楕円体の3方向の半軸 \(a\)・\(b\)・\(c\)(中心から表面までの長さ)を入力してください。表面積 \(S\)(トムセンの近似式)と、cmで入力したときのm²換算も表示します。
このページでできること
- 3方向の半軸 \(a\)・\(b\)・\(c\)(中心から表面までの長さ)を入れるだけで、楕円体の表面積がその場でわかります(世界的に使われるトムセンの近似式で計算)
- 計算結果はマウスで回して見られる3Dの図でも表示され、どの長さがどの方向かをひと目で確認できます
- 3つの欄に同じ長さを入れれば、球の表面積(\(S = 4\pi r^2\))の計算にもそのまま使えます(このときは近似ではなく厳密な値と一致します)
- cmで入力したときの平方メートル(m²)への換算も同時に表示します
- 式のやさしい解説・Excel/Googleスプレッドシート/Python用のコピペ数式・計算ドリル(演習問題)もこのページにまとまっています
この計算は何の役に立つ?
地球は自転の遠心力でわずかにつぶれた回転楕円体です。赤道半径 約6378km・極半径 約6357km をこの式に入れると、表面積は約 \(5.10 \times 10^8\,\mathrm{km^2}\)(約5.1億km²)と求められ、理科年表などに載っている地球の表面積とよく一致します。
「地球の表面の約7割が海」といった話や、大気・海洋の量の見積りは、この表面積が出発点です。完全な球ではない天体の表面積計算に、実際に使われている式です。
鶏卵は楕円体に近い形です。長さ約6cm・太さ約4.5cmの卵なら半軸は \(3 \times 2.25 \times 2.25\,\mathrm{cm}\) で、表面積は約 \(78\,\mathrm{cm^2}\) と見積もれます。
チョコレートで卵型のお菓子をコーティングする量、殻の塗装や印刷の面積、シュリンク包装のフィルムサイズなど、「表面をおおう材料」の量は表面積から概算できます(実物は完全な楕円体ではないため、あくまで目安です)。
飛行船の船体は細長い回転楕円体に近い形で設計されます。例えば全長75m・最大直径14mの飛行船を半軸 \(37.5 \times 7 \times 7\,\mathrm{m}\) の楕円体とみなすと、表面積は約 \(2610\,\mathrm{m^2}\) です。外皮の生地や塗料がどれだけ必要かの初期見積りに使えます。
表面積は空気抵抗(摩擦抵抗)や熱の出入りにも直結するため、乗り物や建物のドーム設計で最初に押さえる量の一つです(詳細設計では実形状での計算に置き換えられます)。
スイカやメロンは楕円体に近い形なので、実の大きさから表面積を見積もるのにこの式が使えます。半軸 \(12 \times 10 \times 10\,\mathrm{cm}\) のスイカなら表面積は約 \(1430\,\mathrm{cm^2}\)(約0.14m²)。
果実袋のサイズ選び、食用ワックスやコーティング剤の使用量、ラッピング資材の発注量など、「実の表面をおおう作業」の目安づくりに役立ちます。
ラグビーボールは細長い回転楕円体に近い形です。長さ約30cm・幅約19cmのボールなら半軸は \(15 \times 9.5 \times 9.5\,\mathrm{cm}\) で、表面積は約 \(1590\,\mathrm{cm^2}\) です。
ボールは4枚の外皮パネルを縫い合わせて作られるので、1枚あたり約400cm²の材料が必要という見積りが立ちます(縫いしろや膨らみの分は別途見込みます)。曲面製品の材料取りの第一歩になる計算です。
式と図
用語・記号の解説
記号
| \(S\) | エス | 面積・表面積を表すのによく使われる記号です。英語の surface(表面)や square(四角・平方)に由来し、このページでは楕円体の表面積を表します。 |
| \(a,\ b,\ c\) | エー・ビー・シー | 楕円体の3方向の半軸の長さ。どれも「中心から表面までの長さ」で、球でいう半径にあたります。端から端までの長さ(軸)の半分です。 |
| \(\pi\) | パイ | 円周率。円周が直径の何倍かを表す数で、\(3.14159265\ldots\) とどこまでも続いて循環しない小数(無理数)です。小学校の算数で使う「3.14」はこの近似値です。 |
| \(\approx\) | ほぼ等しい ニアリーイコール | 左右の値が「ほぼ等しい」ことを表す記号です。日本の教科書では ≒ と書くことが多く、世界的には \(\approx\) が使われます。トムセンの式は近似式なので、等号(=)ではなくこの記号で結びます。 |
| \(x^{1.6}\) | エックスの1.6乗 | 指数(右上の小さい数)が小数の累乗です。\(x^{1.6} = x^{\frac{8}{5}}\) で、「\(x\) を8回掛けたものの5乗根」という意味になります(高校の数学IIで習う「指数の拡張」)。手計算は大変ですが、関数電卓・Excel・Pythonなら簡単に計算できます。 |
| \(r\) | アール | 球の半径。英語の radius(半径)の頭文字です。球は3つの半軸がすべて \(r\) の楕円体です。 |
| \(\mathrm{cm^2}\) | 平方センチメートル | 面積の単位。1辺1cmの正方形の面積が1cm²です。読み方は「へいほうセンチメートル」で、体積のcm³(立方センチメートル)と区別します。 |
| \(\mathrm{m^2}\) | 平方メートル | 面積の単位。1辺1m(=100cm)の正方形の面積が1m²で、\(1\,\mathrm{m^2} = 10000\,\mathrm{cm^2}\) です。 |
用語
| 楕円体 | だえんたい | 楕円を3次元にした、なめらかな卵型の立体。どこで切っても断面が楕円(または円)になります。ラグビーボールやスイカに近い形です。 |
| 半軸 | はんじく | 楕円体の中心から表面までの長さのうち、3つの対称な方向(互いに直角な方向)に測ったもの。楕円体の大きさと形はこの3つの長さで決まります。端から端までの長さ(軸)の半分です。 |
| 表面積 | ひょうめんせき | 立体の表面全体の面積。立体を包む「皮」を切り開いて平らに広げたときの面積にあたり、cm²やm²など面積の単位で表します。 |
| 近似式 | きんじしき | 厳密な値の代わりに、それに十分近い値を簡単な計算で求めるための式。楕円体の表面積のように厳密な計算が難しい量に対して、実用上は近似式が広く使われます。 |
| トムセンの近似式 | トムセンのきんじしき | 2004年にデンマークのクヌート・トムセン(Knud Thomsen)が提案した、楕円体の表面積の近似式。指数1.6を使うと誤差がどんな形でも約±1.06%以内に収まることが知られており、世界中の計算サイトや実務で標準的に使われています。 |
| 楕円積分 | だえんせきぶん | 楕円体の表面積や楕円の周の長さを厳密に求めるときに現れる、大学レベルの積分。答えを普通の式(四則演算と累乗・根号)では書き表せないため、実用では近似式や数値計算が使われます。 |
| 球 | きゅう | 3つの半軸がすべて等しい特別な楕円体。どの方向から見ても同じ大きさの円に見える立体で、表面積は \(S = 4\pi r^2\) です。 |
| 回転楕円体 | かいてんだえんたい | 楕円をその軸の周りに1回転させてできる立体で、3つの半軸のうち2つが等しい楕円体。ラグビーボール(細長い形)やみかん(つぶれた形)がこの仲間で、地球もわずかにつぶれた回転楕円体です。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 掛け算・累乗(2乗)(小学2年〜中学1年) |
|
| 面積の意味と単位(小学4〜6年) |
|
| 円周率(小学5年〜中学1年) |
|
| 球の表面積(中学1年) |
|
| 指数の拡張(高校2年・数学II) |
|
Excelで計算する方法
| 半軸aの長さ | 10 |
| 半軸bの長さ | 5 |
| 半軸cの長さ | 8 |
| 楕円体の表面積 | =4*PI()*(((B1*B2)^1.6+(B1*B3)^1.6+(B2*B3)^1.6)/3)^(1/1.6) |
| 半径 | 3 |
| 球の表面積 | =4*PI()*B1^2 |
| cm²で表した表面積 | 25000 |
| m²で表した表面積 | =B1/10000 |
数式の中の「B1」「B2」は「そのセルに入っている数値を使う」という意味で、「*」は掛け算、「/」は割り算、「^」はべき乗(何回掛けるか。1.6のような小数も使えます)、「PI()」は円周率πを返す関数です。
例えば1つ目の表なら、B4に約730.87と表示されます(cmで入力したのでcm²)。2つ目の表はB2に約113.10、3つ目の表はB2に2.5が出ます。入力欄の数値を自分の長さに書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 半軸aの長さ | 10 |
| 半軸bの長さ | 5 |
| 半軸cの長さ | 8 |
| 楕円体の表面積 | =4*PI()*(((B1*B2)^1.6+(B1*B3)^1.6+(B2*B3)^1.6)/3)^(1/1.6) |
| 半径 | 3 |
| 球の表面積 | =4*PI()*B1^2 |
| cm²で表した表面積 | 25000 |
| m²で表した表面積 | =B1/10000 |
Pythonで計算する方法
import math
a = 10 # 半軸aの長さ(この例ではcm。中心から表面までの長さ)
b = 5 # 半軸bの長さ(aと同じ単位で)
c = 8 # 半軸cの長さ(a・bと同じ単位で)
# トムセンの近似式(指数 p = 1.6)。「**」がべき乗の記号
p = 1.6
mean = ((a * b) ** p + (a * c) ** p + (b * c) ** p) / 3
surface_area = 4 * math.pi * mean ** (1 / p) # 楕円体の表面積(入力単位の2乗。この例ではcm2)
surface_area_m2 = surface_area / 10000 # cmで入力した場合、m2に直した表面積
print(f"楕円体の表面積: {surface_area} cm2")
print(f"m2に直すと: {surface_area_m2} m2")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
S \approx 4\pi \left( \dfrac{(ab)^{1.6} + (ac)^{1.6} + (bc)^{1.6}}{3} \right)^{\frac{1}{1.6}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>S</mi>
<mo>≈</mo>
<mn>4</mn>
<mi>π</mi>
<msup>
<mrow>
<mo>(</mo>
<mfrac>
<mrow>
<msup><mrow><mo>(</mo><mi>a</mi><mi>b</mi><mo>)</mo></mrow><mn>1.6</mn></msup>
<mo>+</mo>
<msup><mrow><mo>(</mo><mi>a</mi><mi>c</mi><mo>)</mo></mrow><mn>1.6</mn></msup>
<mo>+</mo>
<msup><mrow><mo>(</mo><mi>b</mi><mi>c</mi><mo>)</mo></mrow><mn>1.6</mn></msup>
</mrow>
<mn>3</mn>
</mfrac>
<mo>)</mo>
</mrow>
<mrow><mn>1</mn><mo>/</mo><mn>1.6</mn></mrow>
</msup>
</mrow>
</math>
S ~~ 4 pi (((a b)^1.6 + (a c)^1.6 + (b c)^1.6)/3)^(1/1.6)
4 Pi (((a b)^1.6 + (a c)^1.6 + (b c)^1.6)/3)^(1/1.6)
S := 4*Pi*(((a*b)^1.6 + (a*c)^1.6 + (b*c)^1.6)/3)^(1/1.6);
S = 4*pi*(((a*b)^1.6 + (a*c)^1.6 + (b*c)^1.6)/3)^(1/1.6);
S ≈ 4π(((ab)^1.6 + (ac)^1.6 + (bc)^1.6)/3)^(1/1.6)
S = 4πr²
S = 4\pi r^{2}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>S</mi>
<mo>=</mo>
<mn>4</mn>
<mi>π</mi>
<msup><mi>r</mi><mn>2</mn></msup>
</mrow>
</math>
S = 4 pi r^2
4 Pi r^2
S := 4*Pi*r^2;
S = 4*pi*r^2;
S = 4πr^2
S[m²] = S[cm²] ÷ 10000
S_{\mathrm{m^2}} = S_{\mathrm{cm^2}} \div 10000
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>S</mi><mrow><msup><mi mathvariant="normal">m</mi><mn>2</mn></msup></mrow></msub>
<mo>=</mo>
<msub><mi>S</mi><mrow><msup><mi mathvariant="normal">cm</mi><mn>2</mn></msup></mrow></msub>
<mo>÷</mo>
<mn>10000</mn>
</mrow>
</math>
S_(m^2) = S_(cm^2) -: 10000
sCm2/10000
sM2 := sCm2/10000;
s_m2 = s_cm2/10000;
S(m²) = S(cm²)/10000
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは算数・数学の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 半軸の長さが a = 10cm、b = 5cm、c = 8cm の楕円体があります(半軸は中心から表面までの長さです)。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. この楕円体の表面積は何cm²か。トムセンの近似式 S = 4 × π × (((a×b)^1.6 + (a×c)^1.6 + (b×c)^1.6) / 3)^(1/1.6) を使うこと 2. その表面積を平方メートル(m²)に直すといくつか 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
トムセンの近似式そのものは手計算が大変なので、ここでは「球になる特別な場合」(近似式が厳密に一致する場合)と単位換算を練習します。円周率は \(\pi\) のまま残して答えましょう。答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
