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塗料の希釈計算
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巾木・廻り縁の長さ
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排水勾配と高低差
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木材の材積(m³・才)
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フェンスの本数
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部屋の熱損失の目安
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家具の搬入可否
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収納・棚の容量
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板取り計算
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棚板のたわみと耐荷重
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二項分布の計算機(ちょうどk回の確率・累積確率・期待値と分散)

試行回数 n・1回で成功する確率 p・成功する回数 k を入力してください。ちょうど k 回の確率、k 回以下・k 回以上の累積確率、期待値・分散・標準偏差と、分布全体の棒グラフをまとめて表示します。

数値は半角で入力してください。確率 p は 0〜1 の小数(例:25%なら 0.25)か 1/4 のような分数、n は 1〜50 の整数、k は 0〜n の整数です。
計算結果・グラフ
左の入力欄に回数と確率を入れて「計算する」を押すと、ここに結果と分布の棒グラフが表示されます。

このページでできること

  • 「確率 \(p\) のことを \(n\) 回くり返して、ちょうど \(k\) 回起こる確率」\(P(X = k) = {}_{n}\mathrm{C}_{k}\, p^{k} (1-p)^{n-k}\) を、3つの数値を入れるだけでその場で計算できます
  • 答えは \(\dfrac{3}{8}\) のような約分済みの分数(厳密値)と小数・パーセントの両方で表示。組み合わせの数 \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) の途中式も見られます
  • 「\(k\) 回以下になる確率 \(P(X \leqq k)\)」「\(k\) 回以上になる確率 \(P(X \geqq k)\)」の累積確率も同時に計算します
  • 期待値 \(E(X) = np\)・分散 \(V(X) = np(1-p)\)・標準偏差 \(\sigma\) と、正規分布で近似できるかの目安判定も表示します
  • 起こる回数が0回から \(n\) 回までの分布全体を棒グラフで描くので、「どのあたりの回数が起こりやすいか」がひと目でわかります
使えるのは「毎回同じ確率で、毎回の結果が互いに影響しない(独立な)」くり返しです。引いたくじを戻さずに続けて引く場合のように、回ごとに確率が変わるものには使えません。

この計算は何の役に立つ?

ガチャ・くじの「n回中k回当たる」を見積もる(ゲーム・娯楽)

提供割合1%のガチャを100回引いたときの当たりの回数は、二項分布 \(B(100,\ 0.01)\) に従います(各回の確率が同じで独立、と公表されている場合)。1回も当たらない確率は \(0.99^{100} \fallingdotseq 36.6\%\) もあり、「100回引けば1%でもほぼ確実」という直感が危ないことが分布から読み取れます。
課金の予算を考えるときの「期待値 \(np\) 回+ばらつき」という見積もりは、まさにこのページの計算です。

抜き取り検査の合格基準を設計する(製造・品質管理)

工場では全数検査の代わりに「ロットから \(n\) 個抜き取り、不良が \(c\) 個以下なら合格」という抜き取り検査が使われます。不良率 \(p\) のロットが合格する確率は二項分布の累積確率 \(P(X \leqq c)\) そのもので、例えば不良率1%のロットから20個抜いて不良0個なら合格とすると、合格する確率は \(0.99^{20} \fallingdotseq 81.8\%\) です。
「どのくらいの不良率までなら高い確率で合格させ、悪いロットは落とせるか」という検査基準の設計に、この計算が使われています。

選択式テストの「まぐれ当たり」を見積もる(教育・資格試験)

4択問題20問を全部あてずっぽうで答えると、正解数は二項分布 \(B(20,\ 0.25)\) に従い、期待値は \(20 \times 0.25 = 5\) 問です。8問以上まぐれで正解できる確率は約10%しかなく、「勘だけでは合格ラインに届きにくい」ことが確率で裏付けられます。
試験を作る側も、合格ラインをまぐれで超えにくいように、この分布を意識して問題数や基準を決めています。

スポーツの成功回数のばらつきを読む(バスケットボール等)

成功率70%のフリースローの選手が10本投げたとき、ちょうど7本決まる確率は \({}_{10}\mathrm{C}_{7} \times 0.7^{7} \times 0.3^{3} \fallingdotseq 26.7\%\) しかありません(各回が独立で成功率が一定と見なした場合)。「7割の選手が10本中7本決める」のは意外と当たり前ではなく、6本や8本になることも普通に起こります。
好調・不調に見える結果のどこまでが「確率的に普通のばらつき」なのかを見分けるのに、二項分布が使われます。

世論調査・視聴率調査の誤差の根拠(統計調査)

「支持率」や「視聴率」の調査では、調査対象 \(n\) 人のうち該当する人数が二項分布に従うと考えます。誤差の目安として使われる「±数ポイント」は、標準偏差 \(\sqrt{np(1-p)}\) と正規分布による近似から計算されたものです。
「何人に聞けば誤差をどこまで小さくできるか」というサンプルサイズの設計は、二項分布の性質そのものが根拠になっています。

式とグラフ

二項分布の確率(ちょうど \(k\) 回起こる確率)
グラフ
数学表記 (一般的な数式)
\(P(X = k)\) \(=\) \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) \(\times\) \(p\) \(k\) \(\times\) \((1 - p)\) \(n - k\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
⑥ ちょうど \(k\) 回起こる確率 \(P(X = k)\) \(=\) ⑤ どの回で成功するかの並び方の数 \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) \(\times\) ① 成功する確率 \(p\) ② 成功する回数 \(k\) \(\times\) ③ 失敗する確率 \(1 - p\) ④ 失敗する回数 \(n - k\)
式を日本語で読むと
① 成功する確率 \(p\) を
② 成功する回数 \(k\) の分だけくり返し掛け
③ 失敗する確率 \(1 - p\) を
④ 失敗する回数 \(n - k\) の分だけくり返し掛け
⑤ どの回で成功するかの並び方の数 \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) を掛けると
⑥ ちょうど \(k\) 回起こる確率 \(P(X = k)\) になる
簡単な例
コイン(表が出る確率 \(\dfrac{1}{2}\))を4回投げて、表がちょうど2回出る確率は
ちょうど2回出る確率 \(P(X = 2)\) \(=\) 並び方の数 \({}_{4}\mathrm{C}_{2}\) \(\times\) 表の確率 \(\dfrac{1}{2}\) を2回分 \(\times\) 裏の確率 \(\dfrac{1}{2}\) を2回分
\({}_{4}\mathrm{C}_{2} = \dfrac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6\)
\(P(X = 2) = 6 \times \left(\dfrac{1}{2}\right)^{2} \times \left(\dfrac{1}{2}\right)^{2} = \dfrac{6}{16} = \dfrac{3}{8}\ \ (37.5\%)\)
考え方のポイント
「成功が \(k\) 回・失敗が \(n-k\) 回」という並び1通りの確率は \(p^{k} (1-p)^{n-k}\) です。この並び方(何回目に成功するかの選び方)が \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) 通りあるので、それを掛けたものが答えになります。数学Aで習う「反復試行の確率」と同じ式です。 起こる回数 \(X\) が取る値(0回、1回、…、\(n\) 回)それぞれの確率をひとまとめにした分布を二項分布といい、\(B(n,\ p)\) と書きます。このページの計算機は、その分布全体を棒グラフで描きます。
累積確率(\(k\) 回以下・\(k\) 回以上になる確率)
数学表記 (一般的な数式)
\(P(X \leqq k)\) \(=\) \(P(X=0) + P(X=1) + \cdots + P(X=k)\)
\(P(X \geqq k)\) \(=\) \(1\) \(-\) \(P(X \leqq k - 1)\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
② \(k\) 回以下になる確率 \(P(X \leqq k)\) \(=\) ① ちょうど0回〜ちょうど \(k\) 回の確率の合計
⑤ \(k\) 回以上になる確率 \(P(X \geqq k)\) \(=\) ③ 全体の確率 \(1\) \(-\) ④ \(k-1\) 回以下になる確率
式を日本語で読むと
① ちょうど0回、ちょうど1回、…、ちょうど \(k\) 回の確率 を全部足すと
② \(k\) 回以下になる確率 \(P(X \leqq k)\) になる
③ 「\(k\) 回以上」は余事象を使うと計算が短く、 全体の確率 \(1\) から
④ \(k-1\) 回以下になる確率 \(P(X \leqq k-1)\) を引くと
⑤ \(k\) 回以上になる確率 \(P(X \geqq k)\) になる
簡単な例
コインを4回投げたとき、表が2回以下になる確率と、2回以上になる確率は
2回以下になる確率 \(P(X \leqq 2)\) \(=\) 0回・1回・2回の確率の合計
\(P(X \leqq 2) = \dfrac{1}{16} + \dfrac{4}{16} + \dfrac{6}{16} = \dfrac{11}{16}\ \ (68.75\%)\)
\(P(X \geqq 2) = 1 - P(X \leqq 1) = 1 - \dfrac{5}{16} = \dfrac{11}{16}\ \ (68.75\%)\)
考え方のポイント
「以下」「以上」はその回数自身を含みます(2回以下=0回・1回・2回)。「\(k\) 回以下」はちょうどの確率を足すだけ、「\(k\) 回以上」は全体の1から「\(k-1\) 回以下」を引く(余事象)のが定石です。 「少なくとも1回起こる確率」は \(P(X \geqq 1) = 1 - P(X = 0)\) のことで、余事象の一番よく出る使い方です。
二項分布の期待値・分散・標準偏差
数学表記 (一般的な数式)
\(E(X)\) \(=\) \(n\) \(\times\) \(p\)
\(V(X)\) \(=\) \(n\) \(\times\) \(p\) \(\times\) \((1 - p)\)
\(\sigma\) \(=\) \(\sqrt{V(X)}\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 期待値(平均して起こる回数)\(E(X)\) \(=\) ① 試行回数 \(n\) \(\times\) ② 成功する確率 \(p\)
⑤ 分散(ばらつきの大きさ)\(V(X)\) \(=\) 試行回数 \(n\) \(\times\) 成功する確率 \(p\) \(\times\) ④ 失敗する確率 \(1 - p\)
⑦ 標準偏差(ばらつきの目安)\(\sigma\) \(=\) ⑥ 分散 \(V(X)\) にルートを付けたもの
式を日本語で読むと
① 試行回数 \(n\) に
② 成功する確率 \(p\) を掛けると
③ 期待値(平均して起こる回数)\(E(X)\) になり
④ さらに 失敗する確率 \(1 - p\) を掛けると
⑤ 分散(ばらつきの大きさ)\(V(X)\) になる
⑥ 分散 \(V(X)\) にルート(平方根)を付けたもの が
⑦ 標準偏差(ばらつきの目安)\(\sigma\) になる
簡単な例
サイコロを30回投げて1の目が出る回数(\(n = 30\)、\(p = \dfrac{1}{6}\))では
期待値 \(E(X)\) \(=\) 試行回数 \(30\) \(\times\) 1の目の確率 \(\dfrac{1}{6}\)
\(E(X) = 30 \times \dfrac{1}{6} = 5\)
\(V(X) = 30 \times \dfrac{1}{6} \times \dfrac{5}{6} = \dfrac{25}{6}\)
\(\sigma = \sqrt{\dfrac{25}{6}} = \dfrac{5}{\sqrt{6}} = \dfrac{5\sqrt{6}}{6} \fallingdotseq 2.04\)
考え方のポイント
期待値 \(np\) は「確率 \(\dfrac{1}{6}\) のことを30回やれば、平均すると \(30 \times \dfrac{1}{6} = 5\) 回くらい起こる」という直感そのままの式です。 分散・標準偏差は「実際の回数が期待値からどれくらいずれやすいか」の目安です。標準偏差が約2なら、「5回ちょうど」ではなく「だいたい3〜7回におさまることが多い」と読めます。 同じ \(n\) なら、分散 \(np(1-p)\) は \(p = \dfrac{1}{2}\) のとき最大になります(成功と失敗が半々のときが一番結果を予想しにくい、ということです)。
正規分布による近似(\(np \geqq 5\) かつ \(n(1-p) \geqq 5\) が目安)
グラフ
数学表記 (一般的な数式)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
\(B(n,\ p)\) \(\fallingdotseq\) \(N(np,\ np(1 - p))\)
① 二項分布 \(B(n,\ p)\) \(\fallingdotseq\) ② 平均 \(np\)・分散 \(np(1-p)\) の正規分布
式を日本語で読むと
① 二項分布 \(B(n,\ p)\) は、\(np \geqq 5\) かつ \(n(1-p) \geqq 5\) が目安のとき
② 平均 \(np\)・分散 \(np(1-p)\) の正規分布 \(N(np,\ np(1-p))\) でおおよそ置き換えられる
簡単な例
コインを20回投げて表が出る回数(\(n = 20\)、\(p = \dfrac{1}{2}\))は
二項分布 \(B(20,\ \dfrac{1}{2})\) \(\fallingdotseq\) 正規分布 \(N(10,\ 5)\)
\(np = 20 \times \dfrac{1}{2} = 10 \geqq 5,\quad n(1 - p) = 20 \times \dfrac{1}{2} = 10 \geqq 5\)
\(B\left(20,\ \dfrac{1}{2}\right) \fallingdotseq N(10,\ 5)\)
考え方のポイント
\(n\) を大きくしていくと、二項分布の棒グラフは左右対称の釣り鐘型に近づき、正規分布とほとんど同じ形になります。だから \(n\) が大きいときは、二項分布の面倒な足し算を正規分布の表(やZスコア)で置き換えて計算できます。これが正規近似で、\(np \geqq 5\) かつ \(n(1-p) \geqq 5\) はそのための代表的な目安です。 \(N(np,\ np(1-p))\) の括弧の中は「平均、分散」の順です。近似したあとの「〇回以上になる確率」などの計算は、当サイトの「正規分布の確率」ページでできます。
二項分布は「確率 \(p\) のことを \(n\) 回くり返したときに起こる回数」の分布で、ちょうど \(k\) 回の確率は \(P(X = k) = {}_{n}\mathrm{C}_{k}\, p^{k} (1-p)^{n-k}\)、期待値は \(np\)、分散は \(np(1-p)\) です。\(n\) が大きいときは正規分布 \(N(np,\ np(1-p))\) で近似できます。

用語・記号の解説

記号

\(X\) エックス 「起こる回数」を表す確率変数。結果が確率で決まる数には、アルファベットの終わりの方の大文字 \(X,\ Y,\ Z\) を使う慣例があります。
\(P(X = k)\) ピー・エックス・イコール・ケー 起こる回数 \(X\) がちょうど \(k\) 回になる確率。\(P\) は probability(確率)の頭文字です。
\({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) エヌ・シー・ケー コンビネーション \(n\) 個から \(k\) 個を選ぶ組み合わせの数。\(C\) は combination(組み合わせ)の頭文字です。海外や大学の本では \(\dbinom{n}{k}\) とも書きます。
\(n\) エヌ 試行回数(くり返す回数)。回数や個数には number(数)の頭文字 \(n\) がよく使われます。
\(p\) ピー 1回の試行で成功する確率。probability(確率)の頭文字で、小文字は「1回分の確率」に使うことが多い文字です。
\(1 - p\) いち・ひく・ピー 1回の試行で失敗する確率(成功しない確率)。成功と失敗のどちらかは必ず起こるので、全体の \(1\) から \(p\) を引いた残りです。\(q\) と書くこともあります。
\(k\) ケー 成功する回数。\(0\) から \(n\) までの整数です。「何回起こるか」を指定する文字として \(k\) がよく使われます。
\(P(X \leqq k)\) ピー・エックス・しょうなりイコール・ケー 起こる回数が \(k\) 回以下(0回〜\(k\) 回のどれか)になる確率。「ちょうどの確率」を \(k\) 回まで足し合わせた累積確率です。
\(P(X \geqq k)\) ピー・エックス・だいなりイコール・ケー 起こる回数が \(k\) 回以上(\(k\) 回〜\(n\) 回のどれか)になる確率。全体の \(1\) から \(P(X \leqq k-1)\) を引くと(余事象)、足し算を短くして求められます。
\(E(X)\) イー・エックス 期待値(平均して起こる回数)。\(E\) は expectation(期待値)の頭文字です。二項分布では \(E(X) = np\) になります。
\(V(X)\) ブイ・エックス 分散(ばらつきの大きさ)。\(V\) は variance(分散)の頭文字です。二項分布では \(V(X) = np(1-p)\) になります。
\(\sigma\) シグマ 標準偏差。ギリシャ文字の小文字シグマで、standard deviation の s にあたる文字です。分散の平方根 \(\sigma = \sqrt{V(X)}\) で、期待値からのずれの目安を表します。
\(B(n,\ p)\) ビー・エヌ・ピー 試行回数 \(n\)・成功確率 \(p\) の二項分布。\(B\) は binomial(二項の)の頭文字です。「\(X\) は二項分布に従う」を \(X \sim B(n,\ p)\) と書きます。
\(N(\mu,\ \sigma^2)\) エヌ・ミュー・シグマじじょう 平均 \(\mu\)・分散 \(\sigma^2\) の正規分布。\(N\) は normal distribution(正規分布)の頭文字です。括弧の中は「平均、分散」の順で書く慣例です。
\(\fallingdotseq\) ニアリーイコール おおよそ等しいことを表す記号。このページでは「二項分布が正規分布でおおよそ置き換えられる」ことを表すのに使っています。

用語

二項分布 にこうぶんぷ 「確率 \(p\) のことを \(n\) 回くり返したとき、何回起こるか」の確率の分布。名前は、式に出てくる \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) が二項係数(二項定理の係数)と同じものであることに由来します。高校では数学Bの「統計的な推測」で学びます。
確率変数 かくりつへんすう 値が確率で決まる変数のこと。このページでは「起こる回数」が確率変数で、0回から始まって最大でn回までの値を、それぞれ決まった確率で取ります。
試行 しこう コインを投げる・くじを1回引くなど、結果が偶然で決まる実験や観察の1回分のこと。
反復試行 はんぷくしこう 同じ試行を、毎回同じ確率で、互いの結果に影響しないように(独立に)くり返すこと。二項分布は反復試行での「成功回数」の分布です。
独立 どくりつ ある試行の結果が、別の試行の結果に影響しないこと。サイコロの1回目と2回目は独立ですが、引いたくじを戻さずに引き続ける場合は独立ではありません(前の結果で残りの当たりの数が変わるため)。
組み合わせ くみあわせ \(n\) 個から \(k\) 個を「順番を区別せずに」選ぶ選び方。その総数が \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) です。二項分布では「\(n\) 回のうちどの回で成功するか」の選び方の数として登場します。
累積確率 るいせきかくりつ 「ちょうど \(k\) 回」の確率を、ある回数まで足し合わせた確率。「\(k\) 回以下になる確率」\(P(X \leqq k)\) がその代表です。
余事象 よじしょう ある出来事が「起こらない」方の事象。確率の合計は必ず1なので、「\(k\) 回以上」のような確率は、1から反対側(\(k-1\) 回以下)の確率を引くと簡単に求められます。
期待値 きたいち その試行を何度も行ったときの平均の値。二項分布では「平均して何回起こるか」で、\(np\) というシンプルな式になります。
分散 ぶんさん 実際の値が期待値からどれくらいずれやすいか(ばらつき)を表す量。ずれの2乗の平均として定義されます。
標準偏差 ひょうじゅんへんさ 分散の平方根。分散は「2乗」の単位になってしまうので、平方根をとって元の単位(このページでは回数)に戻した、ばらつきの目安です。
正規分布 せいきぶんぷ 平均の近くが最も起こりやすく、平均から離れるほど起こりにくくなる、左右対称の釣り鐘型の分布。身長や測定誤差など世の中の多くの量がこの形に近く、二項分布も \(n\) が大きいと正規分布に近づきます。
正規近似 せいききんじ \(n\) が大きいときに、二項分布を正規分布 \(N(np,\ np(1-p))\) で置き換えて計算すること。\(np \geqq 5\) かつ \(n(1-p) \geqq 5\) が代表的な目安です。

前提として理解しておくといいこと

このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。

確率の基本(中学2年)
  • 確率が「起こりやすさ」を0から1までの数で表したものだとわかること(0.25 = 25% のような読み替えを含む)
  • 起こりうるすべての場合の確率を足すと必ず1になることがわかること
分数の計算(小学5年〜中学1年)
  • 分数の掛け算(\(\dfrac{1}{2} \times \dfrac{1}{2} = \dfrac{1}{4}\))と約分・通分ができること
  • 答えを分数のまま扱うことに慣れていること(\(\dfrac{3}{8}\) を 0.375 と直せること)
累乗・指数(中学1年〜高校 数学I)
  • \(p^{3} = p \times p \times p\) のように、右上の小さい数(指数)が「掛ける回数」を表すとわかること
  • \(\left(\dfrac{1}{2}\right)^{4} = \dfrac{1}{16}\) のような分数のべき乗が計算できること
場合の数・組み合わせ(高校 数学A)
  • \({}_{n}\mathrm{C}_{k}\) が「\(n\) 個から \(k\) 個を順番を区別せずに選ぶ選び方の数」だとわかること
  • \({}_{4}\mathrm{C}_{2} = \dfrac{4 \times 3}{2 \times 1} = 6\) のように計算できること
反復試行の確率・余事象(高校 数学A)
  • 「毎回同じ確率で独立にくり返す」という反復試行の設定がわかること
  • 「少なくとも1回」を \(1 - P(X = 0)\) で求める余事象の考え方が使えること
確率変数と期待値・分散(高校 数学B)
  • 確率変数(値が確率で決まる変数)と確率分布という言葉の意味がわかること
  • 期待値が「平均の値」、分散・標準偏差が「ばらつきの大きさ」を表すとわかること
正規分布(高校 数学B)
  • 正規分布が「平均の近くが起こりやすい左右対称の釣り鐘型の分布」だと知っていること(正規近似のカードを読むのに必要です)
  • \(N(\mu,\ \sigma^2)\) の括弧の中が「平均、分散」の順だと知っていること

Excelで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
式ごとにシートが分かれたExcelファイルです。貼り付け場所を気にせず、開いてすぐ使えます。
下の表を丸ごとコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「ちょうど k 回起こる確率」を求める表
試行回数 n 4
1回で成功する確率 p 0.5
成功する回数 k 2
ちょうど k 回起こる確率 P(X=k) =BINOM.DIST(B3,B1,B2,FALSE)
「累積確率(k 回以下・k 回以上)」を求める表
試行回数 n 4
1回で成功する確率 p 0.5
成功する回数 k 2
k 回以下になる確率 P(X≦k) =BINOM.DIST(B3,B1,B2,TRUE)
k 回以上になる確率 P(X≧k) =1-BINOM.DIST(B3-1,B1,B2,TRUE)
「期待値・分散・標準偏差」を求める表
試行回数 n 30
1回で成功する確率 p =1/6
期待値 E(X) = np =B1*B2
分散 V(X) = np(1-p) =B1*B2*(1-B2)
標準偏差 σ =SQRT(B4)
「正規分布による近似の目安」を確かめる表
試行回数 n 20
1回で成功する確率 p 0.5
np =B1*B2
n(1-p) =B1*(1-B2)
目安の判定 =IF(AND(B3>=5,B4>=5),"目安を満たす","目安を満たさない")
貼り付けると、上の行(n・p・k)が入力欄になり、下の行が自動計算の結果になります。
BINOM.DIST は二項分布の関数で、引数は「成功回数, 試行回数, 成功確率, 累積かどうか」の順です。最後を FALSE にすると「ちょうどの確率」、TRUE にすると「その回数以下の累積確率」になります。
1つ目の表はコインを4回投げて表がちょうど2回出る例で、答えは 0.375(= 3/8)になります。
2つ目の表の答えはどちらも 0.6875 です。「k 回以上」は「k−1 回以下」を1から引いて求めています(k に 0 を入れるとこの式はエラーになりますが、0回以上になる確率は必ず 1 です)。
3つ目の表はサイコロ30回で1の目が出る回数の例で、期待値 5・分散 4.1667・標準偏差 2.0412 になります。
4つ目の表は np と n(1−p) の両方が 5 以上かどうかで、正規分布による近似の目安を判定します。

Googleスプレッドシートで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
上のExcelファイルをダウンロードし、Googleドライブにアップロードして開くと、そのままスプレッドシートとして使えます。
下の表を丸ごとコピーして、GoogleスプレッドシートのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「ちょうど k 回起こる確率」を求める表
試行回数 n 4
1回で成功する確率 p 0.5
成功する回数 k 2
ちょうど k 回起こる確率 P(X=k) =BINOMDIST(B3,B1,B2,FALSE)
「累積確率(k 回以下・k 回以上)」を求める表
試行回数 n 4
1回で成功する確率 p 0.5
成功する回数 k 2
k 回以下になる確率 P(X≦k) =BINOMDIST(B3,B1,B2,TRUE)
k 回以上になる確率 P(X≧k) =1-BINOMDIST(B3-1,B1,B2,TRUE)
「期待値・分散・標準偏差」を求める表
試行回数 n 30
1回で成功する確率 p =1/6
期待値 E(X) = np =B1*B2
分散 V(X) = np(1-p) =B1*B2*(1-B2)
標準偏差 σ =SQRT(B4)
「正規分布による近似の目安」を確かめる表
試行回数 n 20
1回で成功する確率 p 0.5
np =B1*B2
n(1-p) =B1*(1-B2)
目安の判定 =IF(AND(B3>=5,B4>=5),"目安を満たす","目安を満たさない")
Googleスプレッドシートでは関数名が BINOMDIST になります(引数の順番はExcelのBINOM.DISTと同じ「成功回数, 試行回数, 成功確率, 累積かどうか」です)。表を丸ごとコピーしてA1セルに貼り付け、n・p・k を自分の数値に書き換えてください。
「k 回以上」の式は k に 0 を入れるとエラーになる点もExcelと同じです(0回以上になる確率は必ず 1 です)。

Pythonで計算する方法

from fractions import Fraction
from math import comb, sqrt

trial_count = 4                  # 試行回数 n
success_prob = Fraction(1, 2)    # 1回で成功する確率 p(0.3 のような小数でも可)
success_count = 2                # 成功する回数 k

failure_prob = 1 - success_prob

# ちょうど k 回起こる確率 P(X=k) = nCk × p^k × (1−p)^(n−k)
exact_prob = (comb(trial_count, success_count)
              * success_prob ** success_count
              * failure_prob ** (trial_count - success_count))
print(f"ちょうど{success_count}回の確率: {exact_prob} = {float(exact_prob)}")

# 累積確率(k 回以下・k 回以上)
prob_le = sum(comb(trial_count, i) * success_prob ** i * failure_prob ** (trial_count - i)
              for i in range(success_count + 1))
prob_ge = 1 - prob_le + exact_prob
print(f"{success_count}回以下の確率: {prob_le} = {float(prob_le)}")
print(f"{success_count}回以上の確率: {prob_ge} = {float(prob_ge)}")

# 期待値・分散・標準偏差
mean = trial_count * success_prob
variance = mean * failure_prob
print(f"期待値: {mean}  分散: {variance}  標準偏差: {sqrt(variance)}")
標準ライブラリだけで動きます。fractions モジュールを使うと、小数の丸め誤差なしの厳密な分数のまま計算できます(comb は組み合わせの数 nCk)。この例はコインを4回投げて表がちょうど2回出るケースで、実行すると確率 3/8 = 0.375、2回以下・2回以上はどちらも 11/16 = 0.6875、期待値 2・分散 1・標準偏差 1.0 が表示されます。n・p・k の3つの数値を書き換えて実行してください。

数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)

二項分布の確率(ちょうど \(k\) 回起こる確率)
P(X = k) = nCk pᵏ (1 − p)ⁿ⁻ᵏ
P(X = k) = \binom{n}{k} p^{k} (1 - p)^{n - k}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>P</mi><mo>(</mo><mi>X</mi><mo>=</mo><mi>k</mi><mo>)</mo>
    <mo>=</mo>
    <mrow>
      <mo>(</mo>
      <mfrac linethickness="0"><mi>n</mi><mi>k</mi></mfrac>
      <mo>)</mo>
    </mrow>
    <msup><mi>p</mi><mi>k</mi></msup>
    <msup>
      <mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>&#x2212;</mo><mi>p</mi><mo>)</mo></mrow>
      <mrow><mi>n</mi><mo>&#x2212;</mo><mi>k</mi></mrow>
    </msup>
  </mrow>
</math>
P(X = k) = C(n,k) p^k (1-p)^(n-k)
PDF[BinomialDistribution[n, p], k]
binomial(n, k)*p^k*(1-p)^(n-k);
binopdf(k, n, p)
P(X=k) = C(n,k) p^k (1-p)^(n-k)
累積確率(\(k\) 回以下・\(k\) 回以上になる確率)
P(X ≦ k) = Σ[i=0→k] nCi pⁱ (1 − p)ⁿ⁻ⁱ
P(X \leqq k) = \sum_{i=0}^{k} \binom{n}{i} p^{i} (1 - p)^{n - i}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>P</mi><mo>(</mo><mi>X</mi><mo>&#x2266;</mo><mi>k</mi><mo>)</mo>
    <mo>=</mo>
    <munderover>
      <mo>&#x2211;</mo>
      <mrow><mi>i</mi><mo>=</mo><mn>0</mn></mrow>
      <mi>k</mi>
    </munderover>
    <mrow>
      <mo>(</mo>
      <mfrac linethickness="0"><mi>n</mi><mi>i</mi></mfrac>
      <mo>)</mo>
    </mrow>
    <msup><mi>p</mi><mi>i</mi></msup>
    <msup>
      <mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>&#x2212;</mo><mi>p</mi><mo>)</mo></mrow>
      <mrow><mi>n</mi><mo>&#x2212;</mo><mi>i</mi></mrow>
    </msup>
  </mrow>
</math>
P(X <= k) = sum_(i=0)^k C(n,i) p^i (1-p)^(n-i)
CDF[BinomialDistribution[n, p], k]
add(binomial(n, i)*p^i*(1-p)^(n-i), i = 0..k);
binocdf(k, n, p)
P(X≤k) = Σ_(i=0)^k C(n,i) p^i (1-p)^(n-i)
二項分布の期待値・分散・標準偏差
E(X) = np,  V(X) = np(1 − p),  σ = √(np(1 − p))
E(X) = np, \quad V(X) = np(1 - p), \quad \sigma = \sqrt{np(1 - p)}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>E</mi><mo>(</mo><mi>X</mi><mo>)</mo><mo>=</mo><mi>n</mi><mi>p</mi>
    <mo>,</mo>
    <mi>V</mi><mo>(</mo><mi>X</mi><mo>)</mo><mo>=</mo>
    <mi>n</mi><mi>p</mi>
    <mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>&#x2212;</mo><mi>p</mi><mo>)</mo></mrow>
    <mo>,</mo>
    <mi>&#x3C3;</mi><mo>=</mo>
    <msqrt><mi>n</mi><mi>p</mi><mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>&#x2212;</mo><mi>p</mi><mo>)</mo></mrow></msqrt>
  </mrow>
</math>
E(X) = np, V(X) = np(1-p), sigma = sqrt(np(1-p))
{Mean[BinomialDistribution[n, p]], Variance[BinomialDistribution[n, p]], StandardDeviation[BinomialDistribution[n, p]]}
n*p; n*p*(1-p); sqrt(n*p*(1-p));
[m, v] = binostat(n, p); s = sqrt(v);
E(X) = np, V(X) = np(1-p), σ = √(np(1-p))
正規分布による近似(\(np \geqq 5\) かつ \(n(1-p) \geqq 5\) が目安)
B(n, p) ≒ N(np, np(1 − p))
B(n,\ p) \approx N(np,\ np(1 - p))
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>B</mi><mo>(</mo><mi>n</mi><mo>,</mo><mi>p</mi><mo>)</mo>
    <mo>&#x2252;</mo>
    <mi>N</mi><mo>(</mo><mi>n</mi><mi>p</mi><mo>,</mo>
    <mi>n</mi><mi>p</mi>
    <mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>&#x2212;</mo><mi>p</mi><mo>)</mo></mrow>
    <mo>)</mo>
  </mrow>
</math>
B(n, p) ~~ N(np, np(1-p))
NormalDistribution[n p, Sqrt[n p (1 - p)]]
Normal(n*p, sqrt(n*p*(1-p)));
pd = makedist('Normal', 'mu', n*p, 'sigma', sqrt(n*p*(1-p)));
B(n, p) ≈ N(np, np(1-p))

ChatGPT に聞いて計算してもらう方法

あなたは数学(確率・統計)の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。

当たり確率 1/6 のくじを10回引くとき、当たりの回数の二項分布について次を求めてください。
1. ちょうど2回当たる確率 P(X=2)(約分済みの分数と小数の両方で)
2. 2回以下になる確率 P(X≦2) と、2回以上になる確率 P(X≧2)
3. 期待値 E(X)・分散 V(X)・標準偏差 σ
4. np ≧ 5 かつ n(1−p) ≧ 5 という正規分布による近似の目安を満たすかどうか

Pythonでは標準ライブラリの fractions と math.comb を使って厳密に計算し、計算に使った式と実行結果の数値を示してください。

計算ドリル(演習問題)

このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。


使い方
  1. 1
    数値を入力
    計算したい数値を入力欄に入力します
  2. 2
    計算
    「計算する」ボタンを押します
  3. 3
    結果を確認
    計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
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