初期量 N₀・残存量 N(t)・経過時間 t・半減期 t½ の4つのうち、わかっている3つを入力してください。空欄にした残り1つを計算し、あわせて崩壊定数 λ と平均寿命 τ も表示します。下の数式は入力欄と連動していて、数値の部分を直接書き換えても計算できます。
このページでできること
- 初期量 \(N_0\)・残存量 \(N(t)\)・経過時間 \(t\)・半減期 \(t_{1/2}\) の4つのうち3つを入れるだけで、空欄にした残り1つを逆算できます
- 崩壊定数 \(\lambda\) と平均寿命 \(\tau\) も同時に表示します
- 量が半分ずつ減っていくようす(指数関数的減衰)を、半減期ごとの目印つきのグラフで確認できます
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
生き物の体内にある放射性の炭素14は、死後に取り込みが止まり、半減期約5730年で減っていきます。遺跡から出た木片の炭素14が生きていた頃の25%まで減っていれば、\(5730 \times \ln 4 \div \ln 2 = 11460\) 年(=半減期2回分)前のものと推定できます。
縄文土器の年代など、教科書に載っている「何千年前」の多くはこの計算が根拠になっています。
病院の検査(シンチグラフィ等)で使われるテクネチウム99mの半減期は約6時間です。計算例として、検査から24時間後には \((1/2)^{24/6} = (1/2)^4 = 1/16\)、つまり6.25%まで減ることがわかります。
半減期の短い核種が医療で選ばれるのは、このように体内で速く減っていくためです(実際の体内では排せつでも減るため、安全性の評価は専門機関の基準によります)。
薬が血中から減っていく速さも「半減期」で表されます。例えばカフェインの半減期を4時間とすると、コーヒー2杯分(200mg)のカフェインは12時間後には \(200 \times (1/2)^{3} = 25\) mgまで減る計算です。
半減期には大きな個人差があり、実際の服薬の判断は医師・薬剤師の指示によりますが、「寝る前のコーヒーが響く理由」を数字で実感できます。
原子力関連のニュースに出るヨウ素131の半減期は約8日です。80日後(半減期10回分)には \((1/2)^{10} = 1/1024\)、約0.1%まで減る一方、セシウム137は半減期約30年なので90年経っても \(1/8\)(12.5%)残る計算になります。
「半減期が短い=速く弱まる、長い=長く残る」という関係がわかると、報道の数字を自分で確かめられます。
原子力発電などで出る放射性廃棄物は、含まれる核種の半減期をもとに「どれくらいの期間、隔離・管理が必要か」が設計されています。半減期30年のセシウム137が1000分の1近くまで減るには半減期約10回分(約300年)かかる、といった見積もりがこの式で計算できます。
何世代にもわたる管理計画の土台に、このページの式と同じ計算があります。
式とグラフ
用語・記号の解説
記号
| \(N_0\) | エヌ・ゼロ | 初期量。時間を数え始めた時点(\(t = 0\))にあった量です。(例:初めに100gあれば \(N_0 = 100\)) |
| \(N(t)\) | エヌ・ティー | 残存量。時間 \(t\) が経過したあとに残っている量です。「\(t\) の関数(\(t\) の値で決まる量)」という意味でこう書きます。 |
| \(t\) | ティー | 経過時間。初期量から残存量まで減るのにかかった時間です。単位は半減期と揃えます。 |
| \(t_{1/2}\) | ティー・にぶんのいち はんげんき | 半減期。量がちょうど半分になるまでの時間です。物質ごとに決まった値で、どの時点から測っても同じ長さになります。 |
| \(\lambda\) | ラムダ | 崩壊定数。ごく短い時間あたりに崩壊する割合を表す定数で、\(\lambda = \ln 2 \div t_{1/2}\) で求められます。 |
| \(\tau\) | タウ | 平均寿命。1つの原子が崩壊するまでの時間の平均で、\(\tau = 1 \div \lambda = t_{1/2} \div \ln 2\) で求められます。 |
| \(\ln x\) | エル・エヌ・エックス ロン・エックス | 自然対数。\(e\)(約2.718)を底とする対数で、「\(e\) を何乗すると \(x\) になるか」を表します。関数電卓やExcelでは ln(LN)ボタン・LN関数で計算できます。 |
用語
| 半減期 | はんげんき | 量がちょうど半分になるまでにかかる時間。放射性物質なら原子の個数(放射能の強さ)が、薬なら血中濃度が半分になる時間を指します。半分→4分の1→8分の1と、同じ時間ごとに半分ずつ減っていくのが特徴です。 |
| 指数関数的減衰 | しすうかんすうてきげんすい | 「いま残っている量に比例した速さで減っていく」減り方。初めは速く、残りが少なくなるほどゆっくり減ります。半減期が一定になるのは、この減り方をする量だけです。 |
| 放射性崩壊 | ほうしゃせいほうかい | 不安定な原子核が放射線を出して別の原子核に変わる現象。1つ1つの原子がいつ崩壊するかは偶然ですが、たくさん集まると全体としては半減期にしたがって規則正しく減っていきます。 |
| 崩壊定数 | ほうかいていすう | ごく短い時間あたりに、残っている原子のうちどれくらいの割合が崩壊するかを表す定数。半減期と表裏一体で、どちらか一方がわかればもう一方も計算できます。 |
| 平均寿命 | へいきんじゅみょう | 1つの原子が崩壊するまでの時間をたくさんの原子で平均した値。半減期の約1.44倍になります。 |
| 自然対数 | しぜんたいすう | \(e\)(約2.718、ネイピア数)を底とする対数。「増えたり減ったりする速さ」を扱う計算と相性がよく、半減期・崩壊定数の式に登場します。 |
| 指数 | しすう | \(2^3\) の右上の3のように「同じ数を何回掛けるか」を表す数。半減期の式では「半分になる回数 \(t / t_{1/2}\)」が指数になります。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 割合(小学5年) |
|
| 累乗・指数(中学1年) |
|
| 指数の拡張(高校 数学Ⅱ) |
|
| 対数(高校 数学Ⅱ) |
|
Excelで計算する方法
| 初期量 N0 | 100 |
| 経過時間 t | 10 |
| 半減期 t1/2 | 5 |
| 残っている量 N(t) | =B1*POWER(1/2,B2/B3) |
| 初期量 N0 | 100 |
| 残存量 N(t) | 25 |
| 経過時間 t | 10 |
| 半減期 t1/2 | =B3*LN(2)/LN(B1/B2) |
| 初期量 N0 | 100 |
| 残存量 N(t) | 25 |
| 半減期 t1/2 | 5 |
| 経過時間 t | =B3*LN(B1/B2)/LN(2) |
| 半減期 t1/2 | 5 |
| 崩壊定数 λ | =LN(2)/B1 |
| 平均寿命 τ | =B1/LN(2) |
「POWER(1/2, B2/B3)」は「1/2 を(経過時間 ÷ 半減期)回掛ける」というべき乗の関数、「LN」は自然対数(ln)を求める関数です。
例えば1つ目の表ならB4に25(100gが10年で25gに)、2つ目の表ならB4に5(半減期5年)と表示されます。B列の数値を自分の値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 初期量 N0 | 100 |
| 経過時間 t | 10 |
| 半減期 t1/2 | 5 |
| 残っている量 N(t) | =B1*POWER(1/2,B2/B3) |
| 初期量 N0 | 100 |
| 残存量 N(t) | 25 |
| 経過時間 t | 10 |
| 半減期 t1/2 | =B3*LN(2)/LN(B1/B2) |
| 初期量 N0 | 100 |
| 残存量 N(t) | 25 |
| 半減期 t1/2 | 5 |
| 経過時間 t | =B3*LN(B1/B2)/LN(2) |
| 半減期 t1/2 | 5 |
| 崩壊定数 λ | =LN(2)/B1 |
| 平均寿命 τ | =B1/LN(2) |
Pythonで計算する方法
import math
initial_quantity = 100.0 # 初期量 N0
remaining_quantity = 25.0 # 残存量 N(t)
elapsed_time = 10.0 # 経過時間 t
# 半減期 t1/2 = t × ln2 ÷ ln(N0 ÷ N(t))
half_life = elapsed_time * math.log(2) / math.log(initial_quantity / remaining_quantity)
decay_constant = math.log(2) / half_life # 崩壊定数 λ
mean_lifetime = half_life / math.log(2) # 平均寿命 τ
print(f"半減期: {half_life}")
print(f"崩壊定数: {decay_constant}")
print(f"平均寿命: {mean_lifetime}")
# 検算:残っている量 N(t) = N0 × (1/2)^(t/t1/2)
remaining = initial_quantity * 0.5 ** (elapsed_time / half_life)
print(f"検算(残存量): {remaining}")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
N(t) = N₀ × (1/2)^(t/t½)
N(t) = N_0 \left(\frac{1}{2}\right)^{t/t_{1/2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>N</mi><mo>(</mo><mi>t</mi><mo>)</mo>
<mo>=</mo>
<msub><mi>N</mi><mn>0</mn></msub>
<msup>
<mrow><mo>(</mo><mfrac><mn>1</mn><mn>2</mn></mfrac><mo>)</mo></mrow>
<mrow><mi>t</mi><mo>/</mo><msub><mi>t</mi><mrow><mn>1</mn><mo>/</mo><mn>2</mn></mrow></msub></mrow>
</msup>
</mrow>
</math>
N(t) = N_0 (1/2)^(t/t_(1/2))
n0*(1/2)^(t/thalf)
Nt := n0*(1/2)^(t/thalf);
Nt = n0*(1/2)^(t/thalf);
N(t) = N_0 (1/2)^(t/t_(1/2))
t½ = t × ln 2 ÷ ln(N₀/N(t))
t_{1/2} = \dfrac{t \ln 2}{\ln(N_0 / N(t))}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>t</mi><mrow><mn>1</mn><mo>/</mo><mn>2</mn></mrow></msub>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow><mi>t</mi><mo>⁢</mo><mi>ln</mi><mo>⁡</mo><mn>2</mn></mrow>
<mrow><mi>ln</mi><mo>⁡</mo><mo>(</mo><msub><mi>N</mi><mn>0</mn></msub><mo>/</mo><mi>N</mi><mo>(</mo><mi>t</mi><mo>)</mo><mo>)</mo></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
t_(1/2) = (t ln 2)/(ln(N_0//N(t)))
t*Log[2]/Log[n0/nt]
thalf := t*ln(2)/ln(n0/nt);
thalf = t*log(2)/log(n0/nt);
t_(1/2) = t ln(2)/ln(N_0/N(t))
λ = ln 2 ÷ t½
\lambda = \dfrac{\ln 2}{t_{1/2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>λ</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow><mi>ln</mi><mo>⁡</mo><mn>2</mn></mrow>
<msub><mi>t</mi><mrow><mn>1</mn><mo>/</mo><mn>2</mn></mrow></msub>
</mfrac>
</mrow>
</math>
lambda = (ln 2)/t_(1/2)
Log[2]/thalf
lambda := ln(2)/thalf;
lambda = log(2)/thalf;
λ = ln(2)/t_(1/2)
τ = t½ ÷ ln 2
\tau = \dfrac{1}{\lambda} = \dfrac{t_{1/2}}{\ln 2}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>τ</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<msub><mi>t</mi><mrow><mn>1</mn><mo>/</mo><mn>2</mn></mrow></msub>
<mrow><mi>ln</mi><mo>⁡</mo><mn>2</mn></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
tau = t_(1/2)/(ln 2)
thalf/Log[2]
tau := thalf/ln(2);
tau = thalf/log(2);
τ = t_(1/2)/ln(2)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは半減期計算のアシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 ある放射性物質が初め100gあり、10年後に25gまで減っていました。 減り方は指数関数的減衰 N(t) = N0 × (1/2)^(t/半減期) にしたがうものとします。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. この物質の半減期 2. 崩壊定数 λ(= ln2 ÷ 半減期) 3. 平均寿命 τ(= 半減期 ÷ ln2) 4. 初めから20年後に残っている量 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
