直角三角形の8つの量(3辺・2つの角・斜辺への高さ・面積・周りの長さ)のうち、わかっている「ちょうど2つ」だけに入力してください。三平方の定理と三角比を使って、残りすべてを途中式付きでまとめて計算します。
目次
このページでできること
- 直角三角形の8つの量(3辺 \(a\)・\(b\)・\(c\)、2つの角 \(\alpha\)・\(\beta\)、斜辺への高さ \(h\)、面積 \(S\)、周りの長さ \(L\))のうち、わかっている2つを入れるだけで残りすべてがその場でわかります
- 「斜辺と角度から残りの辺を求める」「面積と1辺から辺を逆算する」「周りの長さから3辺を求める」など、どの組み合わせでも計算できます(角度2つだけの組み合わせを除く)
- 角度は度(°)とラジアンを併記して表示。途中式付きなので、どの式を使って解いたかもわかります
- 三平方の定理・三角比(sin・cos・tan)のやさしい解説、Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式、計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
日本の屋根の傾きは「4寸勾配」(水平10に対して4上がる)のように表します。これはまさに直角三角形で、傾斜角は \(\tan^{-1}(4 \div 10) \fallingdotseq 21.8^\circ\) です。屋根材が必要な長さは斜辺なので、水平の幅が4.55mなら \(\sqrt{4.55^2 + 1.82^2} \fallingdotseq 4.90\)mと、水平の幅より長くなります(1.82mは4.55mの4/10の高さ)。
大工さんが使う「さしがね(曲尺)」に \(\sqrt{2}\) 倍の目盛り(裏目)が刻まれているように、建築の現場仕事は昔から直角三角形の計算と切り離せません。
高くて直接測れないものは、離れた場所から見上げる角度で測れます。木から10m離れて測った見上げ角が40°なら、目の高さから上の部分は \(10 \times \tan 40^\circ \fallingdotseq 8.4\)m。目の高さ1.5mを足して、木の高さは約9.9mとわかります。
測量士が使うセオドライト(角度を精密に測る器械)による測量や、林業での立木の高さ測定は、この「1辺と1角から残りの辺を求める」計算そのものです。
はしごは立てすぎても寝かせすぎても危険で、安全な設置角度の目安は約75°とされています(脚立については労働安全衛生規則で「開いた脚と水平面の角度75°以下」と定められています)。長さ6mのはしごを75°で立てかけると、壁からの距離は \(6 \times \cos 75^\circ \fallingdotseq 1.55\)m、届く高さは \(6 \times \sin 75^\circ \fallingdotseq 5.8\)mです。
「この長さのはしごでどの高さまで届くか」「足元をどれだけ離すか」は、現場で毎日使われている三角比の計算です。
坂道の標識にある「10%」は「水平に100m進むと10m上がる」という意味で、tanの値そのものです。角度に直すと \(\tan^{-1} 0.1 \fallingdotseq 5.7^\circ\)——数字の印象よりずっとゆるやかに感じるかもしれませんが、自動車や自転車には十分きつい坂です。
%表示と角度の関係がわかると、地図アプリの標高差から坂のきつさを見積もったり、鉄道の勾配(‰=パーミル)を読んだりするのにも応用できます。
バリアフリー法関連の基準では、屋内の車いす用スロープの勾配は1/12以下(水平12に対して高さ1)が目安とされています。30cmの段差を1/12勾配で解消するには水平距離が \(30 \times 12 = 360\)cm必要で、スロープ板の実際の長さは斜辺の \(\sqrt{360^2 + 30^2} \fallingdotseq 361.2\)cm、傾斜角は約4.8°です。
「設置スペースが足りるか」「市販のスロープ板の長さで足りるか」は、直角三角形の計算でその場で確かめられます。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(a\) | エー | 直角をはさむ2辺のうちの1つ。角 \(\alpha\) の向かい側にある辺です。 |
| \(b\) | ビー | 直角をはさむ2辺のもう1つ。角 \(\beta\) の向かい側にある辺です。 |
| \(c\) | シー | 斜辺。直角の向かい側にある、直角三角形で一番長い辺です。 |
| \(\alpha\) | アルファ | 辺 \(a\) の向かいにある角。ギリシャ文字で、角度の名前によく使われます。 |
| \(\beta\) | ベータ | 辺 \(b\) の向かいにある角。\(\alpha + \beta = 90^\circ\) の関係があります。 |
| \(h\) | エイチ | 斜辺を底辺としたときの高さ。直角の頂点から斜辺に垂直におろした線の長さで、\(h = a \times b \div c\) で求められます。 |
| \(S\) | エス | 面積。\(S = a \times b \div 2\) で求められます。 |
| \(L\) | エル | 周りの長さ(3辺の合計)。\(L = a + b + c\) です。 |
| \(\sin\alpha\) | サイン・アルファ | 斜辺に対する「向かいの辺」の割合。\(\sin\alpha = a \div c\) です。(例:\(\sin 30^\circ = 0.5\)) |
| \(\cos\alpha\) | コサイン・アルファ | 斜辺に対する「となりの辺」の割合。\(\cos\alpha = b \div c\) です。(例:\(\cos 60^\circ = 0.5\)) |
| \(\tan\alpha\) | タンジェント・アルファ | 「となりの辺」に対する「向かいの辺」の割合。\(\tan\alpha = a \div b\) です。(例:\(\tan 45^\circ = 1\)) |
| \(\tan^{-1}\) | タンジェントのマイナス1乗(アークタンジェント) | タンジェントの値から角度を逆に求める計算。関数電卓では tan⁻¹ キーです。「マイナス1乗」と書きますが、逆数ではなく「逆の計算」という意味の記号です。 |
用語
| 直角三角形 | ちょっかくさんかくけい | 1つの角がちょうど90°(直角)になっている三角形。残りの2つの角は必ず鋭角(90°未満)で、足すと90°になります。 |
| 斜辺 | しゃへん | 直角の向かい側にある辺。直角三角形の3辺の中で必ず一番長くなります。 |
| 三平方の定理 | さんへいほうのていり | 直角三角形の3辺の間に成り立つ関係 \(a^2 + b^2 = c^2\) です。ピタゴラスの定理とも呼ばれ、中学3年で学びます。2辺がわかれば残りの1辺が計算できます。 |
| 三角比 | さんかくひ | 直角三角形の辺同士の割合(サイン・コサイン・タンジェント)のこと。角度が決まると割合も決まるので、「角度と1辺」から残りの辺が計算できます。高校の数学Iで学びます。 |
| ラジアン | らじあん | 角度のもう1つの単位。円の半径と同じ長さの弧に対する中心角が1ラジアンで、\(180^\circ = \pi\) ラジアンです。度からは「度 × π ÷ 180」で変換できます。 |
| ピタゴラス数 | ぴたごらすすう | 3辺すべてが整数になる直角三角形の3つ組。3・4・5、5・12・13、8・15・17などが有名です。 |
| 直角二等辺三角形 | ちょっかくにとうへんさんかくけい | 直角をはさむ2辺の長さが等しい直角三角形。2つの鋭角はどちらも45°で、3辺の比は \(1 : 1 : \sqrt{2}\) です。三角定規の1枚がこの形です。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 三角形の面積(小学5年) |
|
| 三角形の内角の和(中学2年) |
|
| 三平方の定理と平方根(中学3年) |
|
| 三角比(高校 数学I) |
|
Excelで計算する方法
| 斜辺c | 10 |
| 角α(度) | 30 |
| 辺a | =B1*SIN(RADIANS(B2)) |
| 辺b | =B1*COS(RADIANS(B2)) |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 角α(度) | =DEGREES(ATAN(B1/B2)) |
| 角β(度) | =90-B3 |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 面積S | =B1*B2/2 |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 斜辺c | 5 |
| 高さh | =B1*B2/B3 |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 斜辺c | 5 |
| 周りの長さL | =B1+B2+B3 |
ExcelのSIN・COS関数はラジアン単位で受け取るので、度で入力した角度はRADIANS関数で変換します。逆に、ATAN関数の結果はラジアンで返ってくるので、DEGREES関数で度に直します。
1つ目の表なら辺aに5、辺bに約8.66、2つ目の表なら角αに約36.87、角βに約53.13が表示されます。B列の入力値を自分の数値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 斜辺c | 10 |
| 角α(度) | 30 |
| 辺a | =B1*SIN(RADIANS(B2)) |
| 辺b | =B1*COS(RADIANS(B2)) |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 角α(度) | =DEGREES(ATAN(B1/B2)) |
| 角β(度) | =90-B3 |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 面積S | =B1*B2/2 |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 斜辺c | 5 |
| 高さh | =B1*B2/B3 |
| 辺a | 3 |
| 辺b | 4 |
| 斜辺c | 5 |
| 周りの長さL | =B1+B2+B3 |
Pythonで計算する方法
import math
side_a = 3.0 # 直角をはさむ辺a
side_b = 4.0 # 直角をはさむ辺b
side_c = math.sqrt(side_a ** 2 + side_b ** 2) # 斜辺(三平方の定理)
angle_alpha = math.degrees(math.atan(side_a / side_b)) # 角α(度)
angle_beta = 90 - angle_alpha # 角β(度)
height = side_a * side_b / side_c # 斜辺を底辺としたときの高さ
area = side_a * side_b / 2 # 面積
perimeter = side_a + side_b + side_c # 周りの長さ
print(f"斜辺c: {side_c}")
print(f"角α: {angle_alpha}度 = {math.radians(angle_alpha)}ラジアン")
print(f"角β: {angle_beta}度 = {math.radians(angle_beta)}ラジアン")
print(f"高さh: {height}")
print(f"面積S: {area}")
print(f"周りの長さL: {perimeter}")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
a = c·sin α, b = c·cos α
a = c \sin\alpha, \quad b = c \cos\alpha
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>a</mi><mo>=</mo><mi>c</mi><mo>⁢</mo><mi>sin</mi><mo>⁡</mo><mi>α</mi>
<mo>,</mo>
<mi>b</mi><mo>=</mo><mi>c</mi><mo>⁢</mo><mi>cos</mi><mo>⁡</mo><mi>α</mi>
</mrow>
</math>
a = c sin(alpha), b = c cos(alpha)
a == c Sin[α] && b == c Cos[α]
a := c*sin(alpha); b := c*cos(alpha);
a = c*sind(alpha); b = c*cosd(alpha);
a = c sin α, b = c cos α
α = tan⁻¹(a ÷ b), β = 90° − α
\alpha = \tan^{-1}\frac{a}{b}, \quad \beta = 90^\circ - \alpha
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>α</mi><mo>=</mo>
<msup><mi>tan</mi><mrow><mo>−</mo><mn>1</mn></mrow></msup>
<mo>⁡</mo>
<mfrac><mi>a</mi><mi>b</mi></mfrac>
<mo>,</mo>
<mi>β</mi><mo>=</mo><mrow><mn>90</mn><mo>°</mo></mrow><mo>−</mo><mi>α</mi>
</mrow>
</math>
alpha = arctan(a/b), beta = 90 - alpha
α == ArcTan[a/b] && β == Pi/2 - α
alpha := arctan(a/b); beta := Pi/2 - alpha;
alpha = atand(a/b); beta = 90 - alpha;
α = tan^(-1)(a/b), β = 90° - α
S = a × b ÷ 2
S = \frac{1}{2}ab
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>S</mi><mo>=</mo>
<mfrac><mrow><mi>a</mi><mo>⁢</mo><mi>b</mi></mrow><mn>2</mn></mfrac>
</mrow>
</math>
S = (a b)/2
a b / 2
S := a*b/2;
S = a*b/2;
S = ab/2
h = a × b ÷ c
h = \frac{ab}{c}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>h</mi><mo>=</mo>
<mfrac><mrow><mi>a</mi><mo>⁢</mo><mi>b</mi></mrow><mi>c</mi></mfrac>
</mrow>
</math>
h = (a b)/c
a b / c
h := a*b/c;
h = a*b/c;
h = ab/c
L = a + b + c
L = a + b + c
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>L</mi><mo>=</mo><mi>a</mi><mo>+</mo><mi>b</mi><mo>+</mo><mi>c</mi>
</mrow>
</math>
L = a + b + c
a + b + c
L := a + b + c;
L = a + b + c;
L = a + b + c
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは数学の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 直角三角形で、直角をはさむ辺aが3、斜辺cが5だとわかっています。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 残りの辺b(三平方の定理) 2. 角αと角β(度とラジアンの両方) 3. 斜辺を底辺としたときの高さh 4. 面積Sと周りの長さL 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
