下の8項目のうち、わかっている2つだけに数値を入力してください。2つの事象が独立だとして、残りの確率をすべて逆算します。
このページでできること
- 2つの出来事(事象)にまつわる8つの確率——それぞれが起こる確率・起こらない確率・「両方起こる確率 \(P(A \cap B)\)」・「少なくとも一方が起こる確率 \(P(A \cup B)\)」など——のうち、わかっている2つを入れるだけで、残りをすべて逆算できます
- 「少なくとも一方が起こる確率が58%、両方起こる確率が12%だとわかっている。それぞれの確率は?」のような、普通の計算機では求めにくい「逆向き」の計算が得意です
- 答えだけでなく計算の過程(途中の式)も表示するので、宿題の答え合わせや検算にも使えます
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
「商品Aと商品Bの少なくとも一方を知っている人は58%、両方知っている人は12%」という調査結果から、それぞれの認知率(30%と40%)を逆算できます(認知が独立とみなせる場合のモデル計算です)。
マーケティングの現場では、集計済みの「合算された数字」しか手元にないことがよくあり、そこから個別の数字を取り出したいときにこの逆算が役に立ちます。
「2つの設備のどちらかが止まった日は年間の14.5%あった。両方同時に止まった日は0.5%だった」——この記録から、設備ごとの故障率(5%と10%)を逆算できます。
現実のデータは「組み合わさった結果」しか残っていないことが多いので、そこから個々の確率を推定する考え方は、設備管理や業務改善の分析で広く使われています。
2人で書類をチェックしていて、「少なくとも一方がミスを見つける確率は90%、両方が見つける確率は40%」という実績があるとき、それぞれの発見率(80%と50%)を逆算できます(2人の検出が互いに独立とみなせる場合のモデル計算です)。
チェック担当それぞれの実力を、個人を試験しなくても実績データから見積もれるので、体制の見直し(誰と誰を組ませるか、1人でも十分か)を数字を根拠に考えられます。
「スマホとタブレットの少なくとも一方を持つ人が85%、両方持つ人が35%」という調査結果から、それぞれの普及率(70%と50%)を逆算できます(保有が互いに独立とみなせる場合の概算です)。
公表される統計には「少なくとも一方」「両方」の形にまとめられた数字しか載っていないことがあり、そこから知りたい個別の割合を取り出すのに使えます。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(P(A)\) | ピー・エー | 事象Aが起こる確率。Pは確率を意味する英語 Probability の頭文字です。 |
| \(\overline{A}\) | エー・バー(余事象) | Aの上に横棒を書いて「Aが起こらない」という事象(余事象)を表します。\(P(\overline{A}) = 1 - P(A)\) で求められます。 |
| \(\cap\) | キャップ(共通部分) | 「かつ」を表す記号。\(A \cap B\) は「AとBが両方起こる」という事象です。ベン図では2つの円の重なった部分にあたります。 |
| \(\cup\) | カップ(和集合) | 「または」を表す記号。\(A \cup B\) は「AとBの少なくとも一方が起こる」という事象です。ベン図では2つの円を合わせた全体にあたります。 |
| \(\Delta\) | デルタ(対称差) | 「どちらか一方だけ」を表す記号。\(A \Delta B\) は「AかBのどちらか一方だけが起こる(両方は起こらない)」という事象です。 |
用語
| 事象 | じしょう | 「サイコロで6が出る」「明日雨が降る」のような、起こるか起こらないかが決まる出来事のこと。数学では出来事のことを「事象」と呼び、AやBという名前を付けて扱います。 |
| 独立 | どくりつ | 一方の結果がもう一方の起こりやすさに影響しないこと。「くじを戻さずにもう1回引く」場合は1回目の結果で2回目の確率が変わるので独立ではありません。このページの逆算は独立な場合専用です。 |
| 余事象 | よじしょう | その出来事が「起こらない」という反対側の事象のこと。起こる確率が0.3なら、起こらない確率(余事象の確率)は \(1 - 0.3 = 0.7\) です。 |
| 連立方程式 | れんりつほうていしき | 求めたい数(未知数)が2つあるとき、関係式(方程式)を2本組み合わせて両方の値を求める方法。このページの逆算は、\(P(A)\) と \(P(B)\) を未知数とする連立方程式を解いています。 |
| 二次方程式 | にじほうていしき | 「足すと \(S\)、掛けると \(P\) になる2つの数」を求める問題は二次方程式になります。このページの逆算の多くは、最後にこの形に行き着きます。 |
| 解の公式 | かいのこうしき | 二次方程式を機械的に解くための公式。このページの逆算で最後に行き着く二次方程式は、これで解きます。 |
| 判別式 | はんべつしき | 解の公式のルート(平方根)の中身のこと。プラスなら解が2つ、0ならちょうど1つ、マイナスなら「当てはまる数が存在しない(解なし)」と判定できます。このページで「解なし」と表示されるケースの代表例が、判別式がマイナスになる場合です。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 確率の基礎(中学2年) |
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| 2つの独立な事象の確率(このサイトの姉妹ページ) |
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| 一次方程式(中学1年) |
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| 二次方程式・解の公式(中学3年) |
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Excelで計算する方法
| 両方起こる確率 P(A∩B) | 0.12 |
| 少なくとも一方が起こる確率 P(A∪B) | 0.58 |
| P(A)(2つの解のうち小さい方) | =(B1+B2-SQRT((B1+B2)^2-4*B1))/2 |
| P(B)(2つの解のうち大きい方) | =(B1+B2+SQRT((B1+B2)^2-4*B1))/2 |
P(A)+P(B) = P(A∪B)+P(A∩B)、P(A)×P(B) = P(A∩B) という関係から、2次方程式の解の公式で解いています。
SQRTはルート(平方根)を計算する関数です。ルートの中身がマイナスになる入力は「解なし」で、エラー(#NUM!)になります。
ほかの組み合わせ(P(A)とP(A∪B)がわかっている場合など)については、このページの計算機が表示する「計算の過程」を参考にしてください。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 両方起こる確率 P(A∩B) | 0.12 |
| 少なくとも一方が起こる確率 P(A∪B) | 0.58 |
| P(A)(2つの解のうち小さい方) | =(B1+B2-SQRT((B1+B2)^2-4*B1))/2 |
| P(B)(2つの解のうち大きい方) | =(B1+B2+SQRT((B1+B2)^2-4*B1))/2 |
Pythonで計算する方法
import math
p_both = 0.12 # 両方起こる確率 P(A∩B)
p_at_least_one = 0.58 # 少なくとも一方が起こる確率 P(A∪B)
sum_of_pa_pb = p_at_least_one + p_both # P(A) + P(B)
product_of_pa_pb = p_both # P(A) × P(B)
discriminant = sum_of_pa_pb ** 2 - 4 * product_of_pa_pb # 2次方程式の判別式
if discriminant < 0:
print("解なし(この組み合わせを満たす確率はありません)")
else:
sqrt_of_discriminant = math.sqrt(discriminant)
p_a = (sum_of_pa_pb - sqrt_of_discriminant) / 2
p_b = (sum_of_pa_pb + sqrt_of_discriminant) / 2
print(f"P(A) = {p_a}, P(B) = {p_b}")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
P(A∩B) = P(A) × P(B), P(A∪B) = P(A) + P(B) − P(A)×P(B)
P(A \cap B) = P(A)\,P(B), \quad P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A)\,P(B)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>A</mi><mo>∩</mo><mi>B</mi><mo>)</mo>
<mo>=</mo>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>A</mi><mo>)</mo>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>B</mi><mo>)</mo>
<mo>,</mo>
<mspace width="1em"></mspace>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>A</mi><mo>∪</mo><mi>B</mi><mo>)</mo>
<mo>=</mo>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>A</mi><mo>)</mo>
<mo>+</mo>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>B</mi><mo>)</mo>
<mo>−</mo>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>A</mi><mo>)</mo>
<mi>P</mi><mo>(</mo><mi>B</mi><mo>)</mo>
</mrow>
</math>
P(A nn B) = P(A) P(B), P(A uu B) = P(A) + P(B) - P(A) P(B)
Solve[{pa*pb == 0.12, pa + pb - pa*pb == 0.58}, {pa, pb}]
solve({pa*pb = 0.12, pa + pb - pa*pb = 0.58}, {pa, pb});
syms pa pb; sol = solve(pa*pb == 0.12, pa + pb - pa*pb == 0.58, pa, pb);
P(A∩B) = P(A) × P(B), P(A∪B) = P(A) + P(B) - P(A)×P(B)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは確率の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 独立な2つの事象A・Bについて、両方起こる確率 P(A∩B) = 0.12、少なくとも一方が起こる確率 P(A∪B) = 0.58 だとわかっています。 P(A) と P(B) を求め、さらにそれぞれが起こらない確率、どちらか一方だけが起こる確率 P(AΔB)、どちらも起こらない確率も求めてください。 解が2通りある場合は両方示してください。計算に使った式と実行結果を表形式で示してください。
計算ドリル(演習問題)
わかっている確率から残りの確率を逆算する練習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
