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木材の材積(m³・才)
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引越しのダンボール枚数
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収納・棚の容量
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板取り計算
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棚板のたわみと耐荷重
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ド・モアブルの定理 計算機(複素数のn乗・n乗根を途中式と正n角形の図付きで計算)

求めるものを選んで、複素数 z = a + bi の実部 a・虚部 b と、整数 n を入力してください。下の数式は入力欄と連動していて、数字の部分を直接書き換えても計算できます。

数値は半角で入力してください。実部・虚部には小数・負の数・3/4 のような分数が使えます(空欄は 0 として扱います)。n は整数で、n乗は 1〜20、n乗根は 2〜12 の範囲です。
計算結果・図形
左の入力欄に数値を入れて「計算する」を押すと、ここに結果と複素数平面の図が表示されます。

このページでできること

  • 複素数 \(z = a + bi\) と整数 \(n\)(1〜20)から、\(n\) 乗 \(z^n\) をその場で計算できます。ド・モアブルの定理 \(\left(\cos\theta + i\sin\theta\right)^n = \cos n\theta + i\sin n\theta\) を軸に、絶対値の累乗 \(r^n\) と偏角の \(n\) 倍 \(n\theta\) を途中式で1ステップずつ確認できます
  • 答えの \(z^n\) は常に整数・分数の厳密値で表示します。偏角が有名角(軸の上・45°系)なら、三角比の値まで厳密値で展開した途中式になります
  • \(n\) 乗根モードでは、\(w^n = z\) となる複素数 \(w\)(\(z\) の \(n\) 乗根)を \(k = 0\) から \(n-1\) までの \(n\) 個すべて列挙します(\(n\) は2〜12)。厳密値で書けるものは \(-1 + \sqrt{3}i\) のような厳密値で答えます
  • 結果は複素数平面の図でも確認できます。\(n\) 乗根は半径 \(\sqrt[n]{r}\) の円の上に等間隔で並ぶ正 \(n\) 角形として、\(n\) 乗は点 \(z\) と点 \(z^n\)・偏角の弧として表示されます
  • 入力欄の上の数式(MathLive)は入力欄と連動していて、\(\left(1 + i\right)^{4}\) の数字の部分を直接書き換えても計算できます
対象は高校数学Cで学ぶド・モアブルの定理です。実部・虚部に入力できるのは分数・小数(有理数)で、√3 のような無理数は直接入力できません。このため偏角が πの分数の厳密値になるのは、点が軸の上にある場合と 45° 系の角の場合です(30°・60° 系の角は、実部と虚部の比が √3 のような無理数になるため、有理数の入力では現れません)。それ以外の偏角は小数で近似しますが、n乗の答え自体は掛け算の繰り返しで求めた厳密値を表示します。

この計算は何の役に立つ?

三角関数の2倍角・3倍角の公式づくり(高校数学・大学入試)

ド・モアブルの定理で \(n = 2,\ 3\) とおいて左辺を展開し、実部・虚部を見比べると、\(\cos 2\theta = \cos^2\theta - \sin^2\theta\) や \(\cos 3\theta = 4\cos^3\theta - 3\cos\theta\) といった倍角・3倍角の公式が一度に導けます。
公式を丸暗記しなくても、この定理から自力で復元できるようになるのが強みで、大学入試でも「ド・モアブルの定理を使って3倍角の公式を導け」という形で出題されます。三角関数と複素数という別々に習った単元が1本につながる、教科書の中でも見晴らしのいい定理です。

音楽・画像のデジタル処理(離散フーリエ変換)

スマートフォンで音楽を聴く・写真を保存する裏側では、信号を「どの高さの波がどれだけ含まれるか」に分解する離散フーリエ変換という計算が動いています。この計算の心臓部が1の \(n\) 乗根で、信号の各データに1の \(n\) 乗根の累乗を掛けて足し合わせる、という形をしています。
音声圧縮・画像圧縮(JPEG系の変換)・ノイズ除去・音声認識など、デジタルの音と画像を扱う技術の土台に、このページの「円周を等分する複素数」が使われています。

三相交流の電気の計算(発電・送電・モーター)

発電所から工場やビルに送られる三相交流は、タイミングが120°ずつずれた3つの波の組でできています。この「120°ずつのずれ」は、複素数で書くとちょうど1の3乗根 \(1,\ \omega,\ \omega^2\) の配置で、3つの波の和が打ち消し合って0になる(\(1 + \omega + \omega^2 = 0\))ことが、送電線を節約できる理由そのものです。
電力会社の送電網の設計や、工場のモーターの制御は、この1の3乗根の性質の上に成り立っています。

正多角形の頂点の配置(ゲーム・CG・デザイン)

ゲームやCGで「敵を円形に等間隔で配置する」「レーダーチャートの頂点を置く」「時計の文字盤の目盛りを描く」といった処理は、円周を \(n\) 等分した点の座標 \(\left(\cos\dfrac{2k\pi}{n},\ \sin\dfrac{2k\pi}{n}\right)\) を計算することにほかなりません。これは1の \(n\) 乗根の配置そのものです。
プログラミングでは複素数に1の \(n\) 乗根を掛けるだけで点を「次の頂点へ回転」させられるため、回転や等分の処理を簡潔に書く道具として使われています。

式と図

ド・モアブルの定理
図(単位円の上で、掛けるたびに偏角が θ ずつ増えていく様子)
数学表記 (一般的な数式)
\(\left(\cos\theta + i\sin\theta\right)\) \(n\) \(=\) \(\cos n\theta + i\sin n\theta\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
① 偏角 \(\theta\) の向きを表す部分 ② 整数 \(n\) \(=\) ③ 偏角を \(n\) 倍した向きを表す部分
式を日本語で読むと
① 偏角 \(\theta\) の向きを表す部分 \(\cos\theta + i\sin\theta\) を
② 整数 \(n\) 乗すると
③ 偏角を \(n\) 倍した向きを表す部分 \(\cos n\theta + i\sin n\theta\) になる
簡単な例
\(\theta = \dfrac{\pi}{6}\)(30°)を3乗すると(偏角が3倍の \(\dfrac{\pi}{2}\)(90°)になり)
\(\cos\dfrac{\pi}{6} + i\sin\dfrac{\pi}{6}\) 3 \(=\) \(\cos\dfrac{\pi}{2} + i\sin\dfrac{\pi}{2}\)
\(\left(\cos\dfrac{\pi}{6} + i\sin\dfrac{\pi}{6}\right)^{3} = \cos\dfrac{\pi}{2} + i\sin\dfrac{\pi}{2}\)
\(\cos\dfrac{\pi}{2} + i\sin\dfrac{\pi}{2} = 0 + 1 \times i = i\)
考え方のポイント
この定理の土台は、極形式の掛け算のルール「絶対値は掛ける・偏角は足す」です。絶対値1の複素数 \(\cos\theta + i\sin\theta\) を \(n\) 回掛けると、偏角が \(\theta\) ずつ \(n\) 回足されて \(n\theta\) になる、というのがこの定理の中身のすべてです。 身近な確認として、\(i = \cos\dfrac{\pi}{2} + i\sin\dfrac{\pi}{2}\)(90°の向き)を2乗すると、偏角が2倍の \(\pi\)(180°)になり、\(\cos\pi + i\sin\pi = -1\) が得られます。これは \(i^2 = -1\) そのものです。「\(i\) を掛ける=90°回転」という複素数平面の見方が、この定理で一般の角に広がります。 なお、この定理は \(n\) が負の整数でも成り立ちます(\(n = -1\) は「逆回転」にあたります)。このページの計算機では正の整数を扱います。
複素数の \(n\) 乗
数学表記 (一般的な数式)
\(z^{n}\) \(=\) \(r^{n}\) \(\left(\cos n\theta + i\sin n\theta\right)\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 複素数 \(z\) の \(n\) 乗 \(=\) ① 絶対値 \(r\) の \(n\) 乗 ② 偏角を \(n\) 倍した向きを表す部分
式を日本語で読むと
① 原点からの距離を表す 絶対値 \(r\) の \(n\) 乗 に
② 偏角を \(n\) 倍した向きを表す部分 \(\cos n\theta + i\sin n\theta\) を掛けると
③ 複素数 \(z\) の \(n\) 乗 \(z^n\) になる
簡単な例
\(z = 1 + i\)(絶対値 \(r = \sqrt{2}\)・偏角 \(\theta = \dfrac{\pi}{4}\)(45°))の4乗は
\(\left(1 + i\right)^{4}\) \(=\) \(\left(\sqrt{2}\right)^{4}\) \(\cos\pi + i\sin\pi\)
\(r^{4} = \left(\sqrt{2}\right)^{4} = 4\)
\(4\theta = 4 \times \dfrac{\pi}{4} = \pi\)
\(z^{4} = 4\left(\cos\pi + i\sin\pi\right) = 4 \times \left(-1\right) = -4\)
考え方のポイント
「絶対値は \(n\) 乗・偏角は \(n\) 倍」。この2つを別々に計算すれば、\(n\) 乗が一気に求められます。 同じ \(\left(1 + i\right)^4\) を直交形式のまま計算すると、\(\left(1 + i\right)^2 = 2i\) を作ってからもう一度2乗する、という展開の繰り返しになります。4乗ならまだ手で追えますが、10乗・20乗になると展開はほぼ不可能です。極形式なら \(\left(\sqrt{2}\right)^{10}\) と \(10 \times 45^{\circ}\) を計算するだけで、何乗でも手間がほとんど変わりません。ここがこの定理の最大のうまみです。
複素数の \(n\) 乗根
図(8 の3乗根:半径2の円の上に等間隔で並ぶ正三角形)
数学表記 (一般的な数式)
\(w_{k}\) \(=\) \(\sqrt[n]{r}\) \(\left(\cos\dfrac{\theta + 2k\pi}{n} + i\sin\dfrac{\theta + 2k\pi}{n}\right)\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ \(z\) の \(n\) 乗根(\(k\) 番目) \(=\) ① 絶対値 \(r\) の \(n\) 乗根(円の半径) ② 偏角に \(k\) 周分を足して \(n\) 等分した向きを表す部分
式を日本語で読むと
① 絶対値 \(r\) の \(n\) 乗根 \(\sqrt[n]{r}\)(すべての根が乗る円の半径) に
② 偏角 \(\theta\) に1周(\(2\pi\))の \(k\) 倍を足してから \(n\) 等分した向きを表す部分 を掛けると
③ \(z\) の \(n\) 乗根の \(k\) 番目 \(w_k\) になる(番号 \(k\) を \(0,\ 1,\ \ldots,\ n-1\) と変えると、\(n\) 個の根が全部出てくる)
簡単な例
\(z = 8\)(絶対値 \(r = 8\)・偏角 \(\theta = 0\))の3乗根は、\(\sqrt[3]{8} = 2\) を半径として
3乗根 \(w_k\) \(=\) 半径 \(2\) \(\cos\dfrac{2k\pi}{3} + i\sin\dfrac{2k\pi}{3}\)
\(w_{0} = 2\left(\cos 0 + i\sin 0\right) = 2\)
\(w_{1} = 2\left(\cos\dfrac{2}{3}\pi + i\sin\dfrac{2}{3}\pi\right) = -1 + \sqrt{3}i\)
\(w_{2} = 2\left(\cos\dfrac{4}{3}\pi + i\sin\dfrac{4}{3}\pi\right) = -1 - \sqrt{3}i\)
考え方のポイント
なぜ根が \(n\) 個も出てくるのか。カギは「偏角は1周(\(2\pi\))足しても同じ向き」という性質です。\(z\) の偏角は \(\theta\) とも \(\theta + 2\pi\) とも \(\theta + 4\pi\) とも書けます。\(n\) 乗根を求めるときは偏角を \(n\) で割るので、書き方の違いが \(\dfrac{\theta}{n},\ \dfrac{\theta + 2\pi}{n},\ \dfrac{\theta + 4\pi}{n},\ \ldots\) という別々の向きになって現れます。\(k = n\) まで進むとちょうど1周して \(k = 0\) と同じ点に戻るため、違う点は \(n\) 個で打ち止めです。 隣り合う根の偏角の差はいつも \(\dfrac{2\pi}{n}\)(1周の \(n\) 等分)なので、\(n\) 個の根は同じ円の上に等間隔で並びます。つまり \(n\) 乗根は正 \(n\) 角形の頂点になります。この計算機の図で必ず正 \(n\) 角形が現れるのはこのためです。
1 の \(n\) 乗根
数学表記 (一般的な数式)
\(z_{k}\) \(=\) \(\cos\dfrac{2k\pi}{n} + i\sin\dfrac{2k\pi}{n}\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
② 1 の \(n\) 乗根(\(k\) 番目) \(=\) ① 1周を \(n\) 等分した \(k\) 番目の向きを表す部分
式を日本語で読むと
① 半径1の円の1周を \(n\) 等分した \(k\) 番目の向きを表す部分 \(\cos\dfrac{2k\pi}{n} + i\sin\dfrac{2k\pi}{n}\) が
② 1 の \(n\) 乗根の \(k\) 番目 \(z_k\) になる(\(k = 0,\ 1,\ \ldots,\ n-1\) の \(n\) 個)
簡単な例
1 の3乗根(\(z^3 = 1\) となる複素数)は、単位円の1周を3等分して
3乗根 \(z_k\) \(=\) \(\cos\dfrac{2k\pi}{3} + i\sin\dfrac{2k\pi}{3}\)
\(z_{0} = \cos 0 + i\sin 0 = 1\)
\(z_{1} = \cos\dfrac{2}{3}\pi + i\sin\dfrac{2}{3}\pi = -\dfrac{1}{2} + \dfrac{\sqrt{3}}{2}i\)
\(z_{2} = \cos\dfrac{4}{3}\pi + i\sin\dfrac{4}{3}\pi = -\dfrac{1}{2} - \dfrac{\sqrt{3}}{2}i\)
考え方のポイント
\(z = 1\) は絶対値 \(1\)・偏角 \(0\) なので、上の \(n\) 乗根の公式で \(r = 1,\ \theta = 0\) とした特別な場合です。すべての根が単位円(半径1の円)の上に乗り、\(z_0 = 1\) を1つの頂点とする正 \(n\) 角形になります。 1の3乗根のうち虚数であるもの(上の \(z_1\))は \(\omega\)(オメガ)と呼ばれ、入試の頻出テーマです。\(\omega^3 = 1\)、\(\omega^2 + \omega + 1 = 0\)、そして \(z_2 = \omega^2 = \overline{\omega}\) という関係が成り立ちます。 また、1 の \(n\) 乗根を \(n\) 個すべて足すと \(0\) になります(\(n \geq 2\))。正 \(n\) 角形の頂点が原点の周りに均等に散らばっていて、重心がちょうど原点に来る、と考えると図形的に納得できます。
ド・モアブルの定理 \(\left(\cos\theta + i\sin\theta\right)^n = \cos n\theta + i\sin n\theta\) は、「複素数の掛け算=偏角の足し算」を \(n\) 回繰り返した結果です。これを使うと、複素数の \(n\) 乗は「絶対値は \(n\) 乗・偏角は \(n\) 倍」で一気に計算でき、逆向きに使うと \(n\) 乗根が「絶対値は \(n\) 乗根・偏角は \(n\) 等分(\(k\) 周分のずらし込み)」として \(n\) 個すべて求められます。\(n\) 乗根が円の上の正 \(n\) 角形として並ぶのが、この定理の図形的な見どころです。

用語・記号の解説

記号

\(i\) アイ 虚数単位。2乗すると \(-1\) になる数(\(i^2 = -1\))です。imaginary number(想像上の数)の頭文字に由来します。
\(z\) ゼット 複素数を表すのによく使われる文字。実数の変数に使う \(x,\ y\) と区別するため、複素数には \(z\) や \(w\) を使う慣例があります。
\(w\) ダブリュー このページでは \(z\) の \(n\) 乗根(\(w^n = z\) となる複素数)を表す文字。2つ目の複素数に \(z\) の次のアルファベット由来の \(w\) を使う慣例からきています。
\(a,\ b\) エー・ビー \(z = a + bi\) の実部(\(a\))と虚部(\(b\))。どちらも実数です。複素数平面では、\(a\) が横(実軸方向)の位置、\(b\) が縦(虚軸方向)の位置にあたります。
\(r\) アール 絶対値(原点から点 \(z\) までの距離)を表す文字。radius(半径)の頭文字に由来します。極形式では 0 以上の実数です。
\(\theta\) シータ 偏角を表すのに使うギリシャ文字。数学では角度を表す文字として慣用的に使われます。
\(n\) エヌ このページでは累乗の指数(何乗するか)または根の次数(何乗根か)を表す整数。個数・回数を表す number の頭文字に由来します。
\(k\) ケー \(n\) 乗根の番号(\(0\) から \(n-1\) まで)を表す文字。番号を数える文字には \(i,\ j,\ k\) が慣用的に使われますが、複素数の話では \(i\) が虚数単位と紛らわしいため、\(k\) を使うのが通例です。
\(\sqrt[n]{\ }\) エヌじょうこん \(n\) 乗根の記号。\(\sqrt[3]{8} = 2\) は「3乗すると 8 になる正の数は 2」という意味です。左上の小さな数が根の次数で、書かないときは2乗根(平方根)を表します。
\(\cos\theta,\ \sin\theta\) コサイン・シータ、サイン・シータ 三角比(三角関数)。半径1の円(単位円)の上で、角 \(\theta\) の向きに進んだ点の横の位置が \(\cos\theta\)、縦の位置が \(\sin\theta\) です。極形式では「向きを表す部品」の役割をします。
\(\pi\) パイ 円周率(約3.14159)。弧度法(ラジアン)では、半回転の角 \(180^{\circ}\) がちょうど \(\pi\)、1周は \(2\pi\) になります。円周率を表すギリシャ文字 \(\pi\) は、ギリシャ語で周・周囲を意味する語(ペリメトロス)の頭文字に由来するといわれます。
\(\omega\) オメガ 1の3乗根のうち虚数であるもの(\(\omega = -\dfrac{1}{2} + \dfrac{\sqrt{3}}{2}i\))を表す慣用の文字。\(\omega^3 = 1\)、\(\omega^2 + \omega + 1 = 0\) が成り立ちます。ギリシャ文字の最後の文字で、1の累乗根を表す文字として広く使われます。

用語

複素数 ふくそすう \(a + bi\)(\(a,\ b\) は実数)の形で表される数。実数と虚数をひとまとめにした数の世界で、高校では数学IIで学びます。
虚数単位 きょすうたんい 2乗すると \(-1\) になる数 \(i\) のこと。実数の中には2乗して負になる数がないため、新しい数として導入されました。
複素数平面 ふくそすうへいめん 複素数 \(a + bi\) を点 \((a,\ b)\) として表す平面。横軸を実軸、縦軸を虚軸と呼びます。ガウス平面とも呼ばれ、高校では数学Cで学びます。
極形式 きょくけいしき 複素数を「原点からの距離 \(r\)」と「実軸からの回転角 \(\theta\)」で表す表し方 \(r(\cos\theta + i\sin\theta)\) のことです。ド・モアブルの定理はこの形の複素数についての定理です。
絶対値 ぜったいち 原点から点 \(z\) までの距離のことで、\(|z| = \sqrt{a^2 + b^2}\) で計算します。\(n\) 乗すると絶対値は \(n\) 乗(\(r^n\))になります。
偏角 へんかく 実軸の正の向きから反時計回りに測った、原点から点 \(z\) への向きの角。1周(\(2\pi\))足しても同じ向きなので、範囲を \(0 \leq \theta < 2\pi\) に決めて答えるのが慣例です。\(n\) 乗すると偏角は \(n\) 倍(\(n\theta\))になります。
累乗 るいじょう 同じ数を繰り返し掛けること。\(z^4\) は \(z\) を4回掛けた値です。べき乗とも呼ばれます。
n乗根 エヌじょうこん \(n\) 乗するとその数になる数。複素数の範囲では、0 以外のどんな複素数にも \(n\) 乗根がちょうど \(n\) 個あります(実数の範囲では 8 の3乗根は 2 の1個だけですが、複素数まで広げると3個になります)。
1のn乗根 いちのエヌじょうこん \(z^n = 1\) となる複素数。単位円の1周を \(n\) 等分した \(n\) 個の点で、\(1\) を頂点の1つとする正 \(n\) 角形を作ります。
ド・モアブルの定理 ド・モアブルのていり \(\left(\cos\theta + i\sin\theta\right)^n = \cos n\theta + i\sin n\theta\) という定理。フランス生まれの数学者ド・モアブル(de Moivre)の名にちなみます。「掛け算=偏角の足し算」を \(n\) 回繰り返した結果です。
単位円 たんいえん 原点を中心とする半径1の円。絶対値1の複素数(\(\cos\theta + i\sin\theta\) の形の数)は、すべてこの円の上にあります。
正多角形 せいたかくけい 辺の長さと角の大きさがすべて等しい多角形(正三角形・正方形・正五角形など)。\(n\) 乗根の \(n\) 個の点は、円の上に等間隔で並ぶので正 \(n\) 角形の頂点になります。
有名角 ゆうめいかく \(30^{\circ}\)・\(45^{\circ}\)・\(60^{\circ}\) とその仲間(これらに \(90^{\circ}\) の倍数を足した角)。三角比の値が \(\dfrac{1}{2}\)・\(\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)・\(\dfrac{\sqrt{3}}{2}\) のような厳密値で書ける角で、教科書・入試の問題のほとんどはこの角で出題されます。
弧度法
(ラジアン)
こどほう(ラジアン) 角の大きさを、半径1の円の弧の長さで測る方法。\(180^{\circ} = \pi\) ラジアン、1周は \(2\pi\) ラジアンです。数学IIの三角関数以降では、度よりもこちらが標準の単位です。

前提として理解しておくといいこと

このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。

平方根と根号の計算(中学3年)
  • \(\sqrt{2}\) が「2乗すると 2 になる正の数」だとわかること
  • \(\left(\sqrt{2}\right)^{2} = 2\) を使って、\(\left(\sqrt{2}\right)^{4} = 4\) のような累乗が計算できること
指数法則(中学〜高校 数学I)
  • \(2^{3} = 2 \times 2 \times 2 = 8\) のような累乗の意味がわかること
  • \(\left(a^{m}\right)^{n} = a^{mn}\) などの指数法則が使えること
複素数(高校 数学II)
  • 虚数単位 \(i\) が \(i^2 = -1\) となる数だとわかること
  • 複素数 \(a + bi\) の足し算・掛け算ができること
三角比とその拡張(高校 数学I・数学II)
  • \(30^{\circ}\)・\(45^{\circ}\)・\(60^{\circ}\) の三角比の値(\(\dfrac{1}{2}\)・\(\dfrac{\sqrt{2}}{2}\)・\(\dfrac{\sqrt{3}}{2}\))が言えること
  • \(90^{\circ}\) を超える角の三角比を、単位円で考えられること(例:\(\cos 135^{\circ} = -\dfrac{\sqrt{2}}{2}\))
弧度法(高校 数学II)
  • \(180^{\circ} = \pi\) ラジアンの関係で、度とラジアンを行き来できること(例:\(60^{\circ} = \dfrac{\pi}{3}\))
  • 1周が \(2\pi\) ラジアンで、\(2\pi\) 足しても同じ向きになることがわかること
複素数平面と極形式(高校 数学C)
  • 複素数 \(a + bi\) を平面の点 \((a,\ b)\) として表せること
  • 複素数を極形式 \(r(\cos\theta + i\sin\theta)\) に直せること(絶対値 \(r\) と偏角 \(\theta\) の求め方)
  • 極形式の掛け算が「絶対値は積・偏角は和」になることを知っていること

Excelで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
式ごとにシートが分かれたExcelファイルです。貼り付け場所を気にせず、開いてすぐ使えます。
下の表を丸ごとコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「複素数のn乗」を求める表
実部 a 1
虚部 b 1
指数 n 4
zのn乗 =IMPOWER(COMPLEX(B1,B2),B3)
絶対値のn乗 r^n =IMABS(COMPLEX(B1,B2))^B3
偏角のn倍 nθ(ラジアン) =B3*IMARGUMENT(COMPLEX(B1,B2))
「複素数のn乗根(k番目)」を求める表
実部 a 8
虚部 b 0
根の次数 n 3
根の番号 k(0〜n−1) 1
根の円の半径 =IMABS(COMPLEX(B1,B2))^(1/B3)
k番目の根の偏角(ラジアン) =(MOD(IMARGUMENT(COMPLEX(B1,B2)),2*PI())+2*PI()*B4)/B3
k番目の根の実部 =B5*COS(B6)
k番目の根の虚部 =B5*SIN(B6)
貼り付けると、上の行が入力欄になり、下の行が自動計算の結果になります。
1つ目の表の COMPLEX(実部, 虚部) は複素数を作る関数、IMPOWER はその累乗を「-4」のような文字列で返す関数です。例の z = 1 + i・n = 4 では、zのn乗はほぼ -4(浮動小数点の誤差でごく小さい虚部が付くことがあります)、r^n = 4、nθ = π ≒ 3.14159 になります。
2つ目の表は k 番目の根を1つ求める表です。IMARGUMENT は偏角(−π より大きく π 以下)を返すので、MOD で 0 以上 2π 未満に直してから k 周分を足して n で割ります。例の z = 8・n = 3・k = 1 では、半径 2・偏角 2π/3 ≒ 2.0944 で、実部 = −1、虚部 ≒ 1.7320508(= √3)になります。k を 0・1・2 と変えると3個の根が全部求められます。
Excel の答えは小数なので、√ や分数の厳密値で答えたいときはこのページの計算機を使ってください。

Googleスプレッドシートで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
上のExcelファイルをダウンロードし、Googleドライブにアップロードして開くと、そのままスプレッドシートとして使えます。
下の表を丸ごとコピーして、GoogleスプレッドシートのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「複素数のn乗」を求める表
実部 a 1
虚部 b 1
指数 n 4
zのn乗 =IMPOWER(COMPLEX(B1,B2),B3)
絶対値のn乗 r^n =IMABS(COMPLEX(B1,B2))^B3
偏角のn倍 nθ(ラジアン) =B3*IMARGUMENT(COMPLEX(B1,B2))
「複素数のn乗根(k番目)」を求める表
実部 a 8
虚部 b 0
根の次数 n 3
根の番号 k(0〜n−1) 1
根の円の半径 =IMABS(COMPLEX(B1,B2))^(1/B3)
k番目の根の偏角(ラジアン) =(MOD(IMARGUMENT(COMPLEX(B1,B2)),2*PI())+2*PI()*B4)/B3
k番目の根の実部 =B5*COS(B6)
k番目の根の虚部 =B5*SIN(B6)
Excelと同じ複素数関数(COMPLEX・IMPOWER・IMABS・IMARGUMENT)がそのまま使えます。表を丸ごとコピーしてA1セルに貼り付け、数値を自分の値に書き換えてください。

Pythonで計算する方法

import cmath
import math

# 複素数のn乗(ド・モアブルの定理と同じ結果になる)
z = complex(1, 1)      # z = 1 + i
n = 4
z_power = z ** n
print(f"zの{n}乗 = {z_power}")

# 極形式の材料(絶対値と偏角)
absolute_value, argument = cmath.polar(z)   # r と θ(−π < θ ≤ π)
if argument < 0:
    argument += 2 * math.pi                 # 0 ≤ θ < 2π の範囲に直す
print(f"絶対値 r = {absolute_value}")
print(f"偏角 θ = {argument} rad")

# 複素数のn乗根(k = 0 〜 n−1 の n 個を列挙)
z = complex(8, 0)      # z = 8
n = 3
radius = abs(z) ** (1 / n)
theta = cmath.phase(z) % (2 * math.pi)
for k in range(n):
    angle = (theta + 2 * math.pi * k) / n
    w = cmath.rect(radius, angle)
    print(f"w_{k} = {w}")
複素数は complex(実部, 虚部) で作れ、** でそのまま累乗できます。前半の z = 1 + i の4乗を実行すると (-4+0j)、絶対値 r = 1.4142135623730951(= √2 の近似値)、偏角 θ = 0.7853981633974483 rad(= π/4 の近似値)が表示されます。後半は z = 8 の3乗根で、実行すると w_0 = (2+0j)、w_1 ≒ (-1+1.7320508…j)、w_2 ≒ (-1-1.7320508…j) の3個が表示されます(1.7320508… は √3 の近似値)。cmath.polar は絶対値と偏角の組(偏角は −π より大きく π 以下)を返すので、負のときは 2π を足して 0 以上 2π 未満に直しています。cmath.rect(半径, 角) は極形式から複素数を作る関数です。値によっては w_0 の虚部が 2.4e-16 のようなごく小さい数になることがありますが、これは小数(浮動小数点数)の丸め誤差で、実際は 0 です。√ や分数の厳密値が欲しいときはこのページの計算機を使ってください。

数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)

ド・モアブルの定理
(cosθ + i sinθ)ⁿ = cos nθ + i sin nθ
(\cos\theta + i\sin\theta)^{n} = \cos n\theta + i\sin n\theta
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <msup>
      <mrow>
        <mo>(</mo>
        <mi>cos</mi><mi>&#x3B8;</mi>
        <mo>+</mo>
        <mi>i</mi><mi>sin</mi><mi>&#x3B8;</mi>
        <mo>)</mo>
      </mrow>
      <mi>n</mi>
    </msup>
    <mo>=</mo>
    <mi>cos</mi><mi>n</mi><mi>&#x3B8;</mi>
    <mo>+</mo>
    <mi>i</mi><mi>sin</mi><mi>n</mi><mi>&#x3B8;</mi>
  </mrow>
</math>
(cos theta + i sin theta)^n = cos(n theta) + i sin(n theta)
(Cos[theta] + I Sin[theta])^n == Cos[n theta] + I Sin[n theta]
(cos(theta) + I*sin(theta))^n = cos(n*theta) + I*sin(n*theta);
zn = (cos(t) + 1i*sin(t))^n;
(cos θ + i sin θ)^n = cos nθ + i sin nθ
複素数の \(n\) 乗
zⁿ = rⁿ(cos nθ + i sin nθ)
z^{n} = r^{n}(\cos n\theta + i\sin n\theta)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <msup><mi>z</mi><mi>n</mi></msup>
    <mo>=</mo>
    <msup><mi>r</mi><mi>n</mi></msup>
    <mo>(</mo>
    <mi>cos</mi><mi>n</mi><mi>&#x3B8;</mi>
    <mo>+</mo>
    <mi>i</mi><mi>sin</mi><mi>n</mi><mi>&#x3B8;</mi>
    <mo>)</mo>
  </mrow>
</math>
z^n = r^n (cos(n theta) + i sin(n theta))
r^n (Cos[n theta] + I Sin[n theta])
zn := r^n*(cos(n*theta) + I*sin(n*theta));
zn = r^n*(cos(n*t) + 1i*sin(n*t));
z^n = r^n (cos nθ + i sin nθ)
複素数の \(n\) 乗根
w_k = ⁿ√r (cos((θ + 2kπ)/n) + i sin((θ + 2kπ)/n)) (k = 0, 1, …, n−1)
w_{k} = \sqrt[n]{r}\left(\cos\dfrac{\theta + 2k\pi}{n} + i\sin\dfrac{\theta + 2k\pi}{n}\right) \quad (k = 0, 1, \ldots, n-1)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <msub><mi>w</mi><mi>k</mi></msub>
    <mo>=</mo>
    <mroot><mi>r</mi><mi>n</mi></mroot>
    <mo>(</mo>
    <mi>cos</mi>
    <mfrac>
      <mrow><mi>&#x3B8;</mi><mo>+</mo><mn>2</mn><mi>k</mi><mi>&#x3C0;</mi></mrow>
      <mi>n</mi>
    </mfrac>
    <mo>+</mo>
    <mi>i</mi><mi>sin</mi>
    <mfrac>
      <mrow><mi>&#x3B8;</mi><mo>+</mo><mn>2</mn><mi>k</mi><mi>&#x3C0;</mi></mrow>
      <mi>n</mi>
    </mfrac>
    <mo>)</mo>
  </mrow>
</math>
w_k = root(n)(r) (cos((theta + 2k pi)/n) + i sin((theta + 2k pi)/n))
Table[r^(1/n) (Cos[(theta + 2 k Pi)/n] + I Sin[(theta + 2 k Pi)/n]), {k, 0, n - 1}]
wk := r^(1/n)*(cos((theta + 2*k*Pi)/n) + I*sin((theta + 2*k*Pi)/n));
wk = r^(1/n)*(cos((t + 2*k*pi)/n) + 1i*sin((t + 2*k*pi)/n));
w_k = r^(1/n) (cos((θ + 2kπ)/n) + i sin((θ + 2kπ)/n))
1 の \(n\) 乗根
z_k = cos(2kπ/n) + i sin(2kπ/n) (k = 0, 1, …, n−1)
z_{k} = \cos\dfrac{2k\pi}{n} + i\sin\dfrac{2k\pi}{n} \quad (k = 0, 1, \ldots, n-1)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <msub><mi>z</mi><mi>k</mi></msub>
    <mo>=</mo>
    <mi>cos</mi>
    <mfrac>
      <mrow><mn>2</mn><mi>k</mi><mi>&#x3C0;</mi></mrow>
      <mi>n</mi>
    </mfrac>
    <mo>+</mo>
    <mi>i</mi><mi>sin</mi>
    <mfrac>
      <mrow><mn>2</mn><mi>k</mi><mi>&#x3C0;</mi></mrow>
      <mi>n</mi>
    </mfrac>
  </mrow>
</math>
z_k = cos((2k pi)/n) + i sin((2k pi)/n)
Table[Cos[2 k Pi/n] + I Sin[2 k Pi/n], {k, 0, n - 1}]
zk := cos(2*k*Pi/n) + I*sin(2*k*Pi/n);
zk = cos(2*k*pi/n) + 1i*sin(2*k*pi/n);
z_k = cos(2kπ/n) + i sin(2kπ/n)

ChatGPT に聞いて計算してもらう方法

あなたは数学(複素数平面・ド・モアブルの定理)の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。

1. 複素数 z = 1 + i の4乗 z^4 を求めてください。絶対値 r と偏角 θ、絶対値のn乗 r^4 と偏角のn倍 4θ も示してください。
2. 複素数 z = 8 の3乗根(3乗すると 8 になる複素数)を、k = 0, 1, 2 の3個すべて求めてください。可能なら √ を使った厳密値でも示してください。

Pythonでは complex 型・cmath.polar・cmath.rect を使い、計算に使った式と実行結果の数値を示してください。

計算ドリル(演習問題)

このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
特に指定がない限り、偏角は \(0 \leq \theta < 2\pi\) の範囲で考えます。
答えと解説は解答ページにあります。


使い方
  1. 1
    数値を入力
    計算したい数値を入力欄に入力します
  2. 2
    計算
    「計算する」ボタンを押します
  3. 3
    結果を確認
    計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
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