絶対値の中身 ax + b の係数 a・b と、右辺の数 c、比較の種類(=・<・≦・>・≧)を入力してください。下の数式は入力欄と連動していて、数の部分を直接書き換えても計算できます。
このページでできること
- 絶対値の方程式・不等式 \(|ax+b| = c\)・\(< c\)・\(\leqq c\)・\(> c\)・\(\geqq c\) を、係数と比較の種類を選ぶだけで解けます。解は約分済みの分数(厳密値)で表示します
- 高校1年で習う2通りの解き方——①基本形(\(|X| = c\) ならば \(X = \pm c\) など)と、②場合分け(\(ax+b \geqq 0\) と \(< 0\) に分けて絶対値を外す)——の途中式を両方表示します。場合分けでは、各場合の解と場合の条件との共通範囲(解の吟味)まで1行ずつ示します
- \(c = 0\) や \(c < 0\) のような引っかかりやすい場合(解が1点だけ・1点だけを除くすべての実数・解なし・すべての実数)も、「絶対値は必ず 0 以上」という理由付きで正しく判定します
- 不等式の解の範囲は数直線の図で表示。境界が解に含まれるか(黒丸)含まれないか(白丸)も見分けられます
- 係数には小数・負の数のほか 3/4 のような分数も入力できます。式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
工業製品の寸法は「設計値 ± 許容差」で管理されます。例えば「長さ 50mm、許容差 ±0.5mm」の部品なら、合格条件は \(|x - 50| \leqq 0.5\) という絶対値の不等式そのもので、解の範囲 \(49.5 \leqq x \leqq 50.5\) が合格範囲です。
図面に書かれる「\(50 \pm 0.5\)」という表記(公差)は、この不等式を短く書いたものにあたります。
日本の家庭用コンセントの電圧(100V用)は、法令で「101V ± 6V に維持するよう努める」と定められています。これは \(|V - 101| \leqq 6\)、つまり \(95 \leqq V \leqq 107\)(V)という範囲の指定です。
「基準値からのずれの大きさを一定以内に収める」という決まりごとは、水道の水圧や食品の内容量表示など多くの分野にあり、どれも絶対値の不等式で表せます。
プログラミングでは「目標値との差が一定以下なら同じとみなす」判定を if abs(x - target) <= eps のように書きます。小数の計算誤差を許して比較するときや、ゲームでキャラクターが目的地に「ほぼ到着した」と判定するときの定番の書き方です。
この1行は絶対値の不等式 \(|x - t| \leqq \varepsilon\) をそのままコードにしたもので、解の範囲の考え方がそのまま動作範囲になります。
測定値と真の値のずれ(誤差)は、プラス側にもマイナス側にも出ます。「ずれの大きさが一定以下か」を問題にするときは、符号を消した \(|\text{測定値} - \text{基準値}|\) で評価するのが基本です。
例えば体温計や体重計の精度表示「±0.1」は、\(|\text{表示値} - \text{真の値}| \leqq 0.1\) がおおむね保証されるという意味で、この範囲を意識すると測定結果の読み方が変わります。
式と数直線
用語・記号の解説
記号
| \(|x|\) | エックスの絶対値 | 絶対値の記号。数を縦棒2本で挟んで書き、「数直線の上で 0 からどれだけ離れているか」(距離)を表します。距離なので必ず 0 以上で、\(|5| = 5\)、\(|-5| = 5\) です。 |
| \(X\) | エックス(大文字) | このページでは、絶対値の中身 \(ax+b\) をひとかたまりとみたときの置き換えの文字です。「中身をまとめて1つの文字とみる」と、基本形がそのまま使えるようになります。 |
| \(a,\ b,\ c\) | エー・ビー・シー | 決まった数(定数)を表すときによく使われる文字。「決まった数」にはアルファベットの最初の方の文字 \(a,\ b,\ c\) を使う慣例があります。このページでは \(a\)・\(b\) が絶対値の中身 \(ax+b\) の係数と定数項、\(c\) が右辺の比べる数です。 |
| \(x\) | エックス | 求めたい未知の数(未知数)。未知数にはアルファベットの終わりの方の文字 \(x,\ y,\ z\) を使う慣例があり、数学者デカルトの書き方に由来するといわれます。 |
| \(\pm\) | プラスマイナス | 「\(+\) の場合と \(-\) の場合の両方」をまとめて書く記号。\(X = \pm 5\) は、\(X = 5\) と \(X = -5\) の2つをまとめた書き方です。 |
| \(<,\ >\) | しょうなり・だいなり (〜より小さい・〜より大きい) | 大小関係を表す不等号。記号の開いた側が大きい数です。境界の値そのものは含みません(数直線では白丸で表します)。 |
| \(\geqq,\ \leqq\) | だいなりイコール・しょうなりイコール (〜以上・〜以下) | 「以上」「以下」を表す不等号。境界の値そのものも含みます。日本の教科書では等号部分を2本線で書く \(\geqq\)・\(\leqq\) が使われますが、海外や大学では1本線の ≥・≤ が普通で、意味は同じです。 |
| \(\neq\) | ノットイコール | 「等しくない」ことを表す記号。\(x \neq 2\) は「2 以外のすべての実数」という意味で、\(|X| > 0\) の形の解に登場します。 |
用語
| 絶対値 | ぜったいち | 数直線の上で、0 からその数までの距離。距離なので必ず 0 以上です。正の数はそのまま(\(|5| = 5\))、負の数は符号を取った値(\(|-5| = 5\))になります。中学1年で意味を、高校の数学Iで方程式・不等式への使い方を学びます。 |
| 方程式 | ほうていしき | まだわかっていない数(未知数)を含む等式。等式を成り立たせる未知数の値を「解」といい、解をすべて求めることを「方程式を解く」といいます。 |
| 不等式 | ふとうしき | 数や式の大小関係を、不等号(\(<\)・\(\leqq\)・\(>\)・\(\geqq\))で表した式。解は1つの数ではなく「範囲」になることが多く、数直線で表すとわかりやすくなります。 |
| 一次式 | いちじしき | \(2x - 3\) のように、\(x\) の1乗までしか出てこない式。このページの絶対値の中身は一次式です。 |
| 場合分け | ばあいわけ | 状況によって式の形が変わるとき、「〜の場合」「〜の場合」と分けて、それぞれの場合ごとに解く方法。絶対値は中身の符号で外し方が変わるので、場合分けの代表例です。 |
| 解の吟味 | かいのぎんみ | 出てきた答えが、前提としていた条件に合っているかを確かめること。場合分けでは、各場合の解が「場合の条件」を満たすか(範囲なら共通範囲があるか)を必ず確かめ、合わない解は不適として捨てます。 |
| 共通範囲 | きょうつうはんい | 2つの範囲の両方に含まれる部分(「かつ」にあたる範囲)。数直線を上下に並べて描き、重なった部分を読み取るのが定番のやり方です。 |
| 数直線 | すうちょくせん | 数を直線の上の点として並べた図。右へ行くほど大きい数になります。絶対値(0 からの距離)や不等式の解の範囲を目で確かめるのに使います。 |
| 移項 | いこう | 等式・不等式の項を、符号を変えて反対側の辺へ移すこと。\(2x - 3 = 5\) の \(-3\) を右辺へ移すと \(2x = 5 + 3\) になります。 |
| 実数 | じっすう | 数直線の上に置けるすべての数。整数・分数・小数のほか、\(\sqrt{2}\) や円周率のような数も含みます。 |
| 解なし | かいなし | 条件を満たす \(x\) が1つも無いこと。例えば \(|x| = -2\) は、絶対値が負の数になれないので解なしです。 |
| すべての実数 | すべてのじっすう | \(x\) がどんな値でも成り立つこと。例えば \(|x| \geqq -1\) は、絶対値が必ず 0 以上なのでいつでも成り立ちます。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
つまずいたら、この表の内容に戻って復習するのが近道です。
| 正負の数と数直線(中学1年) |
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| 絶対値の意味(中学1年) |
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| 一次方程式(中学1年) |
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| 一次不等式(高校 数学I) |
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| 分数の計算(小学5年〜中学1年) |
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Excelで計算する方法
| xの係数 a | 2 |
| 定数項 b | -3 |
| 右辺の数 c | 5 |
| 解1(中身が c になる x) | =(B3-B2)/B1 |
| 解2(中身が −c になる x) | =(-B3-B2)/B1 |
| xの係数 a | 2 |
| 定数項 b | -3 |
| 右辺の数 c | 5 |
| 範囲の左端 | =MIN((B3-B2)/B1,(-B3-B2)/B1) |
| 範囲の右端 | =MAX((B3-B2)/B1,(-B3-B2)/B1) |
| xの係数 a | 2 |
| 定数項 b | -3 |
| 確かめたい x | 4 |
| |ax+b| の値 | =ABS(B1*B3+B2) |
1つ目の表は |2x − 3| = 5 の例で、解1 が 4、解2 が −1 になります。c に 0 以下の数を入れたときは計算上の数値は出ますが、実際の解は「c = 0 なら1点だけ・c が負なら解なし」なので注意してください(このページの計算機は自動で判定します)。
2つ目の表は |2x − 3| ≦ 5 の解の範囲 −1 ≦ x ≦ 4 を求める表で、MIN が左端・MAX が右端です。>・≧ のときは、この2つの値の「外側」が解の範囲になります。
3つ目の表は検算用です。解 x = 4 を代入すると、ABS(絶対値を求める関数)の値が右辺の 5 に戻ることが確かめられます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| xの係数 a | 2 |
| 定数項 b | -3 |
| 右辺の数 c | 5 |
| 解1(中身が c になる x) | =(B3-B2)/B1 |
| 解2(中身が −c になる x) | =(-B3-B2)/B1 |
| xの係数 a | 2 |
| 定数項 b | -3 |
| 右辺の数 c | 5 |
| 範囲の左端 | =MIN((B3-B2)/B1,(-B3-B2)/B1) |
| 範囲の右端 | =MAX((B3-B2)/B1,(-B3-B2)/B1) |
| xの係数 a | 2 |
| 定数項 b | -3 |
| 確かめたい x | 4 |
| |ax+b| の値 | =ABS(B1*B3+B2) |
Pythonで計算する方法
from fractions import Fraction
# |a*x + b| ? c を解く(3/4 のような分数は Fraction(3, 4) と書ける)
a = Fraction(2) # xの係数
b = Fraction(-3) # 定数項(絶対値の中)
c = Fraction(5) # 右辺の数
sign = "<=" # "=", "<", "<=", ">", ">=" から選ぶ
lower = (-c - b) / a # 中身が -c になる x
upper = (c - b) / a # 中身が c になる x
left, right = min(lower, upper), max(lower, upper)
if c > 0:
if sign == "=":
print(f"解: x = {left}, {right}")
elif sign in ("<", "<="):
print(f"解: {left} {sign} x {sign} {right}")
else:
flipped = "<" if sign == ">" else "<="
print(f"解: x {flipped} {left}, {right} {flipped} x")
elif c == 0:
boundary = -b / a # 中身が 0 になる x
if sign in ("=", "<="):
print(f"解: x = {boundary}")
elif sign == "<":
print("解なし")
elif sign == ">":
print(f"解: x ≠ {boundary}")
else:
print("すべての実数")
else:
# 絶対値は必ず 0 以上なので、負の数 c との比較は自動的に決まる
if sign in (">", ">="):
print("すべての実数")
else:
print("解なし")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
|X| = c ⇔ X = ±c (c > 0)
\lvert X \rvert = c \iff X = \pm c \quad (c > 0)
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mo>|</mo><mi>X</mi><mo>|</mo>
<mo>=</mo><mi>c</mi>
<mo>⇔</mo>
<mi>X</mi><mo>=</mo><mo>±</mo><mi>c</mi>
</mrow>
</math>
abs(X) = c iff X = +-c
Solve[Abs[x] == c, x, Reals]
solve(abs(x) = c, x);
solve(abs(x) == c, x)
|X| = c ⇔ X = ±c (c > 0)
|X| < c ⇔ −c < X < c
\lvert X \rvert < c \iff -c < X < c
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mo>|</mo><mi>X</mi><mo>|</mo>
<mo><</mo><mi>c</mi>
<mo>⇔</mo>
<mo>−</mo><mi>c</mi><mo><</mo><mi>X</mi><mo><</mo><mi>c</mi>
</mrow>
</math>
abs(X) < c iff -c < X < c
Reduce[Abs[x] < c, x, Reals]
solve(abs(x) < c, x);
solve(abs(x) < c, x, 'ReturnConditions', true)
|X| < c ⇔ −c < X < c
|X| > c ⇔ X < −c, c < X
\lvert X \rvert > c \iff X < -c,\ \ c < X
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mo>|</mo><mi>X</mi><mo>|</mo>
<mo>></mo><mi>c</mi>
<mo>⇔</mo>
<mi>X</mi><mo><</mo><mo>−</mo><mi>c</mi>
<mo>,</mo>
<mi>c</mi><mo><</mo><mi>X</mi>
</mrow>
</math>
abs(X) > c iff X < -c or c < X
Reduce[Abs[x] > c, x, Reals]
solve(abs(x) > c, x);
solve(abs(x) > c, x, 'ReturnConditions', true)
|X| > c ⇔ X < −c, c < X
|X| = X (X ≧ 0), |X| = −X (X < 0)
\lvert X \rvert = \begin{cases} X & (X \geqq 0) \\ -X & (X < 0) \end{cases}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mo>|</mo><mi>X</mi><mo>|</mo><mo>=</mo>
<mrow>
<mo>{</mo>
<mtable columnalign="left left">
<mtr>
<mtd><mi>X</mi></mtd>
<mtd><mo>(</mo><mi>X</mi><mo>≧</mo><mn>0</mn><mo>)</mo></mtd>
</mtr>
<mtr>
<mtd><mo>−</mo><mi>X</mi></mtd>
<mtd><mo>(</mo><mi>X</mi><mo><</mo><mn>0</mn><mo>)</mo></mtd>
</mtr>
</mtable>
</mrow>
</mrow>
</math>
abs(X) = {(X, (X >= 0)), (-X, (X < 0)):}
Abs[x] == Piecewise[{{x, x >= 0}, {-x, x < 0}}]
abs(x) = piecewise(x >= 0, x, x < 0, -x);
piecewise(x >= 0, x, x < 0, -x)
|X| = X (X ≥ 0), |X| = −X (X < 0)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは数学(数学I)の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 絶対値の不等式 |2x − 3| ≦ 5 を解いてください。 次の内容をそれぞれ示してください。 1. 基本形に直した不等式(−c ≦ 2x−3 ≦ c の形) 2. 解の範囲(境界は約分済みの分数または整数で) 3. 場合分け(2x−3 ≧ 0 の場合と 2x−3 < 0 の場合)でも解き、それぞれの場合の解と場合の条件との共通範囲を示したうえで、1と同じ答えになることの確認 Pythonでは sympy の solveset(または Abs を使った Reduce 相当の機能)と fractions を使って厳密に計算し、計算に使ったコードと実行結果を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの解き方を、自分の手で使えるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
