気温と風速を入力してください。ウインドチル(風による冬の体感温度)を °C・°F・K で計算し、風速と体感温度の関係のグラフも表示します。
このページでできること
- 気温と風速を入れるだけで、米国NWS(国立気象局)方式のウインドチル(風による冬の体感温度)がその場でわかります
- 風速は日本の天気予報で使われる m/s のほか、km/h・mph・ノットにも対応しています(気温は °C・°F・K)
- 結果は °C・°F・K の3つの単位で表示されます
- 「同じ気温でも風が強いと体感温度がどれだけ下がるか」がグラフで一目でわかります
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
「気温3°Cなら先週と同じコートでいいか」——風を見落とすと、この判断は外れることがあります。気温3°Cでも風速5m/sなら、ウインドチルは約−1.2°Cと氷点下相当の寒さです。
天気予報の「気温」と「風速」をこのページに入れるだけで、マフラーや手袋を足すべき日かどうかを数字で判断できます。
スキー場の気温−5°Cは、無風なら耐えられても、風速10m/sの風が吹くリフトの上ではウインドチル約−13.7°C相当になります。リフトの上では体を動かさずに風を受け続けるため、ゲレンデの中でも特に体が冷えやすい場所です。
ゴーグルやフェイスマスクで肌の露出を減らす・首元をふさぐといった防寒の準備を、標高の高いスキー場の予報(気温と風速)から前もって考えられます。
冬山の稜線では風速15m/sの風は珍しくありません。気温−10°Cでもウインドチルは約−22.1°Cに相当し、気温−15°Cまで下がると約−29.0°Cと、露出した皮膚が30分以内に凍傷になるおそれがあるとされる水準(米国NWSの目安でウインドチル−28°C以下)に達します(この式は乾いた肌・日陰を想定した目安で、濡れや日差しは考慮しません)。
「山頂の気温」だけでなく「稜線の風速予報」と組み合わせて体感温度を見積もることは、装備と撤退の判断材料の一つになります。実際の登山の判断は、気象予報や登山の専門情報も合わせて行ってください。
風のない日でも、時速30kmで走れば自分が風速約8.3m/sの向かい風を受けるのと同じです。気温5°Cの朝でも、走行中の体感は約0.1°Cとほぼ氷点まで下がる計算になります。
「家を出たときは平気だったのに走り出したら手が痛い」の正体がこの走行風で、防風グローブやウインドブレーカーが自転車・バイク乗りの必需品になっている理由を数字で確かめられます。
北海道や東北の冬の予報でよく聞く「風が強く、数字以上に冷え込むでしょう」を、このページなら数値にできます。例えば気温−2°C・風速8m/sの日のウインドチルは約−8.9°Cで、無風の−2°Cとは7°C近く体感が違います。
米国やカナダの天気予報アプリに出てくる「Wind Chill」「Feels like(体感温度)」の冬の値はまさにこの指標なので、海外の寒冷地に行くときの服装選びにもそのまま使えます。
式とグラフ
用語・記号の解説
記号
| \(WCT\) | ダブリュー・シー・ティー | ウインドチル(Wind Chill Temperature)。気温と風速から求める冬の体感温度の指標で、式は華氏(°F)で計算します。このページの計算機は °C・K にも自動で換算します。 |
| \(T\) | ティー | 気温。ウインドチルの式では華氏(°F)を使います(摂氏の気温は換算式で華氏に直してから代入します)。 |
| \(V\) | ブイ | 風速。ウインドチルの式ではmph(マイル毎時)を使います(日本の天気予報のm/sは換算式でmphに直してから代入します)。 |
| \(V^{0.16}\) | ブイの0.16じょう | 風速 \(V\) の0.16乗(べき乗)。指数が1より小さいため、風速が2倍になっても効果は2倍にはならず、風が強いほど「追加の1m/s」の効き目は緩やかになります。Excelでは「^」、Pythonでは「**」を使って \(V^{0.16}\) を計算できます。 |
用語
| ウインドチル | ういんどちる | 風によって体感温度が下がる効果(風冷)を温度の形で表した指標。このページの式は、米国NWS(国立気象局)とカナダの気象機関が2001年に共同で導入したもので、風の中を歩く人の顔からの熱損失モデルと風洞実験・人体実験のデータに基づいています。日陰・乾いた体を想定した指標で、日差しや濡れ(汗・雨)は考慮しません。 |
| 体感温度 | たいかんおんど | 温度計の気温ではなく「人が実際に感じる暑さ・寒さ」を表した温度。冬は風が強いほど体の周りの暖まった空気の層が吹き飛ばされて熱が奪われるため、同じ気温でも寒く感じます。ウインドチルはこの「冬の風」の効果を、姉妹ページのヒートインデックスは「夏の湿度」の効果を数式にしたものです。 |
| ノット | のっと | 船・航空・気象で使われる速さの単位。1ノットは1時間に1海里(1852m)進む速さで、約0.514m/s=1.15078mphです。天気図の風速はノットで書かれることがあります。 |
| マイル毎時 (mph) |
まいるまいじ(えむ・ぴー・えいち) | 米国で使われる速さの単位。1マイル=約1609.34mで、1mphは約0.447m/s=約1.609km/hです。ウインドチルの式は風速をmphで受け取ります。 |
| 華氏 (°F) |
かし(かしおんど) | 米国で使われる温度の単位。水が凍る温度が32°F、沸騰する温度が212°Fです。摂氏との換算は °F = °C × 9/5 + 32 です。 |
| ケルビン (K) |
けるびん | 科学で使われる絶対温度の単位。摂氏に273.15を足した値です(0°C = 273.15 K)。 |
| 凍傷 | とうしょう | 皮膚や皮下組織が凍って傷ついてしまうこと。米国NWSは、ウインドチルが低いほど露出した皮膚が短時間で凍傷になりやすくなるとして、ウインドチルを注意喚起に使っています(例:−28°C以下では30分以内に凍傷のおそれがあるとされています)。 |
| 低体温症 | ていたいおんしょう | 体の中心部の温度が35°C以下まで下がった状態のこと。寒さと風で体から熱が奪われ続けると起こりうるとされています。防寒の判断は気温だけでなく風(体感温度)も合わせて考えることが大切です。 |
| 経験式 | けいけんしき | 理論だけから導いた式ではなく、実験・観測データに合うように係数を決めた式。ウインドチルの式の4つの係数(35.74・0.6215・35.75・0.4275)も実験データから定められたもので、適用範囲の外では意味のある値になりません。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 文字式と代入(中学1年) |
|
| 正負の数(中学1年) |
|
| 速さと単位換算(小学6年〜中学1年) |
|
| 温度の単位(中学理科〜) |
|
| 累乗と指数(中学1年〜高校 数学II) |
|
Excelで計算する方法
| 気温(°C) | 0 |
| 風速(m/s) | 10 |
| 気温(°F) | =B1*9/5+32 |
| 風速(mph) | =B2*3600/1609.34 |
| ウインドチル(°F) | =35.74+0.6215*B3-35.75*B4^0.16+0.4275*B3*B4^0.16 |
| ウインドチル(°C) | =(B5-32)*5/9 |
| 摂氏の気温(°C) | 5 |
| 華氏の気温(°F) | =B1*9/5+32 |
| 風速(m/s) | 8 |
| 風速(mph) | =B1*3600/1609.34 |
1つ目の表は、摂氏・m/sの入力を華氏・mphに換算してからNWS式に代入する、このページの計算機と同じ手順です。例の値(気温0°C・風速10m/s)ではB5に約19.34(°F)、B6に約−7.0(°C)と表示されます。
風速0(無風)でもエラーにはなりませんが、式の適用範囲(気温10°C以下・風速約1.34m/s以上)の外の値は参考程度としてください。
2つ目・3つ目の表は単位換算だけの表で、例の値では華氏41(°F)・約17.90(mph)になります。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 気温(°C) | 0 |
| 風速(m/s) | 10 |
| 気温(°F) | =B1*9/5+32 |
| 風速(mph) | =B2*3600/1609.34 |
| ウインドチル(°F) | =35.74+0.6215*B3-35.75*B4^0.16+0.4275*B3*B4^0.16 |
| ウインドチル(°C) | =(B5-32)*5/9 |
| 摂氏の気温(°C) | 5 |
| 華氏の気温(°F) | =B1*9/5+32 |
| 風速(m/s) | 8 |
| 風速(mph) | =B1*3600/1609.34 |
Pythonで計算する方法
air_temperature_c = 0 # 気温(°C)
wind_speed_ms = 10 # 風速(m/s)
t_f = air_temperature_c * 9 / 5 + 32 # 華氏(°F)に換算
v_mph = wind_speed_ms * 3600 / 1609.34 # mph(マイル毎時)に換算
v_pow = v_mph ** 0.16 # 風速の0.16乗(無風=0のときは0になる)
wind_chill_f = 35.74 + 0.6215 * t_f - 35.75 * v_pow + 0.4275 * t_f * v_pow
wind_chill_c = (wind_chill_f - 32) * 5 / 9
wind_chill_k = wind_chill_c + 273.15
print(f"ウインドチル(体感温度): {wind_chill_c:.1f} °C({wind_chill_f:.1f} °F / {wind_chill_k:.1f} K)")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
WCT = 35.74 + 0.6215\,T - 35.75\,V^{0.16} + 0.4275\,T\,V^{0.16}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>WCT</mi>
<mo>=</mo>
<mn>35.74</mn>
<mo>+</mo><mn>0.6215</mn><mi>T</mi>
<mo>−</mo><mn>35.75</mn><msup><mi>V</mi><mn>0.16</mn></msup>
<mo>+</mo><mn>0.4275</mn><mi>T</mi><msup><mi>V</mi><mn>0.16</mn></msup>
</mrow>
</math>
WCT = 35.74 + 0.6215 T - 35.75 V^0.16 + 0.4275 T V^0.16
wct = 35.74 + 0.6215*t - 35.75*v^0.16 + 0.4275*t*v^0.16
WCT := 35.74 + 0.6215*T - 35.75*V^0.16 + 0.4275*T*V^0.16;
WCT = 35.74 + 0.6215*T - 35.75*V^0.16 + 0.4275*T*V^0.16;
WCT = 35.74 + 0.6215T - 35.75V^0.16 + 0.4275T V^0.16
°F = °C × 9/5 + 32、mph = m/s × 3600 ÷ 1609.34
T_{\mathrm{F}} = T_{\mathrm{C}} \times \dfrac{9}{5} + 32, \quad V_{\mathrm{mph}} = V_{\mathrm{m/s}} \times \dfrac{3600}{1609.34}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>T</mi><mi>F</mi></msub>
<mo>=</mo>
<msub><mi>T</mi><mi>C</mi></msub>
<mo>×</mo>
<mfrac><mn>9</mn><mn>5</mn></mfrac>
<mo>+</mo><mn>32</mn>
<mo>,</mo>
<msub><mi>V</mi><mtext>mph</mtext></msub>
<mo>=</mo>
<msub><mi>V</mi><mtext>m/s</mtext></msub>
<mo>×</mo>
<mfrac><mn>3600</mn><mn>1609.34</mn></mfrac>
</mrow>
</math>
T_F = T_C * 9/5 + 32, V_"mph" = V_"m/s" * 3600/1609.34
tf = tc*9/5 + 32; vmph = vms*3600/1609.34
TF := TC*9/5 + 32; Vmph := Vms*3600/1609.34;
TF = TC*9/5 + 32; Vmph = Vms*3600/1609.34;
T_F = T_C × 9/5 + 32, V_mph = V_ms × 3600/1609.34
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは気象計算のアシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 気温0°C・風速10m/sのときのウインドチル(米国NWS 2001年式のWind Chill Temperature)を求めてください。 計算手順: 1. 気温を華氏に換算する(°F = °C × 9/5 + 32) 2. 風速をmphに換算する(mph = m/s × 3600 ÷ 1609.34) 3. NWS式 WCT = 35.74 + 0.6215T − 35.75V^0.16 + 0.4275T·V^0.16(T=°F、V=mph)を計算する 4. 結果を°Fと°Cの両方で示す 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
ウインドチルの式は華氏(°F)とmph(マイル毎時)で作られているので、まず単位の換算から練習します。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
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