キャッシュフローの入れ方(固定/不規則)を選び、初期投資額とキャッシュフローを入力してください。初期投資が何年で戻るか(回収期間)と、お金の時間価値を考えた割引回収期間・キャッシュフロー収益率を計算します。
このページでできること
- 初期投資額と1年目のキャッシュフロー(その年に受け取るお金)から、回収期間(投資回収期間)=初期投資が何年で戻るかを計算します
- キャッシュフローが毎年一定でも、毎年◯%ずつ増える・減る場合でも計算できます(固定キャッシュフローモード)
- 年ごとに金額がバラバラな場合は、1年ずつ金額を入力して計算できます(不規則キャッシュフローモード・最大20年)
- 割引率を入れると、お金の時間価値を考えた割引回収期間も計算します。キャッシュフロー収益率(IRR相当の年率)は割引率に関係なく計算します
- 年ごとの明細表(累積キャッシュフロー・割引後)と、累積キャッシュフローが0円ラインを超える回収時点のグラフも表示します
この計算は何の役に立つ?
「400万円の機械を入れると、毎年150万円のコスト削減になる」——このとき回収期間は 400 ÷ 150 ≒ 2.7年です。会社の設備投資では「回収3年以内なら採用」のような社内基準を設けていることが多く、回収期間はその第一関門として使われます。経理や経営企画だけでなく、現場から設備の導入を提案するときの説得材料としても定番です。
ただし将来のキャッシュフローは見積もりなので、控えめな数字でも計算しておくのが実務のコツです。
住宅用の太陽光発電を120万円で設置し、電気代の節約と売電で年15万円浮くなら、回収期間は 120 ÷ 15 = 8年です。パネルの寿命は20〜30年といわれるので、「回収期間が寿命より十分短いか」が導入判断の目安になります。断熱リフォームや高効率給湯器などの省エネ設備も同じ考え方で比べられます。
売電価格や電気代は変わっていくので、増減率を入れて計算してみると、前提が変わったときの影響もつかめます。
飲食店やフランチャイズの開業では「開業資金を何年で回収できるか」が事業計画の中心の数字です。例えば開業資金1,000万円で、年間の利益(売上から経費を引いた手取りのキャッシュフロー)が250万円見込めるなら、回収期間は4年です。
開業直後は客足が読めないので、1年目は少なめ・2年目から増える、のように年ごとに違う金額で計算できる不規則モードが役に立ちます。
業務システムやRPA(作業の自動化ツール)の導入では、「導入費60万円、作業時間の削減で年30万円分の人件費が浮く → 回収期間2年」のように、効果を回収期間に直すと投資判断がしやすくなります。ITツールは技術の入れ替わりが速く、長く使えるとは限らないため、回収の速さがそのままリスクの小ささにつながります。
IT導入補助金の申請書類などでも、費用対効果の説明にこの考え方がよく使われます。
回収期間の長所は「先の見えない期間の短さ」を1つの数字で表せることです。技術や流行の変化が速い業界ほど、遠い将来の見積もりは当てにならないので、回収の速さが重視されます。
一方で回収期間には「回収した後のもうけを無視する」「お金の時間価値を無視する」という有名な弱点があります。回収5年でその後10年稼ぎ続ける投資が、回収3年で終わる投資に負けてしまうのです。だから実務では、割引回収期間・NPV・IRRなどと組み合わせて判断するのが定石とされています。
式とグラフ
用語・記号の解説
記号
| \(PP\) | ピーピー (回収期間) | Payback Period(回収期間・投資回収期間)。初期投資が戻ってくる=累積のネットキャッシュフローが0円になるまでの年数です。(例:100万円の投資で毎年20万円戻るなら5年) |
| \(DPP\) | ディーピーピー (割引回収期間) | Discounted Payback Period(割引回収期間)。将来のお金を割引率で今の価値に直してから数えた回収期間で、必ず普通の回収期間より長くなります。 |
| \(I\) | アイ | 初期投資額。最初に支払うお金です。この計算機ではプラスの金額で入力すると、内部で0年目のマイナスの支出として扱います。 |
| \(CF\)・\(CF_n\) | シーエフ シーエフ・エヌ | キャッシュフロー(Cash Flow)。その年に受け取るお金です。\(CF_n\) は \(n\) 年目のキャッシュフローを表し、マイナスならその年の追加の支出を表します。 |
| \(DCF_n\) | ディーシーエフ・エヌ | \(n\) 年目の割引キャッシュフロー(Discounted Cash Flow)。\(n\) 年目のお金を今の価値に直した金額です。 |
| \(g\) | ジー | キャッシュフローの増減率(年率)。毎年5%ずつ増えるなら \(g=0.05\) で、翌年の金額は前年の \((1+g)\) 倍になります。 |
| \(r\) | アール | 割引率。将来のお金を今の価値に直すときに使う年率です。借入金利や目標利回りを使うのが一般的です。 |
| \(n\) | エヌ | 経過年数(何年目か)。投資した時点を0年目として数えます。 |
| \(k\) | ケー | 回収できる直前の年数。累積ネットキャッシュフローがまだマイナスである最後の年です。 |
| \(R\) | アール(大文字) | \(k\) 年目が終わった時点の未回収額。初期投資のうち、まだ戻ってきていない金額です。 |
| \(\ln\) | エルエヌ (自然対数) | 自然対数。「\(e\)(約2.718)を何乗するとその数になるか」を表す対数で、関数電卓の ln キーやExcelのLN関数で計算できます。割引回収期間の解析式に登場します。 |
用語
| 回収期間 (投資回収期間) |
かいしゅうきかん | 初期投資が戻ってくるまでの期間。短いほど早く元が取れ、先の見えない期間が短いのでリスクが小さいとされます。英語では Payback Period といい、回収期間の短さで投資案を評価する方法は回収期間法(ペイバック法)と呼ばれます。 |
| 損益分岐点 | そんえきぶんきてん | もうけと損がちょうど釣り合う点。回収期間は「累積のキャッシュフローが損益分岐点(0円)に届くまでの時間」です。 |
| キャッシュフロー | キャッシュフロー | お金の出入りのこと。受け取りをプラス、支払いをマイナスの数で表します。回収期間の計算では「いつ・いくら」入るかが重要です。 |
| ネットキャッシュフロー (累積) |
ネットキャッシュフロー | 受け取ったお金の合計から初期投資を引いた「差し引きの累積額」。これがマイナスからプラスに変わる時点が回収の瞬間です。 |
| 割引率 | わりびきりつ | 将来のお金を今の価値に直す(割り引く)ときに使う年率。「1年後の11万円は、年10%で割り引くと今の10万円」のように使います。 |
| 割引キャッシュフロー (DCF) |
わりびきキャッシュフロー | 将来のキャッシュフローを割引率で今の価値に直した金額。DCF法という企業や不動産の値段の付け方の土台でもあります。 |
| 割引回収期間 | わりびきかいしゅうきかん | 割引キャッシュフローの累積で数えた回収期間。お金の時間価値を考える分、普通の回収期間より必ず長くなり、割引率が高いと「いつまでも回収できない」こともあります。 |
| 線形補間 | せんけいほかん | 2つの点の間を直線とみなして間の値を求める方法。回収期間では「翌年のお金が1年かけて均等に入る」とみなして、年の途中の回収時点を比例配分で求めます。 |
| キャッシュフロー収益率 | キャッシュフローしゅうえきりつ | この投資のキャッシュフロー全体が「1年あたり何%の利回りに相当するか」を表す値で、IRR(内部収益率)と同じ計算です。回収の速さだけでなく、もうけの大きさまで1つの数字で表せます。 |
| 自然対数 | しぜんたいすう | ネイピア数 \(e\)(約2.718)を底とする対数。\(\ln x\) は「\(e\) を何乗すると \(x\) になるか」を表します。高校の数学IIIで習いますが、計算自体は電卓やExcelに任せられます。 |
前提として理解しておくといいこと
このページの計算を「意味がわかって」使えるようになるために、前提として理解しておくといいことをまとめました。
| 割合・百分率(小学5年) |
|
| 正負の数(中学1年) |
|
| 累乗・指数(中学1年) |
|
| 指数関数・対数(高校 数学II) |
|
| 複利・お金の時間価値(高校 家庭科・数学) |
|
Excelで計算する方法
| 初期投資額(円) | 1000000 |
| 1年あたりのキャッシュフロー(円) | 300000 |
| 回収期間(年) | =B1/B2 |
| 1年目のキャッシュフロー(円) | 300000 |
| 増減率(%。減少はマイナスで入力) | 5 |
| 何年目か n | 3 |
| n年目のキャッシュフロー(円) | =B1*(1+B2/100)^(B3-1) |
| n年目に受け取るお金(円) | 121000 |
| 割引率(%) | 10 |
| 経過年数 n | 2 |
| 割引キャッシュフロー(円) | =B1/(1+B2/100)^B3 |
| 回収できる直前の年数 k | 3 |
| 未回収額 R(円) | 35000 |
| 翌年のキャッシュフロー(円) | 40000 |
| 回収期間(年) | =B1+B2/B3 |
| 初期投資額(円) | 1000000 |
| 1年あたりのキャッシュフロー(円) | 300000 |
| 割引率(%) | 10 |
| 割引回収期間(年) | =-LN(1-B1*B3/100/B2)/LN(1+B3/100) |
4つ目の表は「3年目が終わって残り35,000円、4年目に40,000円入る」場合で、3 + 35000 ÷ 40000 = 3.875年になります。
5つ目の表はLN関数(自然対数)を使った解析式で、約4.254年になります。B列を自分の数値に書き換えるだけで使えます。
Googleスプレッドシートで計算する方法
| 初期投資額(円) | 1000000 |
| 1年あたりのキャッシュフロー(円) | 300000 |
| 回収期間(年) | =B1/B2 |
| 1年目のキャッシュフロー(円) | 300000 |
| 増減率(%。減少はマイナスで入力) | 5 |
| 何年目か n | 3 |
| n年目のキャッシュフロー(円) | =B1*(1+B2/100)^(B3-1) |
| n年目に受け取るお金(円) | 121000 |
| 割引率(%) | 10 |
| 経過年数 n | 2 |
| 割引キャッシュフロー(円) | =B1/(1+B2/100)^B3 |
| 回収できる直前の年数 k | 3 |
| 未回収額 R(円) | 35000 |
| 翌年のキャッシュフロー(円) | 40000 |
| 回収期間(年) | =B1+B2/B3 |
| 初期投資額(円) | 1000000 |
| 1年あたりのキャッシュフロー(円) | 300000 |
| 割引率(%) | 10 |
| 割引回収期間(年) | =-LN(1-B1*B3/100/B2)/LN(1+B3/100) |
Pythonで計算する方法
initial_investment = 100000 # 初期投資額(円)
discount_rate = 0.10 # 割引率(年率。10%なら0.10)
cash_flows = [5000, 25000, 35000, 40000, 30000, 10000] # 1年目からの各年のキャッシュフロー(円)
# 回収期間:累積ネットキャッシュフローが0円をまたぐ年の途中を線形補間で求める
def payback_period(investment, cfs):
cumulative = -investment
for year, cf in enumerate(cfs, start=1):
previous = cumulative
cumulative += cf
if previous < 0 and cumulative >= 0:
return (year - 1) + (-previous) / cf
return None # 入力した年数の範囲では回収できない
# 割引回収期間:各年のお金を今の価値に直してから同じことをする
def discounted_payback_period(investment, cfs, rate):
cumulative = -investment
for year, cf in enumerate(cfs, start=1):
previous = cumulative
discounted_cf = cf / (1 + rate) ** year
cumulative += discounted_cf
if previous < 0 and cumulative >= 0:
return (year - 1) + (-previous) / discounted_cf
return None
pp = payback_period(initial_investment, cash_flows)
dpp = discounted_payback_period(initial_investment, cash_flows, discount_rate)
print(f"回収期間: {pp:.3f}年")
print(f"割引回収期間: {dpp:.3f}年")
数式記述言語(LaTeX等)での書き方(コピペ可)
PP = I ÷ CF
PP = \dfrac{I}{CF}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>PP</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mi>I</mi>
<mi>CF</mi>
</mfrac>
</mrow>
</math>
PP = I / (CF)
invest/cf
PP := invest/cf;
PP = invest/cf;
PP = I/CF
CFₙ = CF₁ × (1 ± g)ⁿ⁻¹
CF_n = CF_1 \times (1 \pm g)^{n-1}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>CF</mi><mi>n</mi></msub>
<mo>=</mo>
<msub><mi>CF</mi><mn>1</mn></msub>
<mo>×</mo>
<msup>
<mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>±</mo><mi>g</mi><mo>)</mo></mrow>
<mrow><mi>n</mi><mo>−</mo><mn>1</mn></mrow>
</msup>
</mrow>
</math>
CF_n = CF_1 (1 +- g)^(n-1)
cf1*(1 + g)^(n - 1)
cfn := cf1*(1 + g)^(n - 1);
cfn = cf1*(1 + g)^(n - 1);
CF_n = CF_1 (1 ± g)^(n−1)
DCFₙ = CFₙ ÷ (1 + r)ⁿ
DCF_n = \dfrac{CF_n}{(1+r)^{n}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<msub><mi>DCF</mi><mi>n</mi></msub>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<msub><mi>CF</mi><mi>n</mi></msub>
<msup>
<mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>+</mo><mi>r</mi><mo>)</mo></mrow>
<mi>n</mi>
</msup>
</mfrac>
</mrow>
</math>
DCF_n = (CF_n) / ((1 + r)^n)
cfn/(1 + r)^n
DCFn := cfn/(1 + r)^n;
dcfn = cfn/(1 + r)^n;
DCF_n = CF_n/(1 + r)^n
PP = k + R ÷ CFₖ₊₁
PP = k + \dfrac{R}{CF_{k+1}}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>PP</mi>
<mo>=</mo>
<mi>k</mi>
<mo>+</mo>
<mfrac>
<mi>R</mi>
<msub><mi>CF</mi><mrow><mi>k</mi><mo>+</mo><mn>1</mn></mrow></msub>
</mfrac>
</mrow>
</math>
PP = k + R / (CF_(k+1))
k + rem/cfnext
PP := k + rem/cfnext;
PP = k + rem/cfnext;
PP = k + R/CF_(k+1)
DPP = −ln(1 − I × r ÷ CF) ÷ ln(1 + r)
DPP = \dfrac{-\ln\left(1 - \dfrac{I \times r}{CF}\right)}{\ln(1+r)}
<math xmlns="http://www.w3.org/1998/Math/MathML" display="block">
<mrow>
<mi>DPP</mi>
<mo>=</mo>
<mfrac>
<mrow>
<mo>−</mo>
<mi>ln</mi>
<mrow>
<mo>(</mo>
<mn>1</mn>
<mo>−</mo>
<mfrac>
<mrow><mi>I</mi><mo>×</mo><mi>r</mi></mrow>
<mi>CF</mi>
</mfrac>
<mo>)</mo>
</mrow>
</mrow>
<mrow>
<mi>ln</mi>
<mrow><mo>(</mo><mn>1</mn><mo>+</mo><mi>r</mi><mo>)</mo></mrow>
</mrow>
</mfrac>
</mrow>
</math>
DPP = (-ln(1 - (I r) / (CF))) / (ln(1 + r))
-Log[1 - invest*r/cf]/Log[1 + r]
DPP := -ln(1 - invest*r/cf)/ln(1 + r);
DPP = -log(1 - invest*r/cf)/log(1 + r);
DPP = −ln(1 − I r/CF)/ln(1 + r)
ChatGPT に聞いて計算してもらう方法
あなたは投資の計算アシスタントです。次の計算を、必ずPythonコードを実際に実行して行い、実行結果の数値だけを根拠に回答してください(暗算や推測で答えないでください)。 10万円を投資して、1年目から順に 5,000円・25,000円・35,000円・40,000円・30,000円・10,000円 のキャッシュフローを受け取ります。割引率は年10%です。 次の値をそれぞれ求めてください。 1. 回収期間(年・小数3桁)= 累積ネットキャッシュフローが0円になる時点(符号が変わる2点間の線形補間) 2. 割引回収期間(年・小数3桁)= 各年のキャッシュフローを (1+0.1)^年数 で割ってから同じ方法で求めた時点 3. キャッシュフロー収益率(%・小数2桁)= 系列(0年目=-100000, 1〜6年目=上記)のIRR(内部収益率) 計算に使った式と、実行結果の数値を示してください。
計算ドリル(演習問題)
このページの式を、自分の手で計算できるようになるための演習問題です。
答えと解説は解答ページにあります。
使い方
-
1数値を入力計算したい数値を入力欄に入力します
-
2計算「計算する」ボタンを押します
-
3結果を確認計算結果がその場に表示されます。計算の考え方や式の解説も同じページで確認できます
DataChefの特徴
専門知識不要、直感的で簡単な操作
個人情報を登録することなく使用できます
「ダウンロード」押下でファイルを自動削除
クレジット表記不要
商用利用許諾の連絡も不要です
