電力 P(W)・電圧 V(V)・電流 I(A)の3つのうち、わかっている2つを入力してください。残り1つを計算します。電圧はプリセット(100V/200V)から選ぶと自動で入ります。
このページでできること
- 電力 \(P\)(W)・電圧 \(V\)(V)・電流 \(I\)(A)の3つのうち2つを入れるだけで、残り1つを計算できます(例:1500Wの家電を100Vで使うと何アンペア流れるか)
- 電圧は「100V」「200V」のプリセットから選べます(その他の電圧も手入力できます)。電圧が2倍になると同じ電力でも電流が半分になることをグラフで確かめられます
- 力率(既定は1)を入れると、モーターやエアコンのように電圧×電流がそのまま消費電力にならない機器も計算できます。有効電力(W)と皮相電力(VA)の両方を表示します
- 延長コード・テーブルタップの定格(「合計1500Wまで」)や、家のブレーカーの容量(A)と家電の消費電力(W)を比べるときの基本の計算です
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
延長コードやテーブルタップの定格は「15A・1500W」が一般的です。これは100Vで15A(\(100 \times 15 = 1500\) W)という意味なので、つないだ家電の消費電力を足して1500Wを超えないかを確かめます。例えば1200Wのドライヤー(12A)と600Wの電気ケトル(6A)を同じタップで同時に使うと合計1800W・18Aとなり、定格を超えます。
「W表示をAに直して定格と比べる」——この一手間が、コードの発熱・火災を防ぐ基本です。
アンペア制の契約(東日本の電力会社などで一般的)では、家のブレーカーに「30A」「40A」のように契約アンペアが書かれていて、同時に流れる電流の合計がこれを超えると落ちます。電子レンジ1400W(14A)・ドライヤー1200W(12A)・エアコン800W(8A)を同時に使うと合計34Aなので、30A契約の家なら落ちる可能性が高い、という見当が付けられます。
ただし部屋ごとの分岐回路(多くは20A)や機器の起動時の電流もあるので、ここでの計算はあくまで目安です。契約アンペアの変更や専用回路の増設は、電力会社や電気工事士に相談します。
IHクッキングヒーター(3000W級)やパワーの大きいエアコンは、100Vで使うと \(3000 \div 100 = 30\) A もの電流が流れ、普通のコンセント(15A)や配線では扱えません。200Vにすると \(3000 \div 200 = 15\) A と半分になり、配線やコンセントにかかる負担が小さくなります(実際の配線の太さやブレーカーの容量は電気工事士が決めます)。
「同じ電力なら電圧を上げるほど電流が減る」というこの式の性質が、大きな電力の機器に200Vが使われる理由です(送電線が超高圧なのも同じ理由です)。
発電機やUPS(無停電電源装置)の容量は「1500VA」のように皮相電力で書かれ、家電のカタログは「消費電力 ○W」で書かれています。力率1の電気ストーブなら1500W=1500VAですが、力率0.8のモーター機器なら消費電力1000Wでも \(1000 \div 0.8 = 1250\) VA の容量が必要です。
停電に備えて機器を選ぶとき、WとVAを同じものとして足すと容量不足になることがあります。力率の考え方を知っておくと、必要な容量を正しく見積もれます。
車のシガーソケットやサブバッテリーは12Vです。100Wの機器をつなぐと \(100 \div 12 \fallingdotseq 8.3\) A と、家庭の100Vで使うとき(1A)の8倍以上の電流が流れます。電流が大きいほど太いケーブルとヒューズが必要になるので、車やキャンピングカーの電装では「Wを12で割ってAを出す」計算が配線選びの出発点になります。
ソーラーパネルやバッテリーの直流系統でも、電圧が低いほど電流が大きくなるこの関係は同じです。
電気工事士は、コンセントや照明の回路に流れる電流を計算して、電線の太さやブレーカーの容量を決めます。単相200Vで3kWのIHなら15A、力率0.8のモーターならその分だけ電流が増える、というふうに、この式(\(I = P \div (V \times \cos\varphi)\))は設計と試験の両方で毎回使う基本です。
第二種電気工事士の学科試験でも、電力・電圧・電流・力率の計算は定番の出題です。
式
用語・記号の解説
記号
| \(P\) | ピー | 電力(有効電力)。1秒あたりに実際に消費される電気エネルギーで、家電のカタログの「消費電力」がこれです。英語の power(力・仕事率)の頭文字です。単位はW(ワット)です。 |
| \(V\) | ブイ | 電圧。電流を流そうとする力の大きさです。英語の voltage(電圧)の頭文字です。単位もV(ボルト)なので、「量の記号 \(V\)」と「単位のV」が同じ文字になっています(例:\(V = 100\) V)。 |
| \(I\) | アイ | 電流。回路を流れる電気の量です。フランス語の intensité(強さ)の頭文字に由来し、英語圏でも電流は \(I\) と書きます。単位はA(アンペア)です。 |
| \(\cos\varphi\) | コサインファイ りきりつ | 力率。電圧×電流(皮相電力)のうち、実際に消費される電力(有効電力)の割合です。交流では電圧と電流の波のタイミングが \(\varphi\)(ファイ)だけずれることがあり、そのずれの角度のコサイン(\(\cos\))が力率になるので、この記号で書きます。0より大きく1以下の数で、抵抗負荷では1です。 |
| \(S\) | エス | 皮相電力。電圧×電流そのもので、力率を掛ける前の「見かけの電力」です。英語の apparent power(見かけの電力)を表す記号として \(S\) が使われます。単位はVA(ボルトアンペア)です。 |
| W | ワット | 電力(有効電力)の単位。「1秒あたり1ジュールのエネルギーを使う」ペースが1 Wです。家電の消費電力の表示(例:ドライヤー1200 W)でおなじみです。1000倍のkW(キロワット)もよく使われます。 |
| V | ボルト | 電圧の単位。日本の家庭用コンセントは100 V、IHクッキングヒーターやエアコンの専用コンセントは200 V、乾電池1本は1.5 V、車のバッテリーは12 Vです。 |
| A | アンペア | 電流の単位。家庭のブレーカーの「30A」「40A」や、延長コードの定格「15A」はこの単位です。 |
| VA | ボルトアンペア | 皮相電力の単位。「電圧(V)×電流(A)」をそのまま単位にしたもので、Wと区別するために使います。発電機・UPS(無停電電源装置)・変圧器の容量はVA(またはkVA)で書かれるのが普通です。 |
用語
| 電力 (有効電力) |
でんりょく(ゆうこうでんりょく) | 1秒あたりに実際に消費される電気エネルギーの量。単位はW(ワット)です。家電のカタログの「消費電力」がこれで、電力に使用時間を掛けたものが電力量(kWh。電気代の計算に使う量)になります。交流では、力率を掛ける前の皮相電力と区別するために「有効電力」と呼びます。 |
| 皮相電力 | ひそうでんりょく | 電圧×電流をそのまま計算した「見かけの電力」。単位はVA(ボルトアンペア)です。「皮相」は「うわべ・見かけ」という意味です。配線・ブレーカー・発電機に流れる電流はこの皮相電力で決まるので、機器の容量を考えるときの基準になります。 |
| 力率 | りきりつ | 皮相電力(VA)のうち有効電力(W)になる割合。「有効電力 ÷ 皮相電力」で、0より大きく1以下の数です。電気ストーブ・白熱電球・ドライヤーのような抵抗負荷では1、モーター・エアコン・冷蔵庫・蛍光灯のようにコイルを使う機器では1より小さくなります(0.6〜0.95程度)。厳密には、電圧と電流の波のずれによる分(\(\cos\varphi\))のほかに、インバーター機器やパソコンの電源のように電流の波形がゆがむことで下がる分もあり、このページではその両方を含めた総合的な力率を入力します。カタログに「力率」が書かれていない家電は、消費電力(W)と電圧から電流を求めるとき、力率1として計算しても電流を小さめに見積もる方向になる点に注意が必要です。 |
| 無効電力 | むこうでんりょく | 皮相電力のうち有効電力にならない分。コイルやコンデンサーと電源の間を行ったり来たりするだけで、消費はされない電力です。単位はvar(バール)です。このページでは計算しませんが、皮相電力・有効電力・無効電力は直角三角形の3辺の関係(皮相電力が斜辺)になっています。 |
| 抵抗負荷 | ていこうふか | 電気をそのまま熱や光に変える機器のこと。電気ストーブ・電気ケトル・白熱電球・ドライヤー(のヒーター部分)などです。力率が1なので、「電力=電圧×電流」がそのまま成り立ちます。 |
| 単相100V | たんそうひゃくボルト | 日本の家庭に引き込まれている電気の方式のうち、一般のコンセントに使われている方式。大きな電力の機器には単相200Vが使われます。 |
| 単相200V | たんそうにひゃくボルト | 日本の家庭で、IHクッキングヒーター・エアコン・電気自動車の充電器などの専用コンセントに使われる方式。同じ電力なら100Vのときより電流が半分で済むので、大きな電力の機器に向いています。 |
| 三相200V | さんそうにひゃくボルト | 工場・店舗・エレベーターのモーターなどで使われる電気の方式(動力)。3本の線で電気を送り、電力の式は \(P = \sqrt{3} \times V \times I \times \cos\varphi\) と \(\sqrt{3}\)(約1.732)が入ります。この計算機の式は単相用なので、三相にはそのまま使えません。 |
| 定格 | ていかく | その製品が安全に使える上限としてメーカーが定めた値。延長コードの「定格15A・1500W」、家電の「定格消費電力」などです。合計の電流や電力が定格を超える使い方は発熱・火災の原因になるので避けます。 |
| 契約アンペア | けいやくアンペア | 家全体で同時に流せる電流の上限(30A・40A・50Aなど)。家電の消費電力(W)を電流(A)に直して足し合わせると、この上限に収まるかの目安がわかります。契約の変更は電力会社に相談します。 |
| ブレーカー | ブレーカー | 契約アンペアなどの上限を超えた電流が流れたときに電気を止める装置。家電の消費電力(W)を電流(A)に直して足し合わせると、ブレーカーが落ちそうかの目安がわかります。工事の変更は電気工事士に相談します。 |
| 実効値 | じっこうち | 交流の電圧・電流の大きさの表し方。交流は波のように向きと大きさが変わり続けるので、「同じ熱を出す直流の値」に換算した実効値で表します。「コンセントは100V」の100Vも実効値で、このページの式はすべて実効値で計算します。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。
| 電流・電圧と単位(中学2年 理科) |
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| 電力(中学2年 理科) |
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| 小数の掛け算・割り算(小学5年) |
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| 割合(小学5年) |
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| 交流と力率(高校 物理・第二種電気工事士) |
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Excelで計算する方法
| 電力 P(W) | 1500 |
| 電圧 V(V) | 100 |
| 力率 cosφ | 1 |
| 電流 I(A) | =B1/(B2*B3) |
| 電圧 V(V) | 100 |
| 電流 I(A) | 8 |
| 力率 cosφ | 0.8 |
| 有効電力 P(W) | =B1*B2*B3 |
| 電力 P(W) | 1200 |
| 電流 I(A) | 6 |
| 力率 cosφ | 1 |
| 電圧 V(V) | =B1/(B2*B3) |
| 電圧 V(V) | 100 |
| 電流 I(A) | 8 |
| 皮相電力 S(VA) | =B1*B2 |
「*」が掛け算、「/」が割り算の記号です。「=B1/(B2*B3)」は「B1をB2とB3の積で割る」という意味になります。
1つ目の表は1500W・100V・力率1の例でB4に15(A)、2つ目の表は100V・8A・力率0.8の例でB4に640(W)、3つ目の表は1200W・6A・力率1の例でB4に200(V)、4つ目の表は100V・8AでB3に800(VA)と表示されます。力率がわからない家電は1を入れておきます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 電力 P(W) | 1500 |
| 電圧 V(V) | 100 |
| 力率 cosφ | 1 |
| 電流 I(A) | =B1/(B2*B3) |
| 電圧 V(V) | 100 |
| 電流 I(A) | 8 |
| 力率 cosφ | 0.8 |
| 有効電力 P(W) | =B1*B2*B3 |
| 電力 P(W) | 1200 |
| 電流 I(A) | 6 |
| 力率 cosφ | 1 |
| 電圧 V(V) | =B1/(B2*B3) |
| 電圧 V(V) | 100 |
| 電流 I(A) | 8 |
| 皮相電力 S(VA) | =B1*B2 |
Pythonで計算する方法
power_watts = 1500 # 電力 P(W)
voltage_volts = 100 # 電圧 V(V)
power_factor = 1.0 # 力率 cosφ(抵抗負荷・直流は1.0)
# 電流 I = P ÷ (V × cosφ)
current_amps = power_watts / (voltage_volts * power_factor)
# 皮相電力 S = V × I
apparent_power_va = voltage_volts * current_amps
print(f"電流: {current_amps} A")
print(f"皮相電力: {apparent_power_va} VA")
# 検算:P = V × I × cosφ が元の電力に戻る
power_check = voltage_volts * current_amps * power_factor
print(f"検算(電力): {power_check} W")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
P = V × I × cosφ
P = V I \cos\varphi
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>P</mi>
<mo>=</mo>
<mi>V</mi>
<mo>⁢</mo>
<mi>I</mi>
<mo>⁢</mo>
<mi>cos</mi>
<mo>⁡</mo>
<mi>φ</mi>
</mrow>
</math>
P = V I cos(phi)
v*i*Cos[phi]
p := v*i*cos(phi);
P = V*I*cos(phi);
P = VI cos φ
I = P ÷ (V × cosφ)
I = \dfrac{P}{V \cos\varphi}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>I</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>P</mi>
<mrow><mi>V</mi><mo>⁢</mo><mi>cos</mi><mo>⁡</mo><mi>φ</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
I = P/(V cos(phi))
p/(v*Cos[phi])
i := p/(v*cos(phi));
I = P/(V*cos(phi));
I = P/(V cos φ)
V = P ÷ (I × cosφ)
V = \dfrac{P}{I \cos\varphi}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>V</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>P</mi>
<mrow><mi>I</mi><mo>⁢</mo><mi>cos</mi><mo>⁡</mo><mi>φ</mi></mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
V = P/(I cos(phi))
p/(i*Cos[phi])
v := p/(i*cos(phi));
V = P/(I*cos(phi));
V = P/(I cos φ)
S = V × I
S = V I
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>S</mi>
<mo>=</mo>
<mi>V</mi>
<mo>⁢</mo>
<mi>I</mi>
</mrow>
</math>
S = V I
v*i
s := v*i;
S = V*I;
S = VI
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは電力・電圧・電流の換算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 消費電力1500Wの電気ストーブ(力率1)を、100Vのコンセントで使います。 電力の式 P = V × I × cosφ を使って、次の値をそれぞれ求めてください。 1. 流れる電流(A) 2. 皮相電力(VA) 3. 同じ電気ストーブを200Vで使ったときに流れる電流(A) 4. 消費電力1000W・力率0.8のモーター機器を100Vで使ったときに流れる電流(A)と皮相電力(VA) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
