勾配の入力方法を選び、値を入力してください。水平距離・高低差は空欄でもかまいません(入れるとその長さでの高低差・水平距離・斜辺の長さも計算します)。
このページでできること
- 勾配を「パーセント(%)」「角度(度)」「寸勾配(○寸)」「分数(1/12・1/100 など)」「高低差と水平距離」のどれか1つで入れると、残りの表記をすべて一度に計算します
- 水平距離を入れると、その勾配での高低差と斜辺の長さ(実際に材料が必要になる長さ)がわかります
- 高低差を入れると、その勾配にするために必要な水平距離(スロープや配管の長さ)がわかります
- 入力した勾配を直角三角形の図で描き、水平距離・高低差・斜辺・角度がどこにあるかを確認できます
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
車いす用スロープの勾配の例としてよく使われる値に「1/12」(水平12に対して高さ1)があります。高低差60cmの玄関にこの勾配でスロープを作るなら、必要な水平距離は \(60 \times 12 = 720\) cm(7.2m)、板の長さ(実長)は約7.22mです。
「そんな長さは取れない」という場合に勾配を 1/8 にすると水平距離は4.8mで済みますが、角度は約7.1°と急になります。どの勾配が適切かは用途や利用者、適用される基準によって変わるため、施設の設計では建築士や自治体の基準を確認してください。
排水管や側溝には、水が自然に流れるように緩い下り勾配(水勾配)をつけます。図面では「1/100」「1/50」のような分数で書かれることが多く、1/100 なら水平距離3mの配管の両端で \(3000 \div 100 = 30\) mmの落差が要ります。
長い配管ほど必要な落差が大きくなるため、「出口の高さが足りるか」を配管する前に計算しておくと、埋め戻した後で勾配不足に気づく失敗を防げます。適切な勾配は管の太さや用途で変わるので、メーカーや自治体の施工要領に従ってください。
日本の屋根は「4寸勾配」(水平10に対して高さ4)のように寸勾配で表します。角度にすると \(\arctan 0.4 \fallingdotseq 21.8^\circ\)、パーセントでは40%です。
物置の片流れ屋根を水平幅3mで4寸勾配にするなら、高低差は \(3 \times 0.4 = 1.2\) m、屋根に沿った長さ(垂木の長さの目安)は \(\sqrt{3^{2} + 1.2^{2}} \fallingdotseq 3.23\) mです。屋根材ごとに施工できる最低勾配が決まっているため、材料選びの前に勾配の換算をしておくと打ち合わせが早くなります。
道路標識の「10%」は水平100mで10m上がる坂で、角度にすると約5.7°です。「10% = 10°」ではありません。自転車では8〜10%の坂はかなりきつく感じるので、ルート選びの目安になります。
鉄道は勾配をパーミル(‰)で表し、25‰は水平1000mで25m上がる勾配(2.5%・約1.4°)です。角度にすると小さくても、重い列車にとっては大きな負担になるため、鉄道では細かい単位の‰が使われています。
駐車場やベランダの土間には、雨水がたまらないように 1〜2% 程度の水勾配をつけて仕上げることが多く、奥行き5mの駐車場を2%にするなら、手前と奥で \(5 \times 0.02 = 0.1\) m(10cm)の高低差になります。
逆に道路から玄関までのアプローチが急すぎると、雨の日に滑りやすくなったり車の底をこすったりするため、高低差と水平距離から勾配(%と角度)を確かめてから設計します。
勾配は「高さ ÷ 底辺」なので、直角三角形の \(\tan\theta\) そのものです。「勾配1/12は何度か」を求める計算は、高校数学で習う逆三角関数(\(\arctan\))の最も身近な出番の一つです。
また「水平距離と高低差から斜辺を求める」計算は、中学で習う三平方の定理そのものです。教科書の公式が、スロープや屋根という実物の寸法につながっていることを確かめてみてください。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(i\) | アイ | 勾配(高低差 ÷ 水平距離)。英語で勾配を意味する inclination(傾き)の頭文字に由来するといわれ、土木・建築の図面でも勾配を \(i\) で表すことがあります。単位のないただの数で、\(\tan\theta\) と同じ値です。 |
| \(h\) | エイチ | 高低差。height(高さ)の頭文字です。段差の高さ、屋根の棟と軒の高さの差、配管の両端の高さの差などにあたります。 |
| \(L\) | エル | 水平距離。このページでは length(長さ)の頭文字を使っています。斜面を真上から見たときの長さで、斜面に沿った長さ(斜辺 \(s\))ではありません。 |
| \(p\) | ピー | パーセント勾配。percent の頭文字です。\(p = i \times 100\) で、「水平に100進むと \(p\) 上がる」ことを表します。 |
| \(k\) | ケー | 寸勾配の値。\(k = i \times 10\) で、「水平に10進むと \(k\) 上がる」ことを表します(4寸勾配なら \(k = 4\))。 |
| \(n\) | エヌ | 分数表記 \(1/n\) の分母。\(n = L \div h = 1 \div i\) で、「水平に \(n\) 進むと1上がる」ことを表します(1/12 なら \(n = 12\))。 |
| \(\theta\) | シータ | 水平面に対する斜面の角度(傾斜角)。ギリシャ文字のシータで、角度を表す文字としてよく使われます。\(\theta = \arctan i\) で求めます。 |
| \(s\) | エス | 斜辺の長さ(実長)。このページでは slope(斜面)の頭文字を使っています。\(s = \sqrt{L^{2} + h^{2}}\) で求めます。 |
| \(\tan\) | タンジェント | 正接。直角三角形の「高さ ÷ 底辺」の値で、tangent(接線)の略です。勾配 \(i\) は \(\tan\theta\) そのものです。 |
| \(\arctan\) | アークタンジェント タンジェントインバース(\(\tan^{-1}\)) | 逆正接。「\(\tan\) の値がこれになる角度」を返す計算で、\(\tan^{-1}\) とも書きます。勾配から角度を求めるときに使います。 |
| \(\sqrt{\ }\) | ルート | 平方根。「2乗するとその数になる正の数」を表します。三平方の定理で斜辺を求めるときに使います(例:\(\sqrt{25} = 5\))。 |
| \(\fallingdotseq\) | ほぼ等しい | 「およそ等しい」を表す記号。割り切れない値や \(\arctan\) の結果を、小数で丸めて書くときに使います。 |
用語
| 勾配 | こうばい | 水平に進んだ長さに対して、どれだけ上がる(下がる)かの割合。高低差 ÷ 水平距離で求めます。同じ勾配を、パーセント(%)・寸勾配(寸)・パーミル(‰)・分数(1/n)・角度(°)のいろいろな表記で表します。 |
| 高低差 | こうていさ | 勾配の始まりと終わりの高さの差。段差の高さ、屋根の棟から軒までの高さ、配管の入口と出口の高さの差などがこれにあたります。落差ともいいます。 |
| 水平距離 | すいへいきょり | 勾配の始まりから終わりまでを真上から見たときの長さ。斜面に沿って測った長さ(実長)より必ず短くなります。勾配の計算では、この水平距離で高低差を割ります。 |
| 斜辺 | しゃへん | 直角三角形で、直角の向かい側にある一番長い辺。勾配の図では斜面そのものにあたり、その長さが実長です。 |
| 実長 | じっちょう | 斜面に沿って測った実際の長さ(斜辺の長さ)。スロープの板・屋根の垂木・配管など、材料として実際に必要になる長さはこちらです。水平距離と高低差から三平方の定理で求めます。 |
| パーセント勾配 | パーセントこうばい | 「水平に100進むと何上がるか」で勾配を表す言い方。道路標識の「10%」や、外構・造成の図面でよく使われます。勾配 × 100 で求めます。 |
| パーミル | パーミル | 1000分のいくつかを表す単位(記号 ‰)。鉄道の勾配は「25‰」のように表し、水平1000mで25m上がる勾配です。勾配 × 1000 で求めます(25‰ = 2.5%)。 |
| 寸勾配 | すんこうばい | 屋根の勾配を「水平に10(1尺)進むと何寸上がるか」で表す日本の言い方。4寸勾配なら水平10に対して高さ4(=40%、約21.8°)です。実際の長さの単位がmでもmmでも、比なので同じ言い方をします。 |
| 矩勾配 | かねこうばい | 10寸勾配(水平10に対して高さ10)のこと。角度は45°で、パーセントでは100%です。「矩」は直角・直角定規を意味する大工の言葉です。 |
| 分数勾配 (1/n) |
ぶんすうこうばい | 「水平に n 進むと1上がる」勾配を 1/n と書く表記。スロープの「1/12」、排水管の「1/100」「1/50」のように使います。n が大きいほど緩い勾配です。 |
| 傾斜角 | けいしゃかく | 水平面に対する斜面の角度。勾配を角度(°)で表したもので、勾配 \(i\) から \(\arctan\) で求めます。パーセント勾配と角度は比例しないことに注意してください(10%は約5.7°ですが、100%は45°です)。 |
| 正接 | せいせつ | 三角比の \(\tan\)(タンジェント)のこと。直角三角形の「高さ ÷ 底辺」の値で、勾配の値そのものです。 |
| 逆正接 | ぎゃくせいせつ | \(\tan\) の逆の計算(\(\arctan\))。「\(\tan\) の値がこれになる角度は何度か」を返します。関数電卓では \(\tan^{-1}\) キー、Excel では ATAN 関数です。 |
| 三平方の定理 | さんへいほうのていり | 直角三角形で「底辺の2乗 + 高さの2乗 = 斜辺の2乗」が成り立つという定理。ピタゴラスの定理ともいいます。水平距離と高低差から斜辺(実長)を求めるときに使います。 |
| 水勾配 | みずこうばい | 水が自然に流れるように床・地面・配管につける緩い勾配のこと。排水勾配ともいいます。排水管では 1/100・1/50 のような分数、ベランダや土間の床では 1%〜2% のようなパーセントで表すことが多い勾配です。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。
| 割合と百分率(小学5年) |
|
| 分数と小数の変換・逆数(小学5〜6年) |
|
| 長さの単位の換算(小学2〜3年) |
|
| 直角三角形と三平方の定理(中学3年) |
|
| 三角比 tan と逆三角関数(高校 数学I・数学III) |
|
Excelで計算する方法
| 高低差 h(cm) | 60 |
| 水平距離 L(cm) | 720 |
| 勾配 i | =B1/B2 |
| 勾配 i | 0.4 |
| パーセント勾配 p(%) | =B1*100 |
| 寸勾配 k(寸) | =B1*10 |
| パーミル(‰) | =B1*1000 |
| 高低差 h(cm) | 60 |
| 水平距離 L(cm) | 720 |
| 分母 n(勾配 1/n) | =B2/B1 |
| 勾配 i | =1/12 |
| 角度 θ(°) | =DEGREES(ATAN(B1)) |
| 高低差 h(m) | 0.6 |
| 勾配 i | =1/12 |
| 水平距離 L(m) | =B1/B2 |
| 斜辺の長さ s(m) | =SQRT(B3^2+B1^2) |
1つ目の表のB3は約0.0833(=1/12)、2つ目の表は40・4・400、3つ目の表のB3は12、4つ目の表のB2は約4.76になります。
「ATAN」は逆正接(arctan)を求める関数で、答えがラジアンという単位で返ってくるため、「DEGREES」で度に直しています。「SQRT」は平方根、「^2」は2乗です。
5つ目の表は「高低差 ÷ 勾配」で水平距離7.2mを求め、三平方の定理で斜辺約7.225mを求めています。水平距離から高低差を求めたいときは、B3の式を「=水平距離*B2」に変えてください。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 高低差 h(cm) | 60 |
| 水平距離 L(cm) | 720 |
| 勾配 i | =B1/B2 |
| 勾配 i | 0.4 |
| パーセント勾配 p(%) | =B1*100 |
| 寸勾配 k(寸) | =B1*10 |
| パーミル(‰) | =B1*1000 |
| 高低差 h(cm) | 60 |
| 水平距離 L(cm) | 720 |
| 分母 n(勾配 1/n) | =B2/B1 |
| 勾配 i | =1/12 |
| 角度 θ(°) | =DEGREES(ATAN(B1)) |
| 高低差 h(m) | 0.6 |
| 勾配 i | =1/12 |
| 水平距離 L(m) | =B1/B2 |
| 斜辺の長さ s(m) | =SQRT(B3^2+B1^2) |
Pythonで計算する方法
import math
rise = 0.6 # 高低差 h(m)
run = 7.2 # 水平距離 L(m)
gradient = rise / run # 勾配 i(= tanθ)
percent = gradient * 100 # パーセント勾配(%)
permille = gradient * 1000 # パーミル(‰)
sun = gradient * 10 # 寸勾配(寸)
denominator = run / rise # 分数表記 1/n の n
angle_deg = math.degrees(math.atan(gradient)) # 角度(°)。atan の答えはラジアンなので度に直す
hypotenuse = math.sqrt(run ** 2 + rise ** 2) # 斜辺の長さ(実長・m)
print(f"勾配: {gradient:.4f}")
print(f"パーセント: {percent:.2f} %")
print(f"パーミル: {permille:.2f} ‰")
print(f"寸勾配: {sun:.2f} 寸")
print(f"分数表記: 1/{denominator:.1f}")
print(f"角度: {angle_deg:.2f} °")
print(f"斜辺の長さ: {hypotenuse:.3f} m")
# 逆に、勾配と高低差から必要な水平距離を求める
target_gradient = 1 / 12 # 目標の勾配(1/12)
rise2 = 0.6 # 高低差(m)
run2 = rise2 / target_gradient
print(f"勾配 1/12 で高低差 {rise2} m を上るのに必要な水平距離: {run2:.3f} m")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
i = h ÷ L
i = \frac{h}{L}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>i</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac><mi>h</mi><mi>L</mi></mfrac>
</mrow>
</math>
i = h / L
h/L
i := h/L;
i = h/L;
i = h/L
p = i × 100, k = i × 10
p = 100\,i,\quad k = 10\,i
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>p</mi><mo>=</mo><mn>100</mn><mo>⁢</mo><mi>i</mi>
<mo>,</mo>
<mi>k</mi><mo>=</mo><mn>10</mn><mo>⁢</mo><mi>i</mi>
</mrow>
</math>
p = 100 i, k = 10 i
{100*i, 10*i}
p := 100*i; k := 10*i;
p = 100*i; k = 10*i; % i は勾配(先に i = h/L; を実行しておく)
p = 100i, k = 10i
n = L ÷ h
n = \frac{L}{h}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>n</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac><mi>L</mi><mi>h</mi></mfrac>
</mrow>
</math>
n = L / h
L/h
n := L/h;
n = L/h;
n = L/h
θ = arctan(i)
\theta = \arctan i
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>θ</mi>
<mo>=</mo>
<mi>arctan</mi>
<mo>⁡</mo>
<mi>i</mi>
</mrow>
</math>
theta = arctan(i)
ArcTan[i]*180/Pi
theta := arctan(i)*180/Pi;
theta = atand(i); % i は勾配(先に i = h/L; を実行しておく)
θ = tan^(-1)(i)
h = L × i, L = h ÷ i, s = √(L² + h²)
h = L\,i,\quad L = \frac{h}{i},\quad s = \sqrt{L^{2} + h^{2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>h</mi><mo>=</mo><mi>L</mi><mo>⁢</mo><mi>i</mi>
<mo>,</mo>
<mi>L</mi><mo>=</mo><mfrac><mi>h</mi><mi>i</mi></mfrac>
<mo>,</mo>
<mi>s</mi><mo>=</mo>
<msqrt><msup><mi>L</mi><mn>2</mn></msup><mo>+</mo><msup><mi>h</mi><mn>2</mn></msup></msqrt>
</mrow>
</math>
h = L i, L = h / i, s = sqrt(L^2 + h^2)
{L*i, h/i, Sqrt[L^2 + h^2]}
h := L*i; L := h/i; s := sqrt(L^2 + h^2);
h = L*i; L = h/i; s = sqrt(L^2 + h^2); % i は勾配(先に i = h/L; を実行しておく)
h = Li, L = h/i, s = √(L^2 + h^2)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは建築・土木の勾配計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 高低差60cmを水平距離7.2mのスロープで上ります。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 勾配(高低差 ÷ 水平距離。単位を揃えること) 2. パーセント勾配(%)、パーミル(‰)、寸勾配(寸) 3. 分数表記 1/n の n 4. 角度(度。arctan を使い、ラジアンを度に直すこと) 5. 斜辺の長さ(実長。三平方の定理) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
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クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
