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排水勾配と高低差
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板取り計算
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棚板のたわみと耐荷重
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顧客獲得コスト(CAC)とLTV/CAC比・CAC回収期間の計算(予算・目標からの逆算つき)

まず「計算の種類」で、CACを計算するか、予算と目標CACから獲得すべき顧客数を逆算するか、LTVと目標LTV/CAC比から許容CACを逆算するかを選んでください。CACの計算では、費用の内訳(広告費・人件費・ツール費)と新規顧客数が必須で、LTV・月間ARPU・粗利率は任意です。入れた欄に応じて、有料CAC・LTV/CAC比・CAC回収期間まで計算し、累積粗利とCACの関係をグラフで表示します。

金額は半角の数値(円)で入力してください。%の欄は数値だけを入れます(40%なら「40」)。費用と新規顧客数は同じ期間(例:同じ1か月・同じ四半期)の値をそろえて入れてください。費用の内訳がわからないときは、合計を広告費の欄に入れれば計算できます。
計算結果・グラフ
左で計算の種類を選び、値を入れて「計算する」を押すと、ここに結果と「累積粗利とCACの関係(回収期間)」のグラフが表示されます。

このページでできること

  • 顧客獲得コスト(CAC:Customer Acquisition Cost)を「営業・マーケティング費用の合計(広告費+人件費+ツール・制作費など) ÷ 新規顧客数」で計算します。広告費だけを広告経由の顧客数で割った「有料CAC」も同時に出ます
  • LTV(顧客生涯価値)を入れると、LTVがCACの何倍かを表す LTV/CAC比 を計算します
  • 月間ARPU(1人あたりの月間売上)と粗利率を入れると、CACを何か月で回収できるか(CAC回収期間:CAC payback)を計算し、累積粗利とCACの交点をグラフで確かめられます
  • 逆算もできます:「予算と目標CACから、獲得すべき顧客数」「LTVと目標LTV/CAC比から、1人の獲得にかけてよい上限=許容CAC」
  • 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
このページのCACは、広告費だけでなく営業・マーケティングにかかった費用をすべて足して、その期間に獲得した新規顧客数(経路を問わず全員)で割る「混合CAC」を基本にしています。広告費だけを広告経由の新規顧客数で割る「有料CAC」は別欄で計算します。CAC回収期間は「CAC ÷ 1人あたりの月間粗利」で、回収前の解約は考えない単純な定義です。LTVそのものを求めるときは「顧客生涯価値(LTV)の計算」ページをお使いください。

この計算は何の役に立つ?

広告を増やすか減らすかを決める(Web広告・マーケティングの実務)

広告費30万円で広告経由の新規顧客が25人なら有料CACは \(300000 \div 25 = 12000\) 円です。1人の顧客の粗利ベースのLTVが30,000円なら、LTV/CAC比は \(30000 \div 12000 = 2.5\) 倍で、獲得するほど粗利は増える計算です。ただし「3倍程度」を目安にしている会社なら、広告の効率を上げるか、LTVを伸ばす施策を先に打つか、という判断材料になります。
このとき比べる相手は、売上ベースではなく粗利ベースのLTVです。売上ベースで比べると、原価を払う前の金額で採算が合っているように見えてしまいます。

「無料で来る顧客」の価値を含めて事業全体の効率を見る(経営・事業計画)

同じ月の費用の合計50万円を、紹介や検索で来た人も含めた新規顧客50人で割ると、混合CACは \(500000 \div 50 = 10000\) 円です。有料CACの12,000円より小さいのは、広告以外の経路(口コミ・検索・紹介)で来る顧客が費用を薄めているからです。
事業全体として「1人あたりいくらかけて成長しているか」を見るときは混合CAC、広告の予算配分を決めるときは有料CAC、と使い分けます。混合CACだけを見ていると、広告の効率が落ちていても気づきにくいので、両方を並べて追うのが基本です。

獲得に使ったお金が何か月で戻るかを見て、資金繰りを考える(SaaS・サブスク運営)

CACが10,000円で、月額2,500円・粗利率40%なら、1人あたりの月間粗利は \(2500 \times 40 \div 100 = 1000\) 円で、CAC回収期間は \(10000 \div 1000 = 10\) か月です。10か月間は「先に払った獲得費用を取り戻している途中」なので、その間の資金が必要になります。
月に100人獲得するなら、毎月100万円を先に払い、それが10か月かけて戻ってくるので、回収待ちの残高は最大で500万円前後までふくらみます。回収期間が長いほどこの立て替えが大きくなるので、LTV/CAC比が良くても、回収期間が長い事業は手元資金に余裕が要る、という見方ができます。

来月の予算から「何人獲得すればよいか」の目標を立てる(マーケティング担当・営業目標)

来月の営業・マーケ予算が60万円で、CACを8,000円以内に収めたいなら、獲得すべき顧客数は \(600000 \div 8000 = 75\) 人です。74人以下だとCACは8,000円を超えます。「予算を使い切るなら最低75人」という数字が、チームの目標になります。
逆に、目標が「50人」と先に決まっているなら、使ってよい予算は \(8000 \times 50 = 400000\) 円までです。この掛け算・割り算の関係を押さえておくと、予算と目標人数のどちらから考えても、もう一方をすぐ出せます。

新規事業や新チャネルで「1人にいくらまでかけてよいか」の上限を決める(新規事業・EC)

粗利ベースのLTVが30,000円で、LTV/CAC比を3倍以上にしたいなら、許容CACは \(30000 \div 3 = 10000\) 円です。新しい広告媒体やイベント出展を試すとき、「1人あたり10,000円を超えるなら続けない」という線引きに使えます。
LTVは見込みなので、継続期間やチャーン率の前提が甘いと許容CACも甘くなります。前提を少し厳しめ(例:継続期間を短めに見積もる)にして許容CACを出しておくと、実際の獲得費用がぶれても大けがをしにくくなります。

式と図

顧客獲得コスト(CAC)を求める式(混合CAC)
図
数学表記 (一般的な数式)
\(\mathrm{CAC}\) \(=\) \(E\) \(\div\) \(N\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\) \(=\) ① 営業・マーケ費用の合計 \(E\) \(\div\) ② 新規顧客数 \(N\)
式を日本語で読むと
① 営業・マーケ費用の合計 \(E\) (広告費+人件費+ツール・制作費など)を
② 新規顧客数 \(N\) で割ると
③ 顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\) になる
簡単な例
1か月に広告費30万円・営業とマーケの人件費15万円・ツールと制作費5万円を使い、新規顧客が50人(経路を問わず全員)だったときのCACは
顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\) \(=\) 費用の合計(500,000円) \(\div\) 新規顧客数(50人)
\(300000 + 150000 + 50000 = 500000\)
\(500000 \div 50 = 10000\)
考え方のポイント
CAC(顧客獲得コスト)は「新しい顧客を1人つかまえるのに、平均でいくらかかったか」です。分子の費用には、広告費だけでなく、営業・マーケティング担当の人件費、ツールの利用料、LPやバナーの制作費、代理店手数料など「新規顧客を獲得するためにかかった費用」を全部入れます。分母は同じ期間に獲得した新規顧客の人数で、広告経由だけでなく紹介・検索・口コミで来た人も含めた全員です。こうして求めた値を「混合CAC(blended CAC)」と呼び、このページで単に「CAC」と書くときはこれを指します。 分子と分母の「期間」は必ずそろえます(1か月の費用なら1か月の新規顧客数)。また、既存顧客向けの費用(サポートやリテンション施策)は分子に入れません。似た指標のCPA(1件の成果あたりの広告費)との違いは、次の有料CACの式のあとで説明します。
有料CACを求める式(広告費と広告経由の顧客数から)
数学表記 (一般的な数式)
\(\mathrm{CAC_{ad}}\) \(=\) \(E_{ad}\) \(\div\) \(N_{ad}\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 有料CAC \(\mathrm{CAC_{ad}}\) \(=\) ① 広告費 \(E_{ad}\) \(\div\) ② 広告経由の新規顧客数 \(N_{ad}\)
式を日本語で読むと
① 広告費 \(E_{ad}\) だけを
② 広告経由の新規顧客数 \(N_{ad}\) で割ると
③ 有料CAC \(\mathrm{CAC_{ad}}\) になる
簡単な例
広告費30万円で、新規顧客50人のうち広告経由が25人だったときの有料CACは
有料CAC \(\mathrm{CAC_{ad}}\) \(=\) 広告費(300,000円) \(\div\) 広告経由の新規顧客数(25人)
\(300000 \div 25 = 12000\)
考え方のポイント
同じ月の数字でも、混合CACは10,000円、有料CACは12,000円と値が違います。有料CAC(paid CAC)は「広告を止めたら来なくなる顧客」に絞って、広告1人あたりの獲得単価を見る指標で、広告の出稿を増やすか減らすかの判断に使います。混合CACは紹介や検索など無料で来た顧客も分母に入るので、有料CACより小さくなるのが普通です(ただし分子には人件費やツール費も入るので、それらが大きいと混合CACの方が高くなることもあります)。「CACは1万円」とだけ言われても、どちらの定義かで意味が変わるので、比べるときは定義をそろえてください。 なお、広告の管理画面に出る「CPA」は、広告費を成果(購入・申込・資料請求など)の件数で割った値です。成果1件が必ずしも顧客1人ではない(資料請求しても契約しない人がいる)ことと、分子が広告費だけであることが、CACとの違いです。CPAを扱いたいときは「CPC・CPM・CPA計算機」「損益分岐CPA・許容CPAの計算」ページをお使いください。
LTV/CAC比を求める式
数学表記 (一般的な数式)
\(R\) \(=\) \(\mathrm{LTV}\) \(\div\) \(\mathrm{CAC}\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ LTV/CAC比 \(R\)(倍) \(=\) ① 顧客生涯価値 \(\mathrm{LTV}\) \(\div\) ② 顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\)
式を日本語で読むと
① 顧客生涯価値 \(\mathrm{LTV}\) を
② 顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\) で割ると
③ LTV/CAC比 \(R\)(倍) になる
簡単な例
1人の顧客の粗利ベースのLTVが30,000円で、CACが10,000円のときのLTV/CAC比は
LTV/CAC比 \(R\) \(=\) LTV(30,000円) \(\div\) CAC(10,000円)
\(30000 \div 10000 = 3\)
考え方のポイント
LTV/CAC比は「1人の顧客から得られる価値が、その1人を獲得するのにかけた費用の何倍か」です。1倍ならとんとん、1倍を下回れば獲得するほど損をしている状態です。SaaSやサブスクの世界では「3倍程度」がよく目安として挙げられますが、これは経験則であって決まりではありません。粗利率が高い商売か、資金にどれだけ余裕があるか、顧客が何年続くかで、適切な倍率は変わります。 比べるときの注意が二つあります。一つ目は、LTVは売上ベースではなく原価を引いた粗利ベースを使うこと(売上ベースだと倍率が大きく見えてしまいます)。二つ目は、LTVは将来の見込み、CACは今かかった費用なので、LTVの前提(継続期間やチャーン率)が甘いと比率も甘くなることです。同じ倍率でも、次のCAC回収期間が長ければ、その間の資金繰りに注意が要ります。
CAC回収期間(CAC payback)を求める式
図
数学表記 (一般的な数式)
\(T\) \(=\) \(\mathrm{CAC}\) \(\div\) \(g\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ CAC回収期間 \(T\)(か月) \(=\) ① 顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\) \(\div\) ② 1人あたりの月間粗利 \(g\)
式を日本語で読むと
① 顧客獲得コスト \(\mathrm{CAC}\) を
② 1人あたりの月間粗利 \(g\) (=月間ARPU × 粗利率 ÷ 100)で割ると
③ CAC回収期間 \(T\)(か月) になる
簡単な例
CACが10,000円で、1人あたりの月間売上(月間ARPU)が2,500円・粗利率が40%のときのCAC回収期間は
CAC回収期間 \(T\)(か月) \(=\) CAC(10,000円) \(\div\) 月間粗利(2,500円 × 40% = 1,000円)
\(2500 \times 40 \div 100 = 1000\)
\(10000 \div 1000 = 10\)
考え方のポイント
CAC回収期間は「獲得にかけた費用を、その顧客が毎月もたらす粗利で何か月かけて取り戻せるか」です。図のように、月ごとの粗利を積み上げていった累積粗利の直線が、CACの高さに届く月が回収期間です。月間ARPUに粗利率を掛けた「月間粗利」で割るのが基本で、粗利率を入れずに売上で割ると、原価の分だけ回収が早く見えてしまいます(この計算機では、粗利率が空欄のときは売上ベースであることを結果に表示します)。 この式は「回収が終わる前に解約されない」「毎月の粗利が一定」という前提の単純な定義です。実際には途中で解約する顧客もいるので、回収期間が平均継続月数(100 ÷ 月次チャーン率(%)。月次チャーン率が5%なら \(100 \div 5 = 20\) か月)より長ければ、平均的な顧客では回収しきれないことになります。回収期間が短いほど、獲得に使ったお金が早く戻り、次の獲得に回せるので、資金繰りの面ではLTV/CAC比と並ぶ大事な指標です。設備投資などの回収期間は「回収期間(投資回収期間)の計算」ページで扱っています。
獲得すべき顧客数を逆算する式(予算と目標CACから)
数学表記 (一般的な数式)
\(N\) \(=\) \(B\) \(\div\) \(\mathrm{CAC_{t}}\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 獲得すべき顧客数 \(N\) \(=\) ① 予算 \(B\) \(\div\) ② 目標CAC \(\mathrm{CAC_{t}}\)
式を日本語で読むと
① 予算 \(B\) を
② 目標CAC \(\mathrm{CAC_{t}}\) で割ると
③ 獲得すべき顧客数 \(N\) になる(割り切れないときは切り上げる)
簡単な例
来月の営業・マーケ予算が60万円で、CACを8,000円以内に収めたいときに獲得すべき顧客数は
獲得すべき顧客数 \(N\) \(=\) 予算(600,000円) \(\div\) 目標CAC(8,000円)
\(600000 \div 8000 = 75\)
考え方のポイント
1本目の式 \(\mathrm{CAC} = E \div N\) を、顧客数 \(N\) を求める形に変形しただけです。予算を使い切る前提で「この人数以上獲得できなければ、CACは目標を超えてしまう」という最低ラインを表します。割り切れないときは切り上げます(例:\(600000 \div 7000 \fallingdotseq 85.7\) なら86人。85人だとCACは \(600000 \div 85 \fallingdotseq 7059\) 円で目標を超えます)。 逆に「目標の人数が先にあって、予算をいくらまで使えるか」を知りたいときは \(B = \mathrm{CAC_{t}} \times N\) です(例:50人 × 8,000円 = 40万円まで)。このページの計算機は人数を求める形ですが、掛け算に直せばすぐ出ます。
許容CACを逆算する式(LTVと目標LTV/CAC比から)
数学表記 (一般的な数式)
\(\mathrm{CAC_{max}}\) \(=\) \(\mathrm{LTV}\) \(\div\) \(R_{t}\)
日本語表記 (記号を日本語に置き換えた式)
③ 許容CAC \(\mathrm{CAC_{max}}\) \(=\) ① 顧客生涯価値 \(\mathrm{LTV}\) \(\div\) ② 目標LTV/CAC比 \(R_{t}\)(倍)
式を日本語で読むと
① 顧客生涯価値 \(\mathrm{LTV}\) を
② 目標LTV/CAC比 \(R_{t}\)(倍) で割ると
③ 許容CAC \(\mathrm{CAC_{max}}\) になる
簡単な例
粗利ベースのLTVが30,000円で、LTV/CAC比を3倍以上にしたいときの許容CAC(1人の獲得にかけてよい上限)は
許容CAC \(\mathrm{CAC_{max}}\) \(=\) LTV(30,000円) \(\div\) 目標LTV/CAC比(3倍)
\(30000 \div 3 = 10000\)
考え方のポイント
3本目の式 \(R = \mathrm{LTV} \div \mathrm{CAC}\) を、CACを求める形に変形したものです。「LTVの3分の1までなら1人の獲得にかけてよい」という上限を表します。答えの10,000円は「CACがちょうど10,000円なら目標の3倍にぴったり届く」境目の値なので、実際にはこれより低く抑える必要があります。目標比率を1倍にすると、許容CACはLTVそのもの(獲得費用と生涯の粗利がとんとん)になります。 許容CACが決まれば、予算 ÷ 許容CAC で「その予算で最低何人獲得すべきか」も出ます(この計算機では予算を入れると同時に計算します)。1件の成果あたりの広告費の上限(許容CPA)を客単価と粗利率から決めたいときは「損益分岐CPA・許容CPAの計算」ページをお使いください。
CACは「営業・マーケ費用の合計 ÷ 新規顧客数」で、広告費だけを広告経由の顧客数で割ったものは有料CACとして区別します。LTVをCACで割ればLTV/CAC比、CACを1人あたりの月間粗利で割ればCAC回収期間(か月)です。式を変形すれば、予算と目標CACから獲得すべき顧客数、LTVと目標比率から許容CACを逆算できます。

用語・記号の解説

記号

\(\mathrm{CAC}\) シーエーシー・キャック 顧客獲得コスト。Customer Acquisition Cost(カスタマー・アクイジション・コスト)の頭文字で、新規顧客を1人獲得するのにかかった費用の平均です。このページでは、費用の合計を新規顧客数(全体)で割った混合CACを指します。
\(E\) イー 営業・マーケティング費用の合計。Expense(費用)の頭文字です。広告費・人件費・ツールや制作の費用など、新規顧客を獲得するためにかかった費用を全部足したものです。
\(N\) エヌ 新規顧客数。Number(数)の頭文字です。費用と同じ期間に新しく契約・購入した顧客の人数で、広告経由かどうかを問わず全員を数えます。逆算の式では「獲得すべき顧客数」を表します。
\(\mathrm{CAC_{ad}}\) シーエーシー・エーディー 有料CAC。添え字の ad は advertising(広告)の略で、このページで区別のために付けた記号です。広告費 \(E_{ad}\) を広告経由の新規顧客数 \(N_{ad}\) で割った値です。
\(E_{ad}\) イー・エーディー 広告費。費用 \(E\) のうち、広告の出稿にかかった分だけを取り出したものです。
\(N_{ad}\) エヌ・エーディー 広告経由の新規顧客数。新規顧客 \(N\) のうち、広告をクリックして来た人の数です。
\(\mathrm{LTV}\) エルティーブイ 顧客生涯価値。Life Time Value(ライフ・タイム・バリュー)の頭文字で、1人の顧客が取引を続ける間にもたらす価値の合計です。CACと比べるときは、原価を引いた粗利ベースのLTVを使うのが基本です。
\(R\) アール LTV/CAC比。Ratio(比率)の頭文字で、LTVがCACの何倍かを表します。添え字付きの \(R_{t}\) は目標(target)の比率です。
\(T\) ティー CAC回収期間(か月)。Time(時間)の頭文字で、獲得にかけた費用を月間粗利で取り戻すのにかかる月数です。
\(g\) ジー 1人あたりの月間粗利。gross profit(粗利)の頭文字で、月間ARPU(1人あたりの月間売上)に粗利率を掛けて100で割った値です。粗利率を入れないときは月間ARPUそのもの(売上ベース)になります。
\(B\) ビー 予算。Budget(予算)の頭文字で、その期間に使う予定の営業・マーケティング費用の合計です。
\(\mathrm{CAC_{t}}\) シーエーシー・ティー 目標CAC。添え字の t は target(目標)の頭文字で、1人の獲得にかけてよいと決めた上限の金額です。
\(\mathrm{CAC_{max}}\) シーエーシー・マックス 許容CAC。添え字の max は maximum(最大)の略で、LTVを目標比率で割って求めた「1人の獲得にかけてよい上限」です。

用語

顧客獲得コスト
(CAC)
こきゃくかくとくコスト(シーエーシー) 新しい顧客を1人獲得するのにかかった費用の平均。営業・マーケティングにかかった費用の合計を、同じ期間の新規顧客数で割って求めます。「顧客1人を連れてくるのにいくら払ったか」という値段のようなもので、LTV(1人がもたらす価値)と比べることで、獲得にかけた費用が見合っているかを判断します。
混合CAC
(blended CAC)
こんごうシーエーシー 費用の合計を新規顧客全員(紹介・検索・口コミで来た人も含む)で割ったCAC。無料で来る顧客がいる分、有料CACより小さくなるのが普通です。事業全体の効率を見るときに使います。
有料CAC
(paid CAC)
ゆうりょうシーエーシー 広告費だけを広告経由の新規顧客数で割ったCAC。無料で来る顧客を含めない分、混合CACより大きくなるのが普通です。広告の出稿量を決めるときに使います。
CPA
(顧客獲得単価・成果単価)
シーピーエー Cost Per Acquisition(または Cost Per Action)の略で、広告費を成果(購入・申込・資料請求など)の件数で割った値。広告の管理画面に出る指標です。分子が広告費だけであること、分母が「成果の件数」であって「顧客の人数」とは限らないこと(資料請求しても契約しない人がいる)が、CACとの違いです。
LTV/CAC比
(ユニットエコノミクス)
エルティーブイ・シーエーシーひ(ユニットエコノミクス) LTVをCACで割った倍率で、「顧客1人あたりの採算」を表す代表的な指標。この「顧客1人あたり(1単位あたり)の採算」の考え方をユニットエコノミクスと呼びます。1倍を下回ると獲得するほど損をし、SaaSでは3倍程度がよく目安に挙げられますが、業種や資金の余裕によって適切な値は変わります。
CAC回収期間
(CAC payback period)
シーエーシーかいしゅうきかん(シーエーシー・ペイバック・ピリオド) 獲得にかけた費用(CAC)を、その顧客が毎月もたらす粗利で取り戻すのにかかる月数。CAC ÷ 1人あたりの月間粗利で求めます。短いほど資金が早く戻り、次の獲得に回せます。回収前の解約を考えない単純な定義なので、平均継続月数より長ければ平均的な顧客では回収しきれないことになります。
月間ARPU げっかんアープ(エーアールピーユー) Average Revenue Per User の略で、1人の顧客から1か月に得られる平均の売上。「その月の売上 ÷ その月の顧客数」で求めます。回収期間の計算では、これに粗利率を掛けて月間粗利に直してから使います。
粗利率
(粗利益率)
あらりりつ(あらりえきりつ) 売上に対する粗利(売上 − 原価)の割合(%)。売上2,500円のうち原価が1,500円なら粗利は1,000円で、粗利率は40%です。詳しくは「利益率計算機」ページで解説しています。
顧客生涯価値
(LTV)
こきゃくしょうがいかち(エルティーブイ) 1人の顧客が、初めての購入から離れていくまでの間に合計でもたらす価値。EC・店舗型なら「単価 × 購入頻度 × 継続期間」、サブスク型なら「ARPU × 粗利率 ÷ チャーン率」で求めます。CACと比べるときは粗利ベースを使います。求め方は「顧客生涯価値(LTV)の計算」ページで解説しています。
切り上げ きりあげ 小数点以下に端数があるとき、値を大きい方の整数にそろえること。獲得すべき顧客数が \(85.7\) 人のように割り切れないときは、85人では目標CACを超えてしまうので、86人に切り上げます。

前提として理解しておくといいこと

このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。

割合・百分率(小学5年)
  • 割合が「比べられる量 ÷ もとにする量」で求められること
  • %と小数を行き来できること(\(40\% = 0.4\))
  • 「売上の40%」のように、ある量の何%かを掛け算で求められること(\(2500 \times 0.4 = 1000\))
単位量あたりの大きさ・平均(小学5年)
  • 「1人あたり」の量が、合計 ÷ 人数 で求められること(費用の合計 ÷ 新規顧客数 = 1人あたりの費用)
  • 「何倍か」が、比べる量 ÷ もとにする量 で求められること(LTV ÷ CAC)
割り算の商と切り上げ(小学4〜5年)
  • 割り切れない割り算の答えを、目的に合わせて切り上げたり切り捨てたりできること(獲得すべき顧客数は切り上げ)
文字式・等式の変形(中学1〜2年)
  • \(\mathrm{CAC} = E \div N\) のような文字式の意味がわかり、\(N = E \div \mathrm{CAC}\) のように別の量を求める形に変形できること
比例のグラフ(中学1年)
  • 毎月同じ額ずつ増える累積粗利が、原点を通る直線(比例のグラフ)になること。その直線がCACの高さに届く月が回収期間だと読み取れること

Excelで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
式ごとにシートが分かれたExcelファイルです。貼り付け場所を気にせず、開いてすぐ使えます。
下の表を丸ごとコピーして、ExcelのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「顧客獲得コスト(CAC・混合CAC)」を求める表
広告費 300000
営業・マーケの人件費 150000
ツール・制作費など 50000
新規顧客数 N(人) 50
費用の合計 E =B1+B2+B3
CAC(混合CAC) =B5/B4
「有料CAC」を求める表
広告費 Ead 300000
広告経由の新規顧客数 Nad(人) 25
有料CAC =B1/B2
「LTV/CAC比」を求める表
LTV(粗利ベース) 30000
CAC 10000
LTV/CAC比(倍) =B1/B2
「CAC回収期間」を求める表
CAC 10000
月間ARPU A 2500
粗利率 M(%) 40
1人あたりの月間粗利 g =B2*B3/100
CAC回収期間 T(か月) =B1/B4
「獲得すべき顧客数」を逆算する表(予算と目標CACから)
予算 B 600000
目標CAC 8000
獲得すべき顧客数(計算値) =B1/B2
獲得すべき顧客数(切り上げ) =ROUNDUP(B1/B2,0)
「許容CAC」を逆算する表(LTVと目標LTV/CAC比から)
LTV(粗利ベース) 30000
目標LTV/CAC比 Rt(倍) 3
許容CAC =B1/B2
貼り付けると、B列の上の行が入力欄になり、下の行が自動計算の結果になります。
例えば1つ目の表ならB5に500000(費用の合計)・B6に10000(CAC 10,000円)、2つ目の表ならB3に12000、3つ目の表ならB3に3(3倍)、4つ目の表ならB4に1000・B5に10(10か月)、5つ目の表ならB3とB4に75(75人)、6つ目の表ならB3に10000(許容CAC 10,000円)と表示されます。
5つ目の表のROUNDUPは「小数点以下を切り上げる」関数で、割り切れないときに85.7人→86人のように人数を整えます。入力欄を自分の数値に書き換えるだけで使えます。

Googleスプレッドシートで計算する方法

Excelファイルをダウンロード
上のExcelファイルをダウンロードし、Googleドライブにアップロードして開くと、そのままスプレッドシートとして使えます。
下の表を丸ごとコピーして、GoogleスプレッドシートのA1セルに貼り付けるとそのまま使えます。
「顧客獲得コスト(CAC・混合CAC)」を求める表
広告費 300000
営業・マーケの人件費 150000
ツール・制作費など 50000
新規顧客数 N(人) 50
費用の合計 E =B1+B2+B3
CAC(混合CAC) =B5/B4
「有料CAC」を求める表
広告費 Ead 300000
広告経由の新規顧客数 Nad(人) 25
有料CAC =B1/B2
「LTV/CAC比」を求める表
LTV(粗利ベース) 30000
CAC 10000
LTV/CAC比(倍) =B1/B2
「CAC回収期間」を求める表
CAC 10000
月間ARPU A 2500
粗利率 M(%) 40
1人あたりの月間粗利 g =B2*B3/100
CAC回収期間 T(か月) =B1/B4
「獲得すべき顧客数」を逆算する表(予算と目標CACから)
予算 B 600000
目標CAC 8000
獲得すべき顧客数(計算値) =B1/B2
獲得すべき顧客数(切り上げ) =ROUNDUP(B1/B2,0)
「許容CAC」を逆算する表(LTVと目標LTV/CAC比から)
LTV(粗利ベース) 30000
目標LTV/CAC比 Rt(倍) 3
許容CAC =B1/B2
Excelと同じ式(ROUNDUPも同じ)がそのまま使えます。表を丸ごとコピーしてA1セルに貼り付け、入力欄を自分の数値に書き換えてください。

Pythonで計算する方法

import math

# CAC(混合CAC):費用の合計 ÷ 新規顧客数
ad_cost = 300000        # 広告費(円)
labor_cost = 150000     # 営業・マーケの人件費(円)
tool_cost = 50000       # ツール・制作費など(円)
new_customers = 50      # 新規顧客数(人・経路を問わず全員)

total_cost = ad_cost + labor_cost + tool_cost
cac = total_cost / new_customers
print(f"費用の合計: {total_cost}円")
print(f"CAC(混合CAC): {cac}円")

# 有料CAC:広告費 ÷ 広告経由の新規顧客数
ad_customers = 25
paid_cac = ad_cost / ad_customers
print(f"有料CAC: {paid_cac}円")

# LTV/CAC比:LTV(粗利ベース) ÷ CAC
ltv = 30000
ltv_cac_ratio = ltv / cac
print(f"LTV/CAC比: {ltv_cac_ratio}倍")

# CAC回収期間:CAC ÷ 月間粗利(= 月間ARPU × 粗利率 ÷ 100)
arpu = 2500             # 月間ARPU(円)
gross_margin = 40       # 粗利率(%)
monthly_gross = arpu * gross_margin / 100
payback_months = cac / monthly_gross
print(f"1人あたりの月間粗利: {monthly_gross}円")
print(f"CAC回収期間: {payback_months}か月")

# 逆算:予算と目標CACから獲得すべき顧客数(切り上げ)
budget = 600000
target_cac = 8000
required_customers = math.ceil(budget / target_cac)
print(f"獲得すべき顧客数: {required_customers}人")

# 逆算:LTVと目標LTV/CAC比から許容CAC
target_ratio = 3
max_cac = ltv / target_ratio
print(f"許容CAC: {max_cac}円")
標準ライブラリだけで動きます。この例では費用の合計が500000円、CACが10000.0円、有料CACが12000.0円、LTV/CAC比が3.0倍、月間粗利が1000.0円、CAC回収期間が10.0か月、獲得すべき顧客数が75人、許容CACが10000.0円になります。math.ceil は小数点以下を切り上げる関数です。先頭の費用・顧客数・LTVなどを書き換えて実行してください。

数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)

顧客獲得コスト(CAC)を求める式(混合CAC)
CAC = E ÷ N
\mathrm{CAC} = \dfrac{E}{N}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>CAC</mi>
    <mo>=</mo>
    <mfrac><mi>E</mi><mi>N</mi></mfrac>
  </mrow>
</math>
CAC = E/N
expense/newCustomers
CAC := E/N;
CAC = E/N;
CAC = E/N
有料CACを求める式(広告費と広告経由の顧客数から)
CACad = Ead ÷ Nad
\mathrm{CAC_{ad}} = \dfrac{E_{ad}}{N_{ad}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <msub><mi>CAC</mi><mi>ad</mi></msub>
    <mo>=</mo>
    <mfrac>
      <msub><mi>E</mi><mi>ad</mi></msub>
      <msub><mi>N</mi><mi>ad</mi></msub>
    </mfrac>
  </mrow>
</math>
CAC_(ad) = E_(ad)/N_(ad)
adCost/adCustomers
CACad := Ead/Nad;
CACad = Ead/Nad;
CAC_ad = E_ad/N_ad
LTV/CAC比を求める式
R = LTV ÷ CAC
R = \dfrac{\mathrm{LTV}}{\mathrm{CAC}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>R</mi>
    <mo>=</mo>
    <mfrac><mi>LTV</mi><mi>CAC</mi></mfrac>
  </mrow>
</math>
R = LTV/CAC
ltv/cac
R := LTV/CAC;
R = LTV/CAC;
R = LTV/CAC
CAC回収期間(CAC payback)を求める式
T = CAC ÷ g
T = \dfrac{\mathrm{CAC}}{g}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>T</mi>
    <mo>=</mo>
    <mfrac><mi>CAC</mi><mi>g</mi></mfrac>
  </mrow>
</math>
T = CAC/g
cac/monthlyGross
T := CAC/g;
T = CAC/g;
T = CAC/g
獲得すべき顧客数を逆算する式(予算と目標CACから)
N = B ÷ CACt
N = \dfrac{B}{\mathrm{CAC_{t}}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <mi>N</mi>
    <mo>=</mo>
    <mfrac>
      <mi>B</mi>
      <msub><mi>CAC</mi><mi>t</mi></msub>
    </mfrac>
  </mrow>
</math>
N = B/CAC_t
budget/targetCac
N := B/CACt;
N = B/CACt;
N = B/CAC_t
許容CACを逆算する式(LTVと目標LTV/CAC比から)
CACmax = LTV ÷ Rt
\mathrm{CAC_{max}} = \dfrac{\mathrm{LTV}}{R_{t}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
  <mrow>
    <msub><mi>CAC</mi><mi>max</mi></msub>
    <mo>=</mo>
    <mfrac>
      <mi>LTV</mi>
      <msub><mi>R</mi><mi>t</mi></msub>
    </mfrac>
  </mrow>
</math>
CAC_(max) = LTV/R_t
ltv/targetRatio
CACmax := LTV/Rt;
CACmax = LTV/Rt;
CAC_max = LTV/R_t

ChatGPT に聞いて計算してもらう方法

あなたはマーケティング指標の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。

ある会社は1か月に、広告費300,000円、営業・マーケティングの人件費150,000円、ツールと制作の費用50,000円を使い、新規顧客を50人獲得しました。そのうち広告経由の顧客は25人です。
次の値をそれぞれ求めてください。
1. 混合CAC(費用の合計 ÷ 新規顧客数)
2. 有料CAC(広告費 ÷ 広告経由の新規顧客数)
3. 1人の顧客の粗利ベースのLTVが30,000円のときのLTV/CAC比(LTV ÷ 混合CAC)
4. 月間ARPUが2,500円、粗利率が40%のときのCAC回収期間(混合CAC ÷ (月間ARPU × 粗利率 ÷ 100))
5. 来月の予算が600,000円で、CACを8,000円以内に収めたいときに獲得すべき顧客数(予算 ÷ 目標CAC。割り切れなければ切り上げ)
6. LTV/CAC比を3倍以上にしたいときの許容CAC(LTV ÷ 3)

計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。

計算ドリル(演習問題)

このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。


使い方
  1. 1
    数値を入力
    計算したい数値を入力欄に入力します
  2. 2
    計算
    「計算する」ボタンを押します
  3. 3
    結果を確認
    計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
  DataChefの特徴
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