客単価(CV1件の売上)と粗利率を入力すると損益分岐CPAを計算します。目標利益(売上に対する%か、1件あたりの金額)を入れると許容CPA、想定CVRを入れると許容CPCも計算します。リピートまで見込む場合は「1件あたりの粗利を直接入力」を選び、1顧客の生涯粗利を入れてください。
このページでできること
- 客単価(CV1件の売上)と粗利率(%)から、CV1件の獲得にかけてよい広告費の上限=損益分岐CPA(=1件あたりの粗利)を計算します
- 「売上の15%は利益として残したい」のような目標利益率(または1件あたりの目標利益額)を入れると、粗利から目標利益を引いた許容CPAと、売上に占める広告費の上限(許容広告費率)を計算します
- 想定CVR(%)を入れると、許容CPAから許容CPC(1クリックに払ってよい上限=入札単価の目安)まで逆算します
- リピート購入まで見込んで「1顧客あたりの粗利(顧客生涯価値の粗利)」を直接入れるモードもあります
- 客単価が原価・許容CPA・目標利益にどう分かれるかを1本の帯の図で確認できます。式の解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
平均6,000円の注文で粗利率が35%なら、1件の粗利は \(6000 \times 0.35 = 2100\) 円で、これが損益分岐CPAです。広告の管理画面のCPAが2,100円を超えていたら、その広告は売るほど赤字です。
売上の10%(600円)は利益として残したいなら、許容CPAは \(2100 - 600 = 1500\) 円。「CPAが1,500円以内なら続ける、2,100円を超えたら止める」という運用の線を、広告を出す前に数字で引けます。
許容CPAが1,500円で、商品ページのCVRが過去の実績から2%なら、許容CPCは \(1500 \times 0.02 = 30\) 円です。CVR 2%は「50クリックに1件」なので、1,500円を50回で分け合うと1回30円、という意味です。
広告運用者は、この許容CPCを「上限クリック単価」として入札の設定に使います。競合が多くて30円ではほとんど表示されないなら、CVRを上げる(ページを改善する)か、粗利の大きい商品に広告を寄せるかを考える、という判断のもとになります。
月額3,000円・粗利率80%のサービスで、平均12か月続いてもらえるなら、1顧客の生涯粗利は \(3000 \times 0.8 \times 12 = 28800\) 円です。初月の粗利2,400円だけで考えるとほとんど広告が打てませんが、生涯粗利を「1件あたりの粗利」に入れると損益分岐CPAは28,800円まで広がります。
1顧客あたり12,000円は利益として残す方針なら許容CPAは16,800円、CVRが1.5%なら許容CPCは \(16800 \times 0.015 = 252\) 円です。ただし継続月数は見込みなので、実際の解約率を見ながら定期的に計算し直すことが前提です。
住宅や車のように、広告のCVが「資料請求」で、その後に営業して成約する商材では、資料請求1件の粗利をまず見積もります。成約1件の粗利が500,000円で、資料請求から成約する割合が5%なら、資料請求1件あたりの粗利の見込みは \(500000 \times 0.05 = 25000\) 円です。
この25,000円を「1件あたりの粗利」として入れれば、資料請求1件の損益分岐CPAは25,000円、そこから目標利益10,000円を引いた許容CPAは15,000円と決められます。成約率が仮定である点は、CVRと同じく実績で更新してください。
入会1件の初年度の授業料が240,000円で、教材費などを引いた粗利率が60%なら、入会1件の粗利は \(240000 \times 0.6 = 144000\) 円です。売上の30%(72,000円)を利益として残す方針なら、入会1件の許容CPAは \(144000 - 72000 = 72000\) 円になります。
広告のCVが「体験申込」で、体験から入会する割合が50%なら、体験申込1件あたりの許容CPAはその半分の36,000円です。「体験申込1件に3万円の広告費は高すぎる?」という感覚的な議論を、粗利からの逆算に置き換えられます。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(\mathrm{CPA}_{\text{分岐}}\) | シーピーエー・ぶんき | 損益分岐CPA。CPAは Cost Per Acquisition(獲得1件あたりの費用)の頭文字で、Cost Per Action と呼ぶこともあります。右下の「分岐」は損益分岐(損も得もしない境目)の意味で、CV1件の獲得にかけても赤字にならない広告費の上限=CV1件あたりの粗利を表します。英語表記では Break-Even(損益分岐)の頭文字で \(\mathrm{CPA}_{\mathrm{BE}}\) と書きます。 |
| \(\mathrm{CPA}_{\max}\) | シーピーエー・マックス | 許容CPA。右下の max は maximum(最大)の略で、「目標の利益を残せる範囲での、CV1件あたりの広告費の上限」を表します。\(\mathrm{CPA}_{\max} = \mathrm{CPA}_{\text{分岐}} - G\) で求めます。 |
| \(P\) | ピー | 客単価(CV1件の売上)。Price(価格)の頭文字です。単位は円です。 |
| \(M\) | エム | 粗利率(%)。Margin(マージン=売上に対する利益の割合)の頭文字です。売上に対する粗利の割合で、原価に対する割合(マークアップ率)ではありません。 |
| \(T\) | ティー | 目標利益率(%)。Target(目標)の頭文字です。広告費を払ったあとに売上の何%を利益として残したいか、という売上に対する割合です。 |
| \(G\) | ジー | 1件あたりの目標利益(円)。Goal(目標)の頭文字です。\(G = P \times T \div 100\) で求めるか、金額をそのまま指定します。 |
| \(\mathrm{CVR}\) | シーブイアール | コンバージョン率(%)。Conversion Rate の頭文字です。広告をクリックした人のうち、CVに至った割合です。式の中では100で割って小数にしてから掛けます。 |
| \(\mathrm{CPC}_{\max}\) | シーピーシー・マックス | 許容CPC。CPCは Cost Per Click(クリック1回あたりの費用)の頭文字で、max は maximum(最大)の略です。許容CPAを守れる範囲で1クリックに払ってよい上限を表し、\(\mathrm{CPC}_{\max} = \mathrm{CPA}_{\max} \times \mathrm{CVR} \div 100\) で求めます。 |
用語
| 獲得単価 (CPA) |
かくとくたんか | CV(成果)1件あたりにかかった広告費。「1件のお客さんを獲得するのにいくらかかったか」を表し、広告の採算を判断する中心の指標です。実績のCPAは「広告費 ÷ CV数」で求めますが、このページで扱うのは「実績」ではなく「上限」(損益分岐CPA・許容CPA)です。 |
| 損益分岐CPA | そんえきぶんきシーピーエー | CV1件の獲得にかけても赤字にならない広告費の上限。CV1件で残る粗利と同じ金額です。「損益分岐」は「損もしなければ得もしない境目」の意味で、ここまで広告費を使うとその1件の利益はゼロになります。限界CPAと呼ぶこともあります。 |
| 許容CPA (目標CPA) |
きょようシーピーエー(もくひょうシーピーエー) | 目標の利益を残したうえで、CV1件の獲得にかけてよい広告費の上限。「粗利 − 目標利益」で求めます。広告運用で「目標CPA」として入札や予算の基準にするのはこの値で、損益分岐CPAより小さくなります。 |
| 粗利 (粗利益) |
あらり(あらりえき) | 売上から商品の原価(仕入れ値・製造費・送料など、1件売るごとに直接かかる費用)だけを引いた利益。人件費や家賃などの経費を引く前の利益で、広告費もこの粗利の中から払います。 |
| 粗利率 (売上高粗利率) |
あらりりつ(うりあげだかあらりりつ) | 売上に対する粗利の割合(%)。「粗利 ÷ 売上 × 100」で求めます。このページの粗利率は必ず「売上に対する%」です。原価に対する上乗せの割合(マークアップ率)とは分母が違い、同じ商品でも数値が変わるので混同しないでください。 |
| 客単価 | きゃくたんか | お客さん1人(注文1件)あたりの売上。このページでは「CV1件で受け取る売上」の意味で使います。注文の平均額や、申込1件の契約金額などを入れます。 |
| 目標利益率 | もくひょうりえきりつ | 広告費を払ったあとに、売上の何%を利益として残したいかの割合。このページでは売上に対する%で指定します。粗利率以下でなければならず、粗利率との差が広告費に回せる割合(許容広告費率)になります。 |
| 許容広告費率 | きょようこうこくひりつ | 売上のうち広告費に回してよい割合の上限(%)。「許容CPA ÷ 客単価 × 100」または「粗利率 − 目標利益率」で求めます。広告費 ÷ 売上 × 100 を「広告費率」と呼び、その上限がこの値です。 |
| コンバージョン率 (CVR) |
コンバージョンりつ | 広告をクリックした人のうち、CV(購入・申込など)に至った割合(%)。「CV1件を得るのに必要なクリック数」の逆数でもあり(CVR 2%ならクリック50回に1件)、許容CPAから許容CPCを求めるときに使います。 |
| 許容CPC (上限クリック単価の目安) |
きょようシーピーシー | 許容CPAを守れる範囲で、1クリックに払ってよい広告費の上限。「許容CPA × CVR(%を小数に直したもの)」で求めます。検索広告などで指定する「上限クリック単価(入札単価)」をこの値以下にすれば、想定CVRどおりならCPAは許容値に収まります。 |
| 顧客生涯価値 (LTV) |
こきゃくしょうがいかち(エルティーブイ) | 1人の顧客が取引を続ける間にもたらす売上や粗利の合計。Life Time Value の頭文字です。リピート購入のあるビジネスでは、初回の粗利ではなく生涯粗利を「1件あたりの粗利」として許容CPAを考えることがあります。将来の見込みを含むぶん、初回の粗利だけで考えるより不確かになります。 |
| 損益分岐ROAS | そんえきぶんきロアス | 赤字にならないROAS(広告費に対する売上の割合)の下限。粗利率を小数にしたもので100を割った値(粗利率40%なら \(100 \div 0.4 = 250\)%)です。損益分岐CPAを「1件あたりの金額」で表すか、損益分岐ROASを「売上と広告費の割合」で表すかの違いで、中身は同じ考え方です。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 割合・百分率(小学5年) |
|
| 割合の3用法(小学5年) |
|
| 単位量あたりの大きさ(小学5年) |
|
| 売上・原価・利益の関係(中学の社会・家庭科、高校の商業) |
|
| 文字式・等式の変形(中学1〜2年) |
|
Excelで計算する方法
| 客単価 P(円) | 8000 |
| 粗利率 M(%) | 40 |
| 損益分岐CPA(円) | =B1*B2/100 |
| 客単価 P(円) | 8000 |
| 粗利率 M(%) | 40 |
| 目標利益率 T(%) | 15 |
| 目標利益 G(円) | =B1*B3/100 |
| 許容CPA(円) | =B1*B2/100-B4 |
| 許容広告費率(%) | =B5/B1*100 |
| 1件あたりの粗利(円) | 28800 |
| 1件あたりの目標利益額 G(円) | 12000 |
| 許容CPA(円) | =B1-B2 |
| 許容CPA(円) | 2000 |
| 想定CVR(%) | 2 |
| 許容CPC(円) | =B1*B2/100 |
1つ目の表はB3に3200(損益分岐CPA)、2つ目の表はB4に1200(目標利益)・B5に2000(許容CPA)・B6に25(許容広告費率)、3つ目の表はB3に16800(許容CPA)、4つ目の表はB3に40(許容CPC)と表示されます。入力欄を自分の数値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 客単価 P(円) | 8000 |
| 粗利率 M(%) | 40 |
| 損益分岐CPA(円) | =B1*B2/100 |
| 客単価 P(円) | 8000 |
| 粗利率 M(%) | 40 |
| 目標利益率 T(%) | 15 |
| 目標利益 G(円) | =B1*B3/100 |
| 許容CPA(円) | =B1*B2/100-B4 |
| 許容広告費率(%) | =B5/B1*100 |
| 1件あたりの粗利(円) | 28800 |
| 1件あたりの目標利益額 G(円) | 12000 |
| 許容CPA(円) | =B1-B2 |
| 許容CPA(円) | 2000 |
| 想定CVR(%) | 2 |
| 許容CPC(円) | =B1*B2/100 |
Pythonで計算する方法
price = 8000 # 客単価(CV1件の売上・円)
margin_rate = 40 # 粗利率(売上に対する%)
target_rate = 15 # 目標利益率(売上に対する%)
cvr = 2 # 想定CVR(%)
gross_profit = price * margin_rate / 100 # 1件あたりの粗利
break_even_cpa = gross_profit # 損益分岐CPA(=粗利)
target_profit = price * target_rate / 100 # 1件あたりの目標利益
max_cpa = break_even_cpa - target_profit # 許容CPA
max_cpa_rate = max_cpa / price * 100 # 許容広告費率(%)
max_cpc = max_cpa * cvr / 100 # 許容CPC
print(f"損益分岐CPA: {break_even_cpa}円")
print(f"目標利益: {target_profit}円 許容CPA: {max_cpa}円 許容広告費率: {max_cpa_rate}%")
print(f"許容CPC: {max_cpc}円")
# 粗利を直接入力する場合(リピート込みの1顧客あたりの粗利と、目標利益額から)
gross_profit2 = 28800 # 1顧客あたりの粗利(円)
target_amount2 = 12000 # 1件あたりの目標利益額(円)
max_cpa2 = gross_profit2 - target_amount2
print(f"許容CPA(粗利直接): {max_cpa2}円")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
CPA_be = P × (M/100)
\mathrm{CPA}_{\mathrm{BE}} = P \times \dfrac{M}{100}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi mathvariant="normal">CPA</mi><mi>BE</mi></msub>
<mo>=</mo>
<mi>P</mi>
<mo>×</mo>
<mfrac><mi>M</mi><mn>100</mn></mfrac>
</mrow>
</math>
CPA_be = P xx (M/100)
p*m/100
CPAbe := P*M/100;
CPAbe = P*M/100;
CPA_be = P × (M/100)
G = P × (T/100)
G = P \times \dfrac{T}{100}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>G</mi>
<mo>=</mo>
<mi>P</mi>
<mo>×</mo>
<mfrac><mi>T</mi><mn>100</mn></mfrac>
</mrow>
</math>
G = P xx (T/100)
p*t/100
G := P*T/100;
G = P*T/100;
G = P × (T/100)
CPA_max = CPA_be − G
\mathrm{CPA}_{\max} = \mathrm{CPA}_{\mathrm{BE}} - G
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi mathvariant="normal">CPA</mi><mi>max</mi></msub>
<mo>=</mo>
<msub><mi mathvariant="normal">CPA</mi><mi>BE</mi></msub>
<mo>−</mo>
<mi>G</mi>
</mrow>
</math>
CPA_max = CPA_be - G
cpaBe - g
CPAmax := CPAbe - G;
CPAmax = CPAbe - G;
CPA_max = CPA_be - G
CPC_max = CPA_max × (CVR/100)
\mathrm{CPC}_{\max} = \mathrm{CPA}_{\max} \times \dfrac{\mathrm{CVR}}{100}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi mathvariant="normal">CPC</mi><mi>max</mi></msub>
<mo>=</mo>
<msub><mi mathvariant="normal">CPA</mi><mi>max</mi></msub>
<mo>×</mo>
<mfrac><mi mathvariant="normal">CVR</mi><mn>100</mn></mfrac>
</mrow>
</math>
CPC_max = CPA_max xx (CVR/100)
cpaMax*cvr/100
CPCmax := CPAmax*CVR/100;
CPCmax = CPAmax*CVR/100;
CPC_max = CPA_max × (CVR/100)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは広告運用の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 客単価(CV1件の売上)が8,000円、粗利率(売上に対する%)が40%の商品を広告で売ります。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 損益分岐CPA(客単価 × 粗利率 ÷ 100。CV1件あたりの粗利) 2. 売上の15%を利益として残したいときの、1件あたりの目標利益(客単価 × 15 ÷ 100)と許容CPA(損益分岐CPA − 目標利益) 3. 許容広告費率(許容CPA ÷ 客単価 × 100。%) 4. 想定CVRが2%のときの許容CPC(許容CPA × 2 ÷ 100)と損益分岐CPC(損益分岐CPA × 2 ÷ 100) 5. 別のサービスについて:1顧客あたりの粗利がリピート込みで28,800円、1件あたりの目標利益額が12,000円のときの許容CPA(粗利 − 目標利益額) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
