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排水勾配と高低差
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フェンスの本数
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収納・棚の容量
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板取り計算
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棚板のたわみと耐荷重
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二次不等式 計算機(解の範囲・判別式の場合分けとグラフ付き)

二次不等式の左辺 ax² + bx + c の係数 a・b・c と、0 と比べる不等号を入力してください。下の数式は入力欄と連動していて、係数の部分を直接書き換えても計算できます。

数値は半角で入力してください。小数・負の数・3/4 のような分数が使えます。a の空欄は 1(x² は 1x² の意味)、b・c の空欄は 0 として扱います。a に 0 を入れたときは一次不等式として解きます。
計算結果・グラフ
左の入力欄に係数 a・b・c と不等号を入れて「計算する」を押すと、ここに解の範囲・途中式・グラフが表示されます。

このページでできること

  • 二次不等式 \(ax^{2}+bx+c>0\) の解の範囲を、係数と不等号を選ぶだけで求められます。不等号は \(>\)・\(\geqq\)・\(<\)・\(\leqq\) の4種類に対応しています
  • 判別式 \(D=b^{2}-4ac\) の符号による場合分けを、教科書と同じ手順の途中式で1行ずつ表示します。「2つの解の外側」「2つの解の間」だけでなく、\(x \neq \alpha\)・解なし・すべての実数といった引っかかりやすい形も正しく判定します
  • \(x^{2}\) の係数が負のときは、両辺に \(-1\) を掛けて不等号の向きを変える途中式も自動で表示します
  • 解の境界の値は \(\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\) のように根号を簡約した厳密値で表示し、無理数のときは小数も併記します。係数には小数・負の数のほか 3/4 のような分数も入力できます
  • 放物線と解の範囲を色分けしたグラフを描くので、「\(y>0\) の解=グラフが \(x\) 軸より上にある \(x\) の範囲」という関係が目で確かめられます
  • 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
右辺は 0 に固定しています。\(x^{2}+2x > 3x+1\) のように右辺に式があるときは、移項して右辺を 0 にしてから(この例なら \(x^{2}-x-1>0\) として)入力してください。\(x^{2}\) の係数 \(a\) に 0 を入れたときは二次不等式にならないので、一次不等式 \(bx+c>0\) として解きます(\(b\) も 0 なら定数だけの不等式になり、答えは「すべての実数」か「解なし」になります)。

この計算は何の役に立つ?

投げ上げたボールが一定の高さより上にある時間帯(スポーツ・物理)

真上に投げ上げた物の高さは、経過時間 \(t\) 秒に対して \(h = v_{0}t - 4.9t^{2}\)(\(v_{0}\) は投げ上げた瞬間の速さ)という二次関数になります。「高さが何m以上ある時間帯はいつからいつまでか」を求めると、そのまま二次不等式になります。
初速 秒速20mで投げ上げたボールが高さ15m以上にある時間は \(20t - 4.9t^{2} \geqq 15\)、つまり \(4.9t^{2} - 20t + 15 \leqq 0\) を解いて、およそ0.99秒後から3.09秒後までの約2.1秒間です。空気抵抗は無視した計算ですが、打ち上げ花火が見えている時間や、野球のフライの滞空時間を見積もるときの目安になります。

安全に止まれる速度の上限を求める(交通安全・自動車)

車の停止距離は「危険に気づいてブレーキが効き始めるまでに進む距離(空走距離)」と「ブレーキが効いてから止まるまでの距離(制動距離)」の合計です。空走距離は速さに比例しますが、制動距離は速さの2乗に比例するため、停止距離は速さの二次関数になります。
反応時間1秒、路面とタイヤの摩擦係数0.7とすると、停止距離は \(v + \dfrac{v^{2}}{13.72}\)(\(v\) は秒速)です。「見通しの利く40m以内で止まりたい」なら \(v + \dfrac{v^{2}}{13.72} \leqq 40\) を解いて、秒速17.5m=時速およそ63kmまでとなります。速度規制や車間距離の目安は、こうした二次の関係をもとに決められています。

黒字になる価格の範囲を求める(商売・損益分岐)

値段を上げれば1個あたりの利益は増えますが、売れる個数は減ります。売れる個数が価格の一次式で表せるとき、利益(=1個あたりの利益 × 個数 − 固定費)は価格の二次関数になり、「利益が0以上になる価格帯」は二次不等式で求められます。
原価300円の商品で、価格を \(p\) 円にすると \(1000-2p\) 個売れ、固定費が1万円かかるとします。\((p-300)(1000-2p) - 10000 \geqq 0\) を解くと、およそ330円から470円の間なら黒字です。安すぎても高すぎても赤字になる、という感覚が数字で確かめられます。

決まった長さの材料で必要な面積を確保する(設計・DIY・農業)

周囲の長さが決まっている長方形では、縦を決めると横も決まるため、面積は縦の長さの二次関数になります。「必要な面積を確保できる寸法はどこからどこまでか」は二次不等式そのものです。
全長40mのフェンスで長方形の花壇を囲み、面積を91m²以上にしたいとします。縦を \(x\) mとすると横は \(20-x\) mなので \(x(20-x) \geqq 91\) となり、解くと縦は7m以上13m以下です。正方形に近いほど面積が大きくなる(この例では縦10mで100m²が最大)ことも同時に読み取れます。

トンネルやアーチの「高さが確保できる幅」を求める(建築・土木・輸送)

放物線の形をしたアーチ橋やトンネルの断面は二次関数で表せます。「背の高い車が通れるのは中央から左右何mまでか」を求めるのは、二次不等式を解くことにほかなりません。
中央の高さ4.5m、幅30mのアーチ断面が \(y = -0.02x^{2} + 4.5\)(\(x\) は中央からの距離)で表せるとき、高さ4m以上ある部分は \(-0.02x^{2} + 4.5 \geqq 4\) を解いて中央から左右5mずつ、幅10m分です。大型車の通行帯を中央寄りに指定したり、通行できる車高を掲示したりする判断は、こうした計算にもとづいています。

式とグラフ

\(x^{2}\) の係数が正で解が2つのとき(\(>0\) は「2つの解の外側」)
グラフ
数学表記 (一般的な数式)
\(x\) \(<\) \(\alpha\) \(,\ \ \) \(\beta\) \(<\) \(x\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 解となる \(x\) \(<\) ① 小さい方の解 \(\alpha\) \(,\ \ \) ② 大きい方の解 \(\beta\) \(<\) 解となる \(x\)
式を日本語で読むと
① 二次方程式 \(ax^{2}+bx+c=0\) の2つの解を \(\alpha < \beta\) とすると、 小さい方の解 \(\alpha\) より小さい部分と、
② 大きい方の解 \(\beta\) より大きい部分、つまり2つの解の外側が
③ 解となる \(x\) になる(下に凸の放物線が \(x\) 軸より上に出るのは、2つの交点の外側だから)
簡単な例
\(x^{2}-3x+2>0\) の解は(\(x^{2}-3x+2=(x-1)(x-2)\) なので、\(=0\) の解は \(x=1,\ 2\))
解となる \(x\) \(<\) 小さい方の解(1) \(,\ \ \) 大きい方の解(2) \(<\) 解となる \(x\)
\((x-1)(x-2) > 0\)
\(x < 1,\ \ 2 < x\)
考え方のポイント
二次不等式は「計算」ではなく「グラフのどこが \(x\) 軸より上(下)にあるかを読み取る問題」だと考えると、覚えることが一気に減ります。 \(x^{2}\) の係数が正の放物線は下に凸(谷の形)なので、\(x\) 軸と2点で交わるとき、谷の底を含む真ん中の部分だけが \(x\) 軸より下に沈み、その外側は \(x\) 軸より上に出ます。だから \(>0\) の解は外側、\(<0\) の解は内側になります。 「外側」は2つの範囲に分かれるので、\(x<1,\ 2<x\) のようにコンマで区切って2つ並べて書きます。これを \(2<x<1\) のように1本の式にまとめて書くのは、\(x\) が 2 より大きく同時に 1 より小さいという意味になってしまうため間違いです。 \(\geqq 0\) のように等号が付くときは、境界の値そのものも解に含めて \(x \leqq 1,\ 2 \leqq x\) と書きます。
\(x^{2}\) の係数が正で解が2つのとき(\(<0\) は「2つの解の間」)
グラフ
数学表記 (一般的な数式)
\(\alpha\) \(<\) \(x\) \(<\) \(\beta\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
① 小さい方の解 \(\alpha\) \(<\) ③ 解となる \(x\) \(<\) ② 大きい方の解 \(\beta\)
式を日本語で読むと
① 小さい方の解 \(\alpha\) より大きく、
② 大きい方の解 \(\beta\) より小さい部分、つまり2つの解の間が
③ 解となる \(x\) になる(下に凸の放物線が \(x\) 軸より下に沈むのは、2つの交点の間だから)
簡単な例
\(x^{2}-3x+2<0\) の解は(\(=0\) の解は先ほどと同じ \(x=1,\ 2\))
小さい方の解(1) \(<\) 解となる \(x\) \(<\) 大きい方の解(2)
\((x-1)(x-2) < 0\)
\(1 < x < 2\)
考え方のポイント
同じ \(x^{2}-3x+2\) でも、不等号の向きが変わるだけで解は「外側」から「間」へそっくり入れ替わります。左辺が同じなら境界の値(\(=0\) の解)はいつも同じで、変わるのは「その境界のどちら側を取るか」だけです。 \(1<x<2\) は、\(1<x\) と \(x<2\) の2つの条件を同時に満たす \(x\)、つまり「1 より大きく、かつ 2 より小さい」という意味です。このように複数の不等式を同時に満たす \(x\) を求めるものを連立不等式といい、\(A<B<C\) の形はそれを1本の式にまとめた書き方です。 \(\leqq 0\) のように等号が付くときは \(1 \leqq x \leqq 2\) となり、両端の 1 と 2 も解に含まれます。
判別式(解の形を決める値)
グラフ
数学表記 (一般的な数式)
\(D\) \(=\) \(b^{2}\) \(-\) \(4ac\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 判別式 \(D\) \(=\) ① \(x\) の係数 \(b\) の2乗 \(-\) ② 4 と \(x^{2}\) の係数 \(a\) と定数項 \(c\) を掛け合わせたもの
式を日本語で読むと
① \(x\) の係数 \(b\) の2乗 から
② 4 と \(x^{2}\) の係数 \(a\) と定数項 \(c\) を掛け合わせたもの を引くと
③ 判別式 \(D\) になる。この符号だけで、放物線と \(x\) 軸の交わり方(=解の形)が決まる
簡単な例
\(x^{2}-3x+2\) の判別式は
判別式 \(D\) \(=\) \(-3\) の2乗 \(-\) 4 と 1 と 2 を掛けたもの
\(D = (-3)^{2} - 4 \times 1 \times 2 = 9 - 8 = 1 > 0\)
考え方のポイント
判別式は、放物線が \(x\) 軸と何回交わるかを教えてくれる値です。\(D>0\) なら2点で交わり、\(D=0\) なら1点で接し、\(D<0\) なら交わりません。因数分解できない二次式でも、この値を見るだけで解の形が決まります。 \(x^{2}\) の係数が正(下に凸)のとき、4つの不等号の解は次のようになります。 \(D>0\)(2点で交わる)… \(>0\) と \(\geqq 0\) は2つの解の外側、\(<0\) と \(\leqq 0\) は2つの解の間。 \(D=0\)(1点で接する)… 接点の \(x\) 座標を \(\alpha\) として、\(>0\) は \(x \neq \alpha\)(接点だけが除かれる)、\(\geqq 0\) はすべての実数、\(<0\) は解なし、\(\leqq 0\) は \(x=\alpha\) の1点だけ。 \(D<0\)(交わらない)… 放物線全体が \(x\) 軸より上にあるので、\(>0\) と \(\geqq 0\) はすべての実数、\(<0\) と \(\leqq 0\) は解なし。 \(D=0\) と \(D<0\) の場合は答えが「範囲」にならないため、試験でも取りこぼしが多いところです。グラフを描いて「放物線が \(x\) 軸より下に沈む部分があるか」を確かめると迷いません。
\(x^{2}\) の係数が負のとき(両辺に \(-1\) を掛けて正に直す)
グラフ
数学表記 (一般的な数式)
\(ax^{2}+bx+c\) \(< 0\)
\(\Longleftrightarrow\) \(-ax^{2}-bx-c\) \(> 0\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
① \(x^{2}\) の係数 \(a\) が負の二次式 \(< 0\)
\(\Longleftrightarrow\) ② 各項の符号を変えた二次式(\(x^{2}\) の係数は正) \(> 0\)
式を日本語で読むと
① \(x^{2}\) の係数 \(a\) が負の二次式 が 0 より小さい、という不等式は
② 各項の符号を変えた二次式(\(x^{2}\) の係数は正) が 0 より大きい、と言い換えられる(両辺に負の数 \(-1\) を掛けたので、不等号の向きも逆になる)
簡単な例
\(-x^{2}+4x-3 \geqq 0\) は、両辺に \(-1\) を掛けて
\(-x^{2}+4x-3\)(\(x^{2}\) の係数は \(-1\)) \(\geqq 0\)
\(\Longleftrightarrow\) \(x^{2}-4x+3\)(\(x^{2}\) の係数は \(1\)) \(\leqq 0\)
\(-x^{2}+4x-3 \geqq 0 \Longleftrightarrow x^{2}-4x+3 \leqq 0\)
\((x-1)(x-3) \leqq 0\)
\(1 \leqq x \leqq 3\)
考え方のポイント
\(x^{2}\) の係数が負のままだと放物線が上に凸(山の形)になり、「外側」と「間」が入れ替わって混乱のもとになります。先に両辺へ \(-1\) を掛けて下に凸の形に直してしまえば、覚える型は1つで済みます。 不等式では、両辺に負の数を掛けたり、負の数で割ったりすると不等号の向きが変わります。例えば \(2<3\) の両辺に \(-1\) を掛けると \(-2>-3\) です。数直線の上で、正負を入れ替えると左右がひっくり返るからです。等式ではこの向きの問題が起きないので、不等式だけの注意点です。 なお、両辺に \(-1\) を掛けても判別式 \(D\) の値は変わりません(\((-b)^{2}-4(-a)(-c)=b^{2}-4ac\))。例の \(-x^{2}+4x-3\) と \(x^{2}-4x+3\) は、どちらも \(D=4\) です。
二次不等式は、まず \(x^{2}\) の係数を正に直し(負なら両辺に \(-1\) を掛けて不等号の向きを変える)、判別式 \(D=b^{2}-4ac\) の符号で場合分けするのが基本です。\(D>0\) なら \(>0\) が2つの解の外側・\(<0\) が2つの解の間、\(D=0\) や \(D<0\) では解が「すべての実数」「解なし」「1点だけ」になることもあります。下に凸の放物線を思い浮かべて、\(x\) 軸より上にある部分を読み取れば、どの場合も同じ考え方で解けます。

用語・記号の解説

記号

\(a,\ b,\ c\) エー・ビー・シー 二次不等式 \(ax^{2}+bx+c>0\) の係数。\(a\) が \(x^{2}\) の係数、\(b\) が \(x\) の係数、\(c\) が定数項です。「あらかじめ決まっている数」を表すときはアルファベットの最初の方の文字 \(a,\ b,\ c\) を使う慣例があります。
\(x\) エックス 求めたい未知の数。二次不等式では「不等式を成り立たせる \(x\) はどこからどこまでか」を答えるので、答えは1つの数ではなく範囲になります。「まだ分からない数」にはアルファベットの終わりの方の文字 \(x,\ y,\ z\) を使う慣例があります。
\(D\) ディー 判別式 \(b^{2}-4ac\) のこと。\(D\) は discriminant(判別するもの)の頭文字です。この値の符号だけで、放物線と \(x\) 軸の交わり方(=解の形)が決まります。
\(\alpha,\ \beta\) アルファ・ベータ 二次方程式 \(ax^{2}+bx+c=0\) の2つの解につける名前。ギリシャ文字の1番目と2番目の文字で、慣例として \(\alpha < \beta\)(\(\alpha\) が小さい方)とします。二次不等式では、この2つが解の範囲の境目になります。
\(>,\ <\) だいなり・しょうなり 大小を表す不等号。\(A>B\) は「\(A\) は \(B\) より大きい」、\(A<B\) は「\(A\) は \(B\) より小さい」という意味で、いつも開いた側が大きい数を向きます。等号を含まないので、境界の値そのものは解に入りません。
\(\geqq,\ \leqq\) だいなりイコール・しょうなりイコール 等号付きの不等号。\(A \geqq B\) は「\(A\) は \(B\) 以上(大きいか等しい)」、\(A \leqq B\) は「\(A\) は \(B\) 以下(小さいか等しい)」という意味です。境界の値そのものも解に含まれます。日本の教科書では横線2本の \(\geqq\)・\(\leqq\) を使いますが、海外の本では横線1本の \(\geq\)・\(\leq\) を使い、意味は同じです。
\(\neq\) ノットイコール 「等しくない」ことを表す記号。\(x \neq 3\) は「\(x\) は 3 以外のどんな値でもよい」という意味です。二次不等式では、放物線が \(x\) 軸に接する場合(\(D=0\))に、この形の答えが出てきます。
\(\sqrt{\phantom{x}}\) ルート 2乗するとその数になる正の数(平方根)を表す記号。\(\sqrt{5}\) は「2乗すると 5 になる正の数」で、およそ 2.236 です。「根」を意味するラテン語 radix の頭文字 r を崩した形に由来するといわれます。境界の値が割り切れないときに登場します。
\(\Longleftrightarrow\) どうち(同値) 左と右が同じ意味であることを表す記号。\(P \Longleftrightarrow Q\) は「\(P\) が成り立つときは \(Q\) も成り立ち、その逆も成り立つ」という意味です。不等式を変形するときは、この関係が崩れないように(解が変わらないように)気をつけます。
\(y\) ワイ 二次関数 \(y=ax^{2}+bx+c\) の値。放物線の「高さ」にあたります。二次不等式 \(ax^{2}+bx+c>0\) を解くことは、この高さが 0 より大きくなる(=グラフが \(x\) 軸より上にある)\(x\) の範囲を探すことと同じです。

用語

二次不等式 にじふとうしき \(ax^{2}+bx+c>0\) のように、\(x\) の2次の項を含む不等式。答えは1つの数ではなく「\(x\) の範囲」になります。高校では数学Iで学びます。
不等式 ふとうしき \(>\)・\(<\)・\(\geqq\)・\(\leqq\) で2つの量の大小を表した式。両辺に同じ数を足し引きしても向きは変わりませんが、負の数を掛けたり負の数で割ったりすると向きが逆になります。
二次関数 にじかんすう \(y=ax^{2}+bx+c\)(\(a \neq 0\))の形の関数。グラフは放物線になります。二次不等式は、この関数のグラフが \(x\) 軸より上にあるか下にあるかを読み取る問題だと言い換えられます。
放物線 ほうぶつせん 二次関数のグラフが描く、左右対称のなめらかな曲線。物を斜めに投げたときの軌跡がこの形になることから「放物」線と呼ばれます。
下に凸 したにとつ 放物線が谷の形(両端が上を向いた形)になっていること。\(x^{2}\) の係数が正のときがこの形です。逆に係数が負だと山の形になり、これを「上に凸」といいます。
判別式 はんべつしき \(D=b^{2}-4ac\) のこと。二次方程式が実数解を何個もつか(=放物線が \(x\) 軸と何回交わるか)を判別する値で、\(D>0\) なら2個、\(D=0\) なら1個(重解)、\(D<0\) なら0個です。
実数解 じっすうかい 方程式の解のうち、数直線の上に置ける普通の数(実数)であるもの。\(D<0\) のときの解は実数の範囲には存在せず、放物線も \(x\) 軸と交わりません。
重解 じゅうかい \(D=0\) のときの解。\((x-3)^{2}=0\) のように同じ解が2つ重なった状態で、グラフでは放物線が \(x\) 軸に1点で接します。
解の公式 かいのこうしき \(x=\dfrac{-b \pm \sqrt{b^{2}-4ac}}{2a}\) のこと。因数分解できない二次方程式でも解が求められる公式で、二次不等式では境界の値を出すのに使います。
因数分解 いんすうぶんかい \(x^{2}-3x+2=(x-1)(x-2)\) のように、式を掛け算の形に直すこと。二次不等式では、これができれば境界の値がひと目で分かります。
境界の値 きょうかいのあたい 解の範囲の境目になる値。二次不等式では \(ax^{2}+bx+c=0\) の解、つまり放物線と \(x\) 軸の交点の \(x\) 座標がこれにあたります。等号付きの不等号なら解に含み、等号なしなら含みません。
解の範囲 かいのはんい 不等式を成り立たせる \(x\) の集まり。\(1<x<2\) のように1つの範囲になることも、\(x<1,\ 2<x\) のように2つに分かれることもあります。
連立不等式 れんりつふとうしき 複数の不等式を同時に満たす \(x\) を求めるもの。\(1<x\) と \(x<2\) を同時に満たす範囲は、\(1<x<2\) のように1本の式にまとめて書きます。
解なし かいなし 不等式を成り立たせる \(x\) が1つも存在しないこと。\(x^{2}+2x+5<0\) のように、下に凸の放物線が \(x\) 軸より下に沈まない場合に起こります。
すべての実数 すべてのじっすう どんな \(x\) を入れても不等式が成り立つこと。\(x^{2}\) の係数が正のとき、\(>0\)・\(\geqq 0\) の形で \(D<0\)(放物線が \(x\) 軸と交わらない)ならこの答えになります。\(D=0\) のときも、\(\geqq 0\) なら接点が等号で解に入るのですべての実数です(同じ \(D<0\) でも \(<0\)・\(\leqq 0\) の形なら解なしです)。
数直線 すうちょくせん 数を1本の直線の上に並べて表した図。二次不等式の解を書き表すときは、この上に範囲を太線で示し、境界を含むときは黒丸、含まないときは白丸で表します。
移項 いこう 不等式や方程式の項を、符号を変えて反対側の辺へ移すこと。右辺に式があるときは、移項して右辺を 0 にしてから解きます。
定数項 ていすうこう \(x^{2}+3x+5\) の 5 のように、\(x\) を含まない「数字だけの項」。\(x\) がどんな値でも変わらない(一定=定数)ことからこう呼ばれます。
係数 けいすう 文字の前に付いている数。\(3x^{2}\) の 3 が係数です。\(x^{2}\) のように数が書かれていない項の係数は 1 と考えます。

前提として理解しておくといいこと

このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。

不等式の性質(中学1年〜高校 数学I)
  • \(>\)・\(<\)・\(\geqq\)・\(\leqq\) の4つの記号の意味が区別できること(「以上・以下」は境界の値を含み、「より大きい・より小さい」は含まない)
  • 両辺に同じ数を足し引きしても不等号の向きは変わらないが、負の数を掛ける・負の数で割ると向きが逆になること(例:\(2<3\) の両辺に \(-1\) を掛けると \(-2>-3\))
  • \(1<x<2\) のような書き方が「1 より大きく、かつ 2 より小さい」という2つの条件を1本にまとめたものだとわかること
因数分解(中学3年〜高校 数学I)
  • \(x^{2}-3x+2=(x-1)(x-2)\) のように、足して \(-3\)・掛けて \(2\) になる2数を見つけて因数分解できること
  • \(2x^{2}-5x+2=(2x-1)(x-2)\) のように、\(x^{2}\) の係数が 1 でない場合もたすき掛けで因数分解できること
  • \((x-3)^{2}\) のような2乗の形が、\(x^{2}-6x+9\) と展開できること
二次方程式の解き方(中学3年〜高校 数学I)
  • \(AB=0\) なら \(A=0\) または \(B=0\) という性質を使って、因数分解から解が求められること
  • 解の公式 \(x=\dfrac{-b \pm \sqrt{b^{2}-4ac}}{2a}\) を使って、因数分解できない二次方程式も解けること
  • \(\sqrt{20}=2\sqrt{5}\) のように、根号の中の平方因子を外に出して簡単にできること
二次関数のグラフ(中学3年〜高校 数学I)
  • \(y=ax^{2}+bx+c\) のグラフが放物線になり、\(a\) が正なら下に凸(谷の形)、負なら上に凸(山の形)になること
  • グラフが \(x\) 軸と交わる点の \(x\) 座標が、\(ax^{2}+bx+c=0\) の解と同じものだとわかること
  • グラフの高さ \(y\) が正の区間は \(x\) 軸より上、負の区間は \(x\) 軸より下にある、と読み取れること
平方根(中学3年)
  • \(\sqrt{5}\) が「2乗すると 5 になる正の数」で、およそ 2.236 だとわかること
  • \(\sqrt{9}=3\) のように、平方数の平方根は整数になること
数直線と範囲の表し方(中学1年)
  • 数直線の上で、右へ行くほど数が大きくなることがわかること(\(-5\) より \(-2\) の方が大きい)
  • 範囲を数直線の上に太線で書き、境界を含むときは黒丸、含まないときは白丸で表す約束を知っていること

Excelで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
式ごとにシートが分かれたExcelファイルです。貼り付け場所を気にせず、開いてすぐ使えます。
下の表を丸ごとコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「解が2つのときの外側(ax²+bx+c > 0)」を求める表
x²の係数 a 1
xの係数 b -3
定数項 c 2
判別式 D = b^2-4ac =B2^2-4*B1*B3
小さい方の解 α =(-B2-SQRT(B4))/(2*B1)
大きい方の解 β =(-B2+SQRT(B4))/(2*B1)
解の範囲(外側) ="x < "&B5&"、"&B6&" < x"
「解が2つのときの間(ax²+bx+c < 0)」を求める表
x²の係数 a 1
xの係数 b -3
定数項 c 2
判別式 D = b^2-4ac =B2^2-4*B1*B3
小さい方の解 α =(-B2-SQRT(B4))/(2*B1)
大きい方の解 β =(-B2+SQRT(B4))/(2*B1)
解の範囲(間) =B5&" < x < "&B6
「判別式 D = b²−4ac」を求める表
x²の係数 a 1
xの係数 b -3
定数項 c 2
判別式 D = b^2-4ac =B2^2-4*B1*B3
x軸との交点の個数 =IF(B4>0,2,IF(B4=0,1,0))
「x²の係数が負のときの符号の反転」を確かめる表
x²の係数 a -1
xの係数 b 4
定数項 c -3
−1を掛けた x²の係数 =-B1
−1を掛けた xの係数 =-B2
−1を掛けた 定数項 =-B3
反転後の判別式(元と同じ値になる) =B5^2-4*B4*B6
貼り付けると、上の3行(係数 a・b・c)が入力欄になり、下の行が自動計算の結果になります。
「^」はべき乗、「SQRT」は平方根、「&」は文字をつなげる記号です。
1つ目と2つ目の表は、どちらも a=1、b=−3、c=2(つまり x²−3x+2)の例です。判別式は 1 になり、境界の値は 1 と 2、解は「x < 1、2 < x」(外側)と「1 < x < 2」(間)になります。判別式がマイナスになる係数を入れると SQRT がエラーを返すので、その場合は3つ目の表で交点の個数を先に確かめてください。
3つ目の表は判別式だけを求める表で、IF 関数で x 軸との交点の個数(2個・1個・0個)も判定します。
4つ目の表は、x²の係数が負のとき(a=−1、b=4、c=−3)に各項の符号を変える計算です。反転後の係数は 1・−4・3 になり、判別式は反転の前後どちらも 4 で変わらないことが確かめられます。

Googleスプレッドシートで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
上のExcelファイルをダウンロードし、Googleドライブにアップロードして開くと、そのままスプレッドシートとして使えます。
下の表を丸ごとコピーして、GoogleスプレッドシートのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「解が2つのときの外側(ax²+bx+c > 0)」を求める表
x²の係数 a 1
xの係数 b -3
定数項 c 2
判別式 D = b^2-4ac =B2^2-4*B1*B3
小さい方の解 α =(-B2-SQRT(B4))/(2*B1)
大きい方の解 β =(-B2+SQRT(B4))/(2*B1)
解の範囲(外側) ="x < "&B5&"、"&B6&" < x"
「解が2つのときの間(ax²+bx+c < 0)」を求める表
x²の係数 a 1
xの係数 b -3
定数項 c 2
判別式 D = b^2-4ac =B2^2-4*B1*B3
小さい方の解 α =(-B2-SQRT(B4))/(2*B1)
大きい方の解 β =(-B2+SQRT(B4))/(2*B1)
解の範囲(間) =B5&" < x < "&B6
「判別式 D = b²−4ac」を求める表
x²の係数 a 1
xの係数 b -3
定数項 c 2
判別式 D = b^2-4ac =B2^2-4*B1*B3
x軸との交点の個数 =IF(B4>0,2,IF(B4=0,1,0))
「x²の係数が負のときの符号の反転」を確かめる表
x²の係数 a -1
xの係数 b 4
定数項 c -3
−1を掛けた x²の係数 =-B1
−1を掛けた xの係数 =-B2
−1を掛けた 定数項 =-B3
反転後の判別式(元と同じ値になる) =B5^2-4*B4*B6
Excelと同じ式がそのまま使えます(SQRT・IF・&のどれも同じ名前です)。表を丸ごとコピーしてA1セルに貼り付け、係数を自分の数値に書き換えてください。

Pythonで計算する方法

from fractions import Fraction
import math

# 二次不等式(左辺 a*x^2 + b*x + c を 0 と比べる)の係数と、不等号(">" ">=" "<" "<=" のどれか)
a = Fraction(1)
b = Fraction(-3)
c = Fraction(2)
sign = ">"

# x^2 の係数を正にする(負なら両辺に -1 を掛けて不等号の向きを変える)
if a < 0:
    a, b, c = -a, -b, -c
    sign = {">": "<", ">=": "<=", "<": ">", "<=": ">="}[sign]

discriminant = b * b - 4 * a * c
is_greater = sign in (">", ">=")
has_equal = sign in (">=", "<=")

if discriminant > 0:
    root = math.sqrt(discriminant)
    alpha = (-b - root) / (2 * a)
    beta = (-b + root) / (2 * a)
    mark = "<=" if has_equal else "<"
    if is_greater:
        answer = f"x {mark} {alpha}, {beta} {mark} x"   # 2つの解の外側
    else:
        answer = f"{alpha} {mark} x {mark} {beta}"      # 2つの解の間
elif discriminant == 0:
    alpha = -b / (2 * a)
    answer = {">": f"x != {alpha}", ">=": "すべての実数",
              "<": "解なし", "<=": f"x = {alpha}"}[sign]
else:
    answer = "すべての実数" if is_greater else "解なし"

print(f"判別式 D = {discriminant}")
print(f"解の範囲: {answer}")
標準ライブラリだけで書けます。係数を fractions.Fraction にしておくと、判別式の符号判定が小数の丸め誤差に左右されません。この例は x² − 3x + 2 > 0 で、実行すると「判別式 D = 1」「解の範囲: x < 1.0, 2.0 < x」の2行が表示されます。係数と不等号の文字を書き換えて実行してください。

数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)

\(x^{2}\) の係数が正で解が2つのとき(\(>0\) は「2つの解の外側」)
x < α, β < x
x < \alpha,\ \beta < x
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>x</mi><mo>&lt;</mo><mi>&#x3B1;</mi>
    <mo>,</mo>
    <mi>&#x3B2;</mi><mo>&lt;</mo><mi>x</mi>
  </mrow>
</math>
x < alpha, beta < x
Reduce[a x^2 + b x + c > 0 && a > 0, x, Reals]
solve(a*x^2 + b*x + c > 0, x);
solve(a*x^2 + b*x + c > 0, x)
x < α, β < x
\(x^{2}\) の係数が正で解が2つのとき(\(<0\) は「2つの解の間」)
α < x < β
\alpha < x < \beta
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>&#x3B1;</mi><mo>&lt;</mo><mi>x</mi><mo>&lt;</mo><mi>&#x3B2;</mi>
  </mrow>
</math>
alpha < x < beta
Reduce[a x^2 + b x + c < 0 && a > 0, x, Reals]
solve(a*x^2 + b*x + c < 0, x);
solve(a*x^2 + b*x + c < 0, x)
α < x < β
判別式(解の形を決める値)
D = b² − 4ac
D = b^{2} - 4ac
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>D</mi><mo>=</mo>
    <msup><mi>b</mi><mn>2</mn></msup>
    <mo>&#x2212;</mo>
    <mn>4</mn><mi>a</mi><mi>c</mi>
  </mrow>
</math>
D = b^2 - 4ac
Discriminant[a x^2 + b x + c, x]
discrim(a*x^2 + b*x + c, x);
D = b^2 - 4*a*c;
D = b^2 - 4ac
\(x^{2}\) の係数が負のとき(両辺に \(-1\) を掛けて正に直す)
ax² + bx + c < 0 ⟺ −ax² − bx − c > 0
ax^{2} + bx + c < 0 \Longleftrightarrow -ax^{2} - bx - c > 0
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>a</mi><msup><mi>x</mi><mn>2</mn></msup>
    <mo>+</mo><mi>b</mi><mi>x</mi><mo>+</mo><mi>c</mi>
    <mo>&lt;</mo><mn>0</mn>
    <mo>&#x27FA;</mo>
    <mo>&#x2212;</mo><mi>a</mi><msup><mi>x</mi><mn>2</mn></msup>
    <mo>&#x2212;</mo><mi>b</mi><mi>x</mi><mo>&#x2212;</mo><mi>c</mi>
    <mo>&gt;</mo><mn>0</mn>
  </mrow>
</math>
ax^2 + bx + c < 0 hArr -ax^2 - bx - c > 0
Reduce[-a x^2 - b x - c > 0, x, Reals]
solve(-a*x^2 - b*x - c > 0, x);
solve(-a*x^2 - b*x - c > 0, x)
ax^2 + bx + c < 0 ⟺ -ax^2 - bx - c > 0

ChatGPT に聞いて計算してもらう方法

あなたは数学(高校数学I)の計算アシスタントです。次の問題を、必ずPythonコードを実際に実行して解き、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。

二次不等式 x² − 3x + 2 > 0 を解いてください。
次の内容をそれぞれ示してください。
1. 判別式 D = b² − 4ac の値
2. 境界の値(x² − 3x + 2 = 0 の解)
3. 解の範囲(「2つの解の外側」「2つの解の間」「すべての実数」「解なし」のどれにあたるかも書く)
4. x² の係数が負の場合は、両辺に −1 を掛けて向きを変える手順も示す

Pythonでは sympy の solve_univariate_inequality と、fractions を使った厳密な判別式の計算の両方を行い、結果が一致することを確かめたうえで答えてください。

計算ドリル(演習問題)

このページの式を、自分の手で解けるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。


使い方
  1. 1
    数値を入力
    計算したい数値を入力欄に入力します
  2. 2
    計算
    「計算する」ボタンを押します
  3. 3
    結果を確認
    計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
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