球冠(球を平面で切り取ったドーム形)の「底面の半径 \(r\)」「球の半径 \(R\)」「高さ \(h\)」のうち、わかっている2項目だけに数値を入力してください。残りの1項目を逆算したうえで、丸い曲面部分の面積(\(2\pi Rh\))・底面の円の面積・その合計を計算します。
このページでできること
- 球冠(球を平面でスパッと切り取った、ドームのような形)の表面積がその場でわかります
- 「底面の半径 \(r\)」「球の半径 \(R\)」「高さ \(h\)」のうち、わかっている2つを入れるだけ。残りの1つも自動で逆算します
- 丸い曲面部分の面積(\(2\pi Rh\))・底面(切り口の円)の面積・その合計を、途中式付きでまとめて表示します
- 計算結果の球冠を3Dの図形でも表示します(ドラッグで回せます)
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
プラネタリウム・天文台・ドーム球場の丸い屋根は、まさに球冠の形です。屋根材や塗装の量は曲面の面積 \(2\pi Rh\) で見積もれます。
例えば直径16m(底面の半径8m)・高さ4mのドームなら、もとの球の半径は \(R = (4^2 + 8^2) \div (2 \times 4) = 10\)m、屋根の面積は \(2\pi \times 10 \times 4 \fallingdotseq 251\,\mathrm{m^2}\) と計算できます。
眼鏡やコンタクトレンズの表面は球冠の形をしていて、その丸みは「もとの球の半径」(曲率半径)で表されます。レンズ職人が使う球面計という道具は、レンズ表面の幅 \(2r\) と盛り上がり \(h\) を測り、式6(\(R = (h^2 + r^2) \div 2h\))でもとの球の半径を割り出します。
例えば半径6mmの範囲で盛り上がりが0.9mmなら、曲率半径は \((0.9^2 + 6^2) \div 1.8 \fallingdotseq 20.5\)mm です。
ドーム型のケーキ(半球)にチョコレートやグラサージュ(つやのある上がけ)をかけるとき、必要な量は表面の面積に比例します。直径12cmの半球ケーキなら \(R = h = 6\)cm なので、曲面の面積は \(2\pi \times 6 \times 6 \fallingdotseq 226\,\mathrm{cm^2}\) です。
「型のサイズを2倍にしたらコーティングは何倍必要か」(面積なので約4倍)といった見積もりにも使えます。
球形のブイ(浮き)が水に浮かぶと、水面の上に出ている部分は球冠になります。半径15cmのブイが水面上に10cm出ているなら、空気に触れている面積は \(2\pi \times 15 \times 10 \fallingdotseq 942\,\mathrm{cm^2}\) です。
球全体の表面積 \(4\pi R^2 \fallingdotseq 2827\,\mathrm{cm^2}\) から引けば、水につかっている面積(防汚塗装が必要な範囲)が約 \(1885\,\mathrm{cm^2}\) とわかります。
人工衛星から電波が届く地球上の範囲(フットプリント)は、地球の表面の一部=球冠として近似できます。カバーする面積は地球の半径 \(R \fallingdotseq 6371\)km と範囲の深さ \(h\) を使って \(2\pi Rh\) で見積もれます(実際の設計では電波の強さの分布なども考慮されます)。
「衛星を高くするとカバー範囲がどれだけ広がるか」という通信網の計画は、この式の考え方が土台になっています。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(S\) | エス | 面積を表すのによく使われる記号。英語の surface(表面)や square(四角・平方)の頭文字です。このページでは球冠の表面積を表します。 |
| \(R\) | アール(大文字) | もとの球(切り取る前のまるごとの球)の半径。英語の radius(半径)の頭文字です。小文字の \(r\) と区別するために大文字で書きます。 |
| \(r\) | アール(小文字) | 底面(切り口の円)の半径。同じ「半径」でも、大文字の \(R\)(球の半径)とは別の長さなので注意してください。 |
| \(h\) | エイチ | 球冠の高さ。切り口の面から球面のてっぺんまでの距離です。英語の height(高さ)の頭文字です。 |
| \(\pi\) | パイ | 円周率。円周が直径の何倍かを表す定数で、約3.14159…とどこまでも続く数です。小学校では3.14として計算します。 |
| \(r^2\) | アールの2乗 | 同じ数 \(r\) を2回掛け合わせた値(\(r \times r\))。右上の小さい2は「2回掛ける」という意味の指数です。(例:\(3^2 = 3 \times 3 = 9\)) |
| \(\sqrt{\phantom{0}}\) | ルート へいほうこん(平方根) | 2乗するとその数になる、0以上の数を表す記号。(例:\(\sqrt{75}\) は「2乗すると75になる数」で約8.66) |
| \(\pm\) | プラスマイナス | 「足す場合と引く場合の両方が答えになる」という意味の記号。式5で高さ \(h\) の答えが2通り出ることを表しています。 |
| \(\mathrm{cm^2}\) | 平方センチメートル | 面積の単位。1辺1cmの正方形の面積が1cm²です。この計算機の面積は「入力した長さの単位の2乗」になります(mで入力すればm²)。 |
用語
| 球冠 | きゅうかん | 球を1つの平面でスパッと切ったときにできる、丸い曲面の部分。「球帽(きゅうぼう)」「球キャップ」とも呼ばれます。ドームの屋根・お椀・コンタクトレンズのような形です。 |
| 球欠 | きゅうけつ | 球を1つの平面で切り取った「中身の詰まったかたまり」のこと。その表面は球冠(丸い曲面)と底面(切り口の円)でできていて、このページの「表面積の合計」は球欠の表面全体の面積にあたります。 |
| 半球 | はんきゅう | 球を中心を通る平面でちょうど半分に切った形。高さ \(h\) が球の半径 \(R\) と等しい(\(h = R\))特別な球冠です。 |
| 表面積 | ひょうめんせき | 立体の表面全体の面積。体積(中身のかさ)とは別の量で、塗装する面積・包む紙の面積などを考えるときに使います。 |
| 曲面 | きょくめん | 平らではなく、丸く曲がった面のこと。球冠の「丸い部分」は曲面で、切り口の円は平面です。 |
| 三平方の定理 | さんへいほうのていり | 直角三角形で「直角をはさむ2辺の2乗の和 = 斜辺の2乗」が成り立つという定理(ピタゴラスの定理)。式4〜6の逆算の式は、球の断面にできる直角三角形へこの定理を使って導かれています。 |
| 平方根 | へいほうこん | 2乗するとその数になる数のこと。記号は \(\sqrt{\phantom{0}}\)(ルート)。逆算の式4・式5で「2乗の計算を元に戻す」ために出てきます。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 円の面積と円周率(小学5〜6年) |
|
| 累乗・指数(中学1年) |
|
| 球の表面積の公式(中学1年) |
|
| 平方根(中学3年) |
|
| 三平方の定理(中学3年) |
|
Excelで計算する方法
| 球の半径 R | 10 |
| 球冠の高さ h | 5 |
| 球冠(曲面)の面積 | =2*PI()*B1*B2 |
| 底面の半径 r | 3 |
| 底面の円の面積 | =PI()*B1^2 |
| 球の半径 R | 10 |
| 球冠の高さ h | 5 |
| 底面の半径 r(自動計算) | =SQRT(2*B1*B2-B2^2) |
| 表面積の合計 | =2*PI()*B1*B2+PI()*B3^2 |
| 球の半径 R | 10 |
| 球冠の高さ h | 5 |
| 底面の半径 r | =SQRT(2*B1*B2-B2^2) |
| 底面の半径 r | 1 |
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ h(解1・浅い球冠) | =B2-SQRT(B2^2-B1^2) |
| 高さ h(解2・深い球冠) | =B2+SQRT(B2^2-B1^2) |
| 底面の半径 r | 3 |
| 球冠の高さ h | 2 |
| 球の半径 R | =(B2^2+B1^2)/(2*B2) |
「PI()」は円周率π(3.14159…)を返す関数、「SQRT()」は平方根(ルート)を求める関数です。「*」は掛け算、「/」は割り算、「^」はべき乗(2乗)の記号です。
例えば1つ目の表ならB3に約314.16、3つ目の表ならB4に約549.78と表示されます。5つ目の表は高さの答えが2通り出る例(約0.268と約3.732)です。入力欄の数値を自分の値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 球の半径 R | 10 |
| 球冠の高さ h | 5 |
| 球冠(曲面)の面積 | =2*PI()*B1*B2 |
| 底面の半径 r | 3 |
| 底面の円の面積 | =PI()*B1^2 |
| 球の半径 R | 10 |
| 球冠の高さ h | 5 |
| 底面の半径 r(自動計算) | =SQRT(2*B1*B2-B2^2) |
| 表面積の合計 | =2*PI()*B1*B2+PI()*B3^2 |
| 球の半径 R | 10 |
| 球冠の高さ h | 5 |
| 底面の半径 r | =SQRT(2*B1*B2-B2^2) |
| 底面の半径 r | 1 |
| 球の半径 R | 2 |
| 高さ h(解1・浅い球冠) | =B2-SQRT(B2^2-B1^2) |
| 高さ h(解2・深い球冠) | =B2+SQRT(B2^2-B1^2) |
| 底面の半径 r | 3 |
| 球冠の高さ h | 2 |
| 球の半径 R | =(B2^2+B1^2)/(2*B2) |
Pythonで計算する方法
import math
ball_radius = 10 # 球の半径 R(この例ではcm)
cap_height = 5 # 球冠の高さ h
base_radius = math.sqrt(2 * ball_radius * cap_height - cap_height ** 2) # 底面の半径 r(逆算)
cap_area = 2 * math.pi * ball_radius * cap_height # 球冠(曲面)の面積
base_area = math.pi * base_radius ** 2 # 底面の円の面積
total_area = cap_area + base_area # 表面積の合計
print(f"底面の半径 r: {base_radius} cm")
print(f"球冠(曲面)の面積: {cap_area} cm2")
print(f"底面の円の面積: {base_area} cm2")
print(f"表面積の合計: {total_area} cm2")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
S₁ = 2πRh
S_1 = 2\pi R h
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>S</mi><mn>1</mn></msub>
<mo>=</mo>
<mn>2</mn>
<mi>π</mi>
<mi>R</mi>
<mi>h</mi>
</mrow>
</math>
S_1 = 2 pi R h
2*Pi*R*h
S1 := 2*Pi*R*h;
S1 = 2*pi*R*h;
S_1 = 2πRh
S₂ = πr²
S_2 = \pi r^{2}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>S</mi><mn>2</mn></msub>
<mo>=</mo>
<mi>π</mi>
<msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</math>
S_2 = pi r^2
Pi*r^2
S2 := Pi*r^2;
S2 = pi*r^2;
S_2 = πr^2
S = 2πRh + πr²
S = 2\pi R h + \pi r^{2}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>S</mi>
<mo>=</mo>
<mn>2</mn><mi>π</mi><mi>R</mi><mi>h</mi>
<mo>+</mo>
<mi>π</mi><msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</math>
S = 2 pi R h + pi r^2
2*Pi*R*h + Pi*r^2
S := 2*Pi*R*h + Pi*r^2;
S = 2*pi*R*h + pi*r^2;
S = 2πRh + πr^2
r = √(2Rh − h²)
r = \sqrt{2Rh - h^{2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>r</mi>
<mo>=</mo>
<msqrt>
<mrow>
<mn>2</mn><mi>R</mi><mi>h</mi>
<mo>−</mo>
<msup><mi>h</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</msqrt>
</mrow>
</math>
r = sqrt(2Rh - h^2)
Sqrt[2*R*h - h^2]
r := sqrt(2*R*h - h^2);
r = sqrt(2*R*h - h^2);
r = √(2Rh − h^2)
h = R ± √(R² − r²)
h = R \pm \sqrt{R^{2} - r^{2}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>h</mi>
<mo>=</mo>
<mi>R</mi>
<mo>±</mo>
<msqrt>
<mrow>
<msup><mi>R</mi><mn>2</mn></msup>
<mo>−</mo>
<msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</msqrt>
</mrow>
</math>
h = R +- sqrt(R^2 - r^2)
Solve[r^2 + (R - h)^2 == R^2, h]
solve(r^2 + (R - h)^2 = R^2, h);
h = [R - sqrt(R^2 - r^2), R + sqrt(R^2 - r^2)];
h = R ± √(R^2 − r^2)
R = (h² + r²) ÷ (2h)
R = \dfrac{h^{2} + r^{2}}{2h}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>R</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow>
<msup><mi>h</mi><mn>2</mn></msup>
<mo>+</mo>
<msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
<mrow><mn>2</mn><mi>h</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
R = (h^2 + r^2) / (2h)
(h^2 + r^2)/(2*h)
R := (h^2 + r^2)/(2*h);
R = (h^2 + r^2)/(2*h);
R = (h^2 + r^2)/(2h)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは算数・数学の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 半径10cmの球を、てっぺんから高さ5cmのところで平面で切り取って、球冠(ドーム形)を作ります。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 底面(切り口の円)の半径 r(r = √(2Rh − h²)) 2. 球冠の丸い曲面部分の面積(S₁ = 2πRh) 3. 底面の円の面積(S₂ = πr²) 4. 表面積の合計(S = S₁ + S₂) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
