溶質の質量 m・分子量(モル質量)M・溶液の体積 V・モル濃度 c の4つのうち、わかっている3つを入力してください。空欄にした残り1つを計算します。単位はそれぞれの欄で選べます(違う単位同士でも自動で換算します)。
目次
このページでできること
- 溶質の質量 \(m\)・分子量(モル質量)\(M\)・溶液の体積 \(V\)・モル濃度 \(c\) の4つのうち3つを入れるだけで、空欄にした残り1つを逆算できます
- 単位はそれぞれの欄で選べます(質量:g・mg・kg、体積:L・mL・m³・cm³、モル濃度:mol/L・mmol/L・μmol/L・mol/m³)。単位がばらばらでも自動で換算して計算します
- 結果には、溶質の物質量(mol)と質量濃度(g/L)も常に併記します
- 「0.5 mol/L の食塩水を2L作るには食塩が何g必要?」のような、理科の実験・レポートの計算にそのまま使えます
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
「0.1 mol/L の食塩水を500mL作りなさい」——学校や大学の実験で最初に出会う計算です。必要な質量は 質量 = モル濃度 × モル質量 × 体積 で、\(0.1 \times 58.44 \times 0.5 \fallingdotseq 2.92\)(g)。これを量って水に溶かし、メスフラスコで500mLちょうどに合わせます。
試薬の調製はどの化学実験にも必ず出てくる作業で、この式はその土台です。
点滴に使われる生理食塩水は、食塩9gを水に溶かして全体を1Lにした溶液(9 g/L)で、モル濃度に直すと \(9 \div 58.44 \fallingdotseq 0.154\)(mol/L)です。この濃度が体液の浸透圧とほぼ等しくなるように設計されています。
医療現場の輸液・薬剤の濃度管理はこうした濃度計算の積み重ねの上に成り立っています(実際の投与設計は医師・薬剤師が行います)。
あるジュースにブドウ糖(モル質量180.16 g/mol)が1Lあたり45g溶けているとすると、モル濃度は \(45 \div 180.16 \fallingdotseq 0.25\)(mol/L)です。
g数(質量濃度)で比べると重い分子ほど多く見えますが、モル濃度なら「分子が何個溶けているか」で比べられます。甘味や浸透圧は分子の個数が効いてくるので、食品の設計ではこの見方が役立ちます。
水質検査の結果は「カルシウム 20 mg/L」のようにmg/L(質量濃度)で公表されることが多く、化学的な議論ではこれをモル濃度に直します。カルシウム(モル質量40.08 g/mol)20 mg/Lなら \(0.02 \div 40.08 \fallingdotseq 0.0005\)(mol/L)=約0.5 mmol/Lです。
環境基準の評価や硬度の計算など、水質の仕事はこの換算の上に成り立っています。
トマトやいちごの養液栽培(水耕栽培)では、肥料の濃度を管理しながら育てます。例えば硝酸カリウム(KNO₃。式量101.1)を1Lあたり10.11g溶かすと、ちょうど \(10.11 \div 101.1 = 0.1\)(mol/L)です。
養分はイオンの個数が効くため、栽培の研究や培養液のレシピではモル濃度(mmol/L)で管理するのが一般的です。
式
用語・記号の解説
記号
| \(c\) | シー | モル濃度。溶液1Lあたりの溶質の物質量〔mol〕を表します。英語の concentration(濃度)の頭文字です。(例:0.5 mol/L の食塩水なら \(c = 0.5\) mol/L) |
| \(n\) | エヌ | 物質量。粒(分子・イオンなど)の個数を、アボガドロ数(約6.02×10²³個)を1molとして数えた量です。単位はmol(モル)です。 |
| \(m\) | エム(小文字) | 溶質の質量。はかりで量れる「溶かすものの量」です。英語の mass(質量)の頭文字です。単位はgなどです。 |
| \(M\) | エム(大文字) | モル質量。その物質1molあたりの質量〔g/mol〕で、数値は分子量(式量)と同じです。(例:水は18.02 g/mol)。小文字の \(m\)(質量)との見分けに注意してください。 |
| \(V\) | ブイ | 溶液の体積。溶かした後の液全体の体積です。英語の volume(体積)の頭文字です。単位はL・mLなどです。 |
| mol/L | モル毎リットル モル パー リットル | モル濃度の単位。「溶液1Lあたり何mol溶けているか」を表します。記号Mで「1 M」「0.5 M」のように書くことも多く、これは「モーラー」と読みます。このMはモル質量の記号 \(M\) とは別の意味なので注意してください。 |
| g/mol | グラム毎モル グラム パー モル | モル質量の単位。「1molあたり何gか」を表します。 |
| g/L | グラム毎リットル グラム パー リットル | 質量濃度の単位。「溶液1Lあたり何g溶けているか」を表します。この計算機が参考値として併記する単位です。 |
用語
| モル (mol) |
モル | 物質量の単位。鉛筆12本を「1ダース」と数えるように、粒(分子・イオンなど)約6.02×10²³個をひとまとめにして「1mol」と数えます。原子や分子は1個1個が小さすぎるので、この大きなまとまりで数えると、はかりで量れるgの世界とつながります。 |
| 物質量 | ぶっしつりょう | mol単位で数えた「粒の個数ベースの量」。質量(g)とは別の量です。化学反応は粒同士の組み合わせで起こるので、反応の計算は質量ではなく物質量で行うのが基本です。 |
| アボガドロ数 (アボガドロ定数) |
アボガドロすう(アボガドロていすう) | 1molに含まれる粒の個数。約6.02×10²³個です。厳密には「アボガドロ定数 6.02214076×10²³ /mol」として定義されています。 |
| 分子量 | ぶんしりょう | 分子1個の質量が、炭素原子(¹²C)1個の質量の12分の1の何倍かを表す数(単位なし)。分子を作る原子の原子量の合計で、例えば水(H₂O)は 1.008×2+16.00 ≒ 18.02 です。食塩(NaCl)のように分子を作らない物質では、同じ計算をした値を式量と呼びます。 |
| 式量 | しきりょう | 食塩(NaCl)のようなイオンからできている物質などで、化学式に含まれる原子量の合計のこと。分子量と同じように使えます(NaClは 22.99+35.45 ≒ 58.44)。このページの入力欄「分子量」には式量も入力できます。 |
| モル質量 | モルしつりょう | その物質1molあたりの質量〔g/mol〕。数値は分子量(式量)と同じで、単位g/molを付けた量です。「水の分子量18.02 → 水のモル質量18.02 g/mol → 水1molは18.02g」とつながります。 |
| モル濃度 | モルのうど | 溶液1Lあたりの溶質の物質量〔mol/L〕で表した濃度。高校化学の標準の濃度で、化学反応の量の計算に直結するのが長所です。 |
| 質量濃度 | しつりょうのうど | 溶液1Lあたりの溶質の質量〔g/L〕で表した濃度。モル濃度にモル質量を掛けた値です。食品表示や水質基準では、この仲間のmg/L(≒ppm)がよく使われます。 |
| 溶質 | ようしつ | 「溶けているもの」のこと。食塩水なら食塩です。溶媒(水)に溶かして溶液(食塩水)になります。 |
| 溶媒 | ようばい | 「溶かしている液体」のこと。食塩水なら水です。溶質(食塩)を溶かして溶液(食塩水)になります。 |
| 溶液 | ようえき | 「溶質+溶媒の全体」のこと。食塩水なら食塩水そのものです。モル濃度の体積は「溶液」の体積を使います。 |
| 質量パーセント濃度 | しつりょうパーセントのうど | 溶液の質量に対する溶質の質量の割合(%)で表した濃度。中学理科で習う濃度です。モル濃度との換算には溶液の密度の情報が必要なので、この計算機では扱いません。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 単位量あたりの大きさ(小学5年) |
|
| 小数の掛け算・割り算(小学5年) |
|
| 水溶液の性質・濃度(中学1年 理科) |
|
| 原子・分子と化学式(中学2年 理科) |
|
| 物質量とモル(高校 化学基礎) |
|
Excelで計算する方法
| 溶質の物質量 n(mol) | 0.5 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| モル濃度 c(mol/L) | =B1/B2 |
| 溶質の質量 m(g) | 90 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 18 |
| 物質量 n(mol) | =B1/B2 |
| 溶質の質量 m(g) | 100 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 58.44 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| モル濃度 c(mol/L) | =B1/(B2*B3) |
| モル濃度 c(mol/L) | 0.5 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 58.44 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| 溶質の質量 m(g) | =B1*B2*B3 |
| 溶質の質量 m(g) | 100 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 58.44 |
| モル濃度 c(mol/L) | 0.5 |
| 溶液の体積 V(L) | =B1/(B2*B3) |
| 溶質の質量 m(g) | 100 |
| モル濃度 c(mol/L) | 0.5 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | =B1/(B2*B3) |
「=B1/(B2*B3)」は「B1を、B2とB3の積で割る」という意味です(「*」が掛け算、「/」が割り算)。
例えば1つ目の表ならB3に0.25(mol/L)、2つ目の表ならB3に5(mol)、3つ目の表ならB4に約0.856(mol/L)、4つ目の表ならB4に58.44(g)、5つ目の表ならB4に約3.42(L)、6つ目の表ならB4に100(g/mol)と表示されます。入力欄を自分の数値に書き換えるだけで使えます。単位はg・g/mol・Lで揃えて入力してください(mgやmLで量った値は、1 g = 1000 mg、1 L = 1000 mL でgとLに直してから入れます)。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 溶質の物質量 n(mol) | 0.5 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| モル濃度 c(mol/L) | =B1/B2 |
| 溶質の質量 m(g) | 90 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 18 |
| 物質量 n(mol) | =B1/B2 |
| 溶質の質量 m(g) | 100 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 58.44 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| モル濃度 c(mol/L) | =B1/(B2*B3) |
| モル濃度 c(mol/L) | 0.5 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 58.44 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| 溶質の質量 m(g) | =B1*B2*B3 |
| 溶質の質量 m(g) | 100 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | 58.44 |
| モル濃度 c(mol/L) | 0.5 |
| 溶液の体積 V(L) | =B1/(B2*B3) |
| 溶質の質量 m(g) | 100 |
| モル濃度 c(mol/L) | 0.5 |
| 溶液の体積 V(L) | 2 |
| 分子量(モル質量)M(g/mol) | =B1/(B2*B3) |
Pythonで計算する方法
mass = 100.0 # 溶質の質量 m(g)
molar_mass = 58.44 # 分子量(モル質量)M(g/mol)。食塩NaClの値
volume = 2.0 # 溶液の体積 V(L)
moles = mass / molar_mass # 物質量 n = m ÷ M(mol)
molarity = moles / volume # モル濃度 c = n ÷ V(mol/L)
mass_concentration = mass / volume # 質量濃度 = m ÷ V(g/L)
print(f"物質量: {moles} mol")
print(f"モル濃度: {molarity} mol/L")
print(f"質量濃度: {mass_concentration} g/L")
# 逆算の検算:質量 m = c × M × V、体積 V = m ÷ (M × c)
mass_check = molarity * molar_mass * volume
volume_check = mass / (molar_mass * molarity)
print(f"検算(質量): {mass_check} g")
print(f"検算(体積): {volume_check} L")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
c = n ÷ V
c = \dfrac{n}{V}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>c</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac><mi>n</mi><mi>V</mi></mfrac>
</mrow>
</math>
c = n/V
n/V
c := n/V;
c = n/V;
c = n/V
n = m ÷ M
n = \dfrac{m}{M}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>n</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac><mi>m</mi><mi>M</mi></mfrac>
</mrow>
</math>
n = m/M
m/M
n := m/M;
n = m/M;
n = m/M
c = m ÷ (M × V)
c = \dfrac{m}{M V}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>c</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>m</mi>
<mrow><mi>M</mi><mo>⁢</mo><mi>V</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
c = m/(M V)
m/(M*V)
c := m/(M*V);
c = m/(M*V);
c = m/(M V)
m = c × M × V
m = c M V
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>m</mi>
<mo>=</mo>
<mi>c</mi>
<mo>⁢</mo>
<mi>M</mi>
<mo>⁢</mo>
<mi>V</mi>
</mrow>
</math>
m = c M V
c*M*V
m := c*M*V;
m = c*M*V;
m = cMV
V = m ÷ (M × c)
V = \dfrac{m}{M c}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>V</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>m</mi>
<mrow><mi>M</mi><mo>⁢</mo><mi>c</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
V = m/(M c)
m/(M*c)
V := m/(M*c);
V = m/(M*c);
V = m/(Mc)
M = m ÷ (c × V)
M = \dfrac{m}{c V}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>M</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>m</mi>
<mrow><mi>c</mi><mo>⁢</mo><mi>V</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
M = m/(c V)
m/(c*V)
M := m/(c*V);
M = m/(c*V);
M = m/(cV)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたはモル濃度計算のアシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 食塩(NaCl。モル質量58.44 g/mol)100gを水に溶かして、全体をちょうど2Lにしました。 モル濃度の式 c = m ÷ (M × V) を使って、次の値をそれぞれ求めてください。 1. この食塩水のモル濃度(mol/L) 2. 溶けている食塩の物質量(mol) 3. 同じ食塩で 0.5 mol/L の食塩水を2L作るのに必要な食塩の質量(g) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
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