底面(切り口の円)の半径 r・もとの球の半径 R・高さ h のうち、わかっている2つを入力してください。残りの1つと体積を計算します。
このページでできること
- 球を平面でスパッと切り取った立体「球欠(きゅうけつ)」の体積がその場でわかります。丸いドームやお椀をふせたような形で、丸い曲面の部分は「球冠(きゅうかん)」と呼びます(英語ではどちらも spherical cap)
- 底面(切り口の円)の半径 \(r\)・もとの球の半径 \(R\)・高さ \(h\) の3つのうち、わかっている2つを入れるだけで、残りの1つも自動で計算します
- 底面の半径と球の半径から計算するときは、切る位置が球の中心より上か下かで答えが2通りになることがあります。その場合も両方まとめて表示します
- 計算結果の球欠を3Dの図形でも表示します(ドラッグで回せます。切り取る前の球もうすい線で表示)
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
石油や液化ガスをためる球形タンクでは、たまっている液体の部分がちょうど球欠の形になるため、液面の深さ \(h\) を測ればこの式で残量がわかります。例えば半径2mの球形タンクに深さ0.5mまで液体が入っているとき、残量は \(\pi \times 0.5^2 \times (3 \times 2 - 0.5) \div 3 \fallingdotseq 1.44\,\mathrm{m^3}\)(約1440L)です。
センサーで測った深さを体積に換算する——この式の一番代表的な実務での使い道です。
半球に近い形のボウル(半径6cm)にスープを深さ3cmまで入れると、スープの形は球欠なので、量は \(\pi \times 3^2 \times (3 \times 6 - 3) \div 3 = 45\pi \fallingdotseq 141\,\mathrm{cm^3}\)(約141mL)と見積もれます。
ボウルいっぱい(半球)だと約452mLなので、「深さが半分でも、量は半分よりずっと少ない(3分の1以下)」ことが計算でわかります。盛り付けやレシピの分量感覚にも役立つ、一番身近な応用例です。
ドーム型の屋根や天井は、球欠の形として概算できます。例えば直径120m(切り口の半径60m)・高さ40mのドームなら、もとの球の半径は \(R = (40^2 + 60^2) \div (2 \times 40) = 65\,\mathrm{m}\)、内部の空間は約26万m³と計算できます。
この空間の大きさは、空調・換気・音の響きを設計するときの出発点になります(実際のドームは正確な球欠とは限らないので、あくまで概算です)。
葉の上の水滴やインクジェットプリンターのインク滴のように、表面にのった小さな液滴は、表面張力のためほぼ球欠の形になります。研究や製造の現場では、横から撮影した写真で液滴の切り口の半径と高さを測り、この式で体積を求めています。
材料の「ぬれやすさ」(接触角)の評価にも使われる、ミクロの世界でも活躍する式です。
眼鏡やカメラのレンズの丸くふくらんだ面は球面の一部(球冠)で、ふくらみの部分の形はまさに球欠です。レンズを磨いて作るときに削り取る量や、材料の体積の見積もりにこの式が使われてきました。
コンタクトレンズのような薄いドーム形の設計でも、切り口の半径・球の半径・高さの関係(このページの式2〜式4)が基本になっています。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(V\) | ブイ | 体積を表すのによく使われる記号。英語の volume(体積)の頭文字です。このページでは球欠の体積を表します。 |
| \(r\) | アール(小文字) | 底面(切り口の円)の半径。球を平面で切ったときにできる円の半径です。英語の radius(半径)の頭文字です。 |
| \(R\) | アール(大文字) | もとの球の半径。切り取る前のボール全体の半径で、切り口の円の半径 \(r\)(小文字)と区別するために大文字で書きます。 |
| \(h\) | エイチ | 球欠の高さ。切り口の平面から、球欠の一番高いところ(頂点)までの距離です。英語の height(高さ)の頭文字です。 |
| \(\pi\) | パイ | 円周率。円周が直径の何倍かを表す定数で、約3.14159…とどこまでも続く数です。小学校では3.14として計算します。 |
| \(\pm\) | プラスマイナス | 「+の場合と−の場合の2通りがある」ことをまとめて表す記号。このページでは、高さの答えが2通りありうることを表します。 |
| \(\sqrt{\phantom{a}}\) | ルート(根号) | 平方根(2乗するとその数になる数)を表す記号。例:\(\sqrt{9} = 3\)(\(3^2 = 9\) だから)。 |
| \(\mathrm{cm^3}\) | 立方センチメートル | 体積の単位。1辺1cmの立方体の体積が1cm³です。読み方は「りっぽうセンチメートル」で、面積のcm²(平方センチメートル)と区別します。 |
| \(\mathrm{L}\) | リットル | 水などの量(体積)でよく使う単位。\(1\,\mathrm{L} = 1000\,\mathrm{cm^3}\) の関係があります(牛乳パック1本がちょうど1Lです)。 |
用語
| 球欠 | きゅうけつ | 球を1つの平面でスパッと切ったときにできる、切れはしの立体。お椀をふせたような形です。この計算機が体積を求めるのはこの立体です。 |
| 球冠 | きゅうかん | 球欠の表面のうち、丸くふくらんだ曲面の部分の呼び名。立体そのもの(球欠)と使い分けますが、日常では立体のことも「球冠」と呼ぶことがあります。英語ではどちらも spherical cap(球のふた)です。 |
| 半球 | はんきゅう | 球をちょうど中心を通る平面で切った立体。高さ = 球の半径(\(h = R\))となる特別な球欠で、体積は球全体のちょうど半分です。 |
| 底面 | ていめん | 球欠の平らな面=切り口の円のこと。この円の半径が \(r\) です。 |
| 三平方の定理 (ピタゴラスの定理) |
さんへいほうのていり | 直角三角形で「斜辺の2乗 = 残りの2辺の2乗の和」が成り立つ定理。球欠では \(r^2 + (R - h)^2 = R^2\) が成り立ち、\(r\)・\(R\)・\(h\) のどれか2つから残りを求める式はすべてここから導かれます。 |
| 平方根 | へいほうこん | 2乗するとその数になる数。9の平方根は3と−3ですが、長さの計算では正の方(\(\sqrt{9} = 3\))だけを使います。 |
| 体積 | たいせき | 立体の大きさ(かさ)を数で表したもの。「1辺1cmの立方体(1cm³)が何個分あるか」で測ります。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 円と円周率(小学5年) |
|
| 体積の意味と単位(小学5年) |
|
| 累乗・指数(中学1年) |
|
| 球の体積(中学1年) |
|
| 平方根(中学3年) |
|
| 三平方の定理(中学3年) |
|
Excelで計算する方法
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ h | 1 |
| 球欠の体積 | =PI()*B2^2*(3*B1-B2)/3 |
| 底面の半径 r | 1 |
| 高さ h | 0.5 |
| 球の半径 R | =(B2^2+B1^2)/(2*B2) |
| 底面の半径 r | 1 |
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ(解1) | =B2-SQRT(B2^2-B1^2) |
| 高さ(解2) | =B2+SQRT(B2^2-B1^2) |
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ h | 1 |
| 底面の半径 r | =SQRT(2*B1*B2-B2^2) |
「PI()」は円周率π、「SQRT()」は平方根を計算する関数で、「^」はべき乗(2乗)、「*」は掛け算、「/」は割り算の記号です。
例えば1つ目の表なら、B3に約5.24と表示されます(半径2cm・高さ1cmならcm³)。3つ目の表は答えが2通り出る場合で、B3に約0.268、B4に約3.732が表示されます。入力欄の数値を自分の値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ h | 1 |
| 球欠の体積 | =PI()*B2^2*(3*B1-B2)/3 |
| 底面の半径 r | 1 |
| 高さ h | 0.5 |
| 球の半径 R | =(B2^2+B1^2)/(2*B2) |
| 底面の半径 r | 1 |
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ(解1) | =B2-SQRT(B2^2-B1^2) |
| 高さ(解2) | =B2+SQRT(B2^2-B1^2) |
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ h | 1 |
| 底面の半径 r | =SQRT(2*B1*B2-B2^2) |
Pythonで計算する方法
import math
ball_radius = 2 # 球の半径 R(この例ではcm)
height = 1 # 球欠の高さ h
volume = math.pi * height ** 2 * (3 * ball_radius - height) / 3 # 球欠の体積(入力単位の3乗)
base_radius = math.sqrt(2 * ball_radius * height - height ** 2) # 底面(切り口の円)の半径 r
print(f"球欠の体積: {volume} cm3")
print(f"底面の半径: {base_radius} cm")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
V = πh²(3R − h)/3
V = \dfrac{1}{3}\pi h^{2}(3R - h)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>V</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac><mn>1</mn><mn>3</mn></mfrac>
<mi>π</mi>
<msup><mi>h</mi><mn>2</mn></msup>
<mo>(</mo>
<mn>3</mn><mi>R</mi>
<mo>−</mo>
<mi>h</mi>
<mo>)</mo>
</mrow>
</math>
V = (1/3) pi h^2 (3R - h)
Pi*h^2*(3*R - h)/3
V := Pi*h^2*(3*R - h)/3;
V = pi*h^2*(3*R - h)/3;
V = (1/3)πh^2(3R - h)
R = (h² + r²)/(2h)
R = \dfrac{h^{2} + r^{2}}{2h}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>R</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow><msup><mi>h</mi><mn>2</mn></msup><mo>+</mo><msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup></mrow>
<mrow><mn>2</mn><mi>h</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
R = (h^2 + r^2)/(2h)
(h^2 + r^2)/(2*h)
R := (h^2 + r^2)/(2*h);
R = (h^2 + r^2)/(2*h);
R = (h^2 + r^2)/(2h)
h = R ± √(R² − r²)
h = R \pm \sqrt{R^{2} - r^{2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>h</mi>
<mo>=</mo>
<mi>R</mi>
<mo>±</mo>
<msqrt>
<mrow>
<msup><mi>R</mi><mn>2</mn></msup>
<mo>−</mo>
<msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</msqrt>
</mrow>
</math>
h = R +- sqrt(R^2 - r^2)
Solve[r^2 + (R - h)^2 == R^2, h]
solve(r^2 + (R - h)^2 = R^2, h);
h = [R - sqrt(R^2 - r^2), R + sqrt(R^2 - r^2)];
h = R ± √(R^2 - r^2)
r = √(2Rh − h²)
r = \sqrt{2Rh - h^{2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>r</mi>
<mo>=</mo>
<msqrt>
<mrow>
<mn>2</mn><mi>R</mi><mi>h</mi>
<mo>−</mo>
<msup><mi>h</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</msqrt>
</mrow>
</math>
r = sqrt(2Rh - h^2)
Sqrt[2*R*h - h^2]
r := sqrt(2*R*h - h^2);
r = sqrt(2*R*h - h^2);
r = √(2Rh - h^2)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは算数・数学の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 半径2cmの球を、頂点からの高さが1cmになるように平面で切り取った立体(球欠)があります。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. この球欠の体積は何cm³か(V = π × h² × (3R − h) ÷ 3) 2. 切り口の円(底面)の半径は何cmか(r = √(2Rh − h²)) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。円周率は \(\pi\) のまま使います。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
