
| 掛率 r(%) | 70 |
| 値入率 M(%) | =100-B1 |
| 原価 C | 1400 |
| 掛率 r(%) | 70 |
| 売価 P | =B1/(B2/100) |
| 原価 C | 700 |
| 売価 P | 1000 |
| マークアップ率 K(%) | =(B2-B1)/B1*100 |
| マークアップ率 K(%) | 25 |
| 値入率 M(%) | =B1/(100+B1)*100 |
例えば1つ目の表ならB3に70(掛率70%=7掛け)、2つ目の表ならB3に30(値入率30%)、3つ目の表ならB2に30、4つ目の表ならB3に2000(売価2000円)、5つ目の表ならB3に約42.86(マークアップ率)、6つ目の表ならB2に20(値入率20%)と表示されます。入力欄を自分の数値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 原価 C | 700 |
| 売価 P | 1000 |
| 掛率 r(%) | =B1/B2*100 |
| 原価 C | 700 |
| 売価 P | 1000 |
| 値入率 M(%) | =(B2-B1)/B2*100 |
| 掛率 r(%) | 70 |
| 値入率 M(%) | =100-B1 |
| 原価 C | 1400 |
| 掛率 r(%) | 70 |
| 売価 P | =B1/(B2/100) |
| 原価 C | 700 |
| 売価 P | 1000 |
| マークアップ率 K(%) | =(B2-B1)/B1*100 |
| マークアップ率 K(%) | 25 |
| 値入率 M(%) | =B1/(100+B1)*100 |
Pythonで計算する方法
cost = 700 # 原価(仕入値)
price = 1000 # 売価(定価)
gross = price - cost # 値入額(粗利)
kake = cost / price * 100 # 掛率(%)
neire = gross / price * 100 # 値入率(%)= 100 − 掛率
markup = gross / cost * 100 # マークアップ率(%)
print(f"値入額: {gross}")
print(f"掛率: {kake}%({kake / 10:g}掛け)")
print(f"値入率: {neire}%")
print(f"マークアップ率: {markup}%")
# 逆算:原価と掛率から売価(定価)を求める
cost2 = 1400 # 原価
kake2 = 70 # 掛率(%)
price2 = cost2 * 100 / kake2 # 原価 ÷ (掛率 ÷ 100) と同じ(小数の誤差を避けるため先に100倍)
print(f"掛率{kake2}%のときの売価: {price2}")
# 換算:マークアップ率から値入率を求める
markup3 = 25 # マークアップ率(%)
neire3 = markup3 / (100 + markup3) * 100
print(f"マークアップ率{markup3}%は値入率{neire3}%")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
r = C ÷ P × 100
r = \dfrac{C}{P} \times 100
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>r</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac><mi>C</mi><mi>P</mi></mfrac>
<mo>×</mo>
<mn>100</mn>
</mrow>
</math>
r = C/P xx 100
c/p*100
r := C/P*100;
r = C/P*100;
r = C/P × 100
M = (P − C) ÷ P × 100
M = \dfrac{P - C}{P} \times 100
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>M</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow><mi>P</mi><mo>−</mo><mi>C</mi></mrow>
<mi>P</mi>
</mfrac>
<mo>×</mo>
<mn>100</mn>
</mrow>
</math>
M = (P - C)/P xx 100
(p - c)/p*100
M := (P - C)/P*100;
M = (P - C)/P*100;
M = (P - C)/P × 100
M = 100 − r
M = 100 - r
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>M</mi>
<mo>=</mo>
<mn>100</mn>
<mo>−</mo>
<mi>r</mi>
</mrow>
</math>
M = 100 - r
100 - r
M := 100 - r;
M = 100 - r;
M = 100 - r
P = C ÷ (r ÷ 100)
P = \dfrac{C}{r/100}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>P</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>C</mi>
<mrow><mi>r</mi><mo>/</mo><mn>100</mn></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
P = C/(r/100)
c/(r/100)
P := C/(r/100);
P = C/(r/100);
P = C/(r/100)
K = (P − C) ÷ C × 100
K = \dfrac{P - C}{C} \times 100
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>K</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow><mi>P</mi><mo>−</mo><mi>C</mi></mrow>
<mi>C</mi>
</mfrac>
<mo>×</mo>
<mn>100</mn>
</mrow>
</math>
K = (P - C)/C xx 100
(p - c)/c*100
K := (P - C)/C*100;
K = (P - C)/C*100;
K = (P - C)/C × 100
M = K ÷ (100 + K) × 100
M = \dfrac{K}{100 + K} \times 100
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>M</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>K</mi>
<mrow><mn>100</mn><mo>+</mo><mi>K</mi></mrow>
</mfrac>
<mo>×</mo>
<mn>100</mn>
</mrow>
</math>
M = K/(100 + K) xx 100
k/(100 + k)*100
M := K/(100 + K)*100;
M = K/(100 + K)*100;
M = K/(100 + K) × 100
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは小売・卸の値付け計算のアシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 原価(仕入値)700円の商品を売価1000円で売ります。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 値入額(売価 − 原価) 2. 掛率(原価 ÷ 売価 × 100。%)と「何掛け」の呼び方 3. 値入率(値入額 ÷ 売価 × 100。%) 4. マークアップ率(値入額 ÷ 原価 × 100。%) 5. 別の商品について:1400円で仕入れた商品が定価の7掛け(掛率70%)で卸されたものなら、定価はいくらか(売価 = 原価 ÷ (70/100)) 6. 換算:マークアップ率25%の値付けは値入率何%か(値入率 = 25 ÷ (100 + 25) × 100) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
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